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八重歯と犬歯の違いを解説|犬歯が八重歯になりやすい理由・八重歯の治療方法・放置するリスクも紹介

 公開日:2023/12/13
歯科衛生士と男性患者

八重歯と犬歯の違いをご存じですか。八重歯はよく聞くけど、人にも犬歯があるのか疑問に思う方もいるでしょう。

八重歯はチャームポイントで可愛らしいというイメージを持たれる方もいるかもしれません。ですが、実は八重歯を放っておくと様々なリスクを引き起こすことがあります。

そこで、本記事では八重歯と犬歯の違い・八重歯の治療方法・八重歯を放置するリスクなどについて詳しく紹介します。

古田 博久

監修歯科医師
古田 博久(歯科医師)

八重歯と犬歯の違いとは

疑問を持つ医師
八重歯と犬歯は、歯の位置形状の違いがあります。
八重歯は犬歯が外側に飛び出し、歯が重なっている状態です。八重歯は、歯列が狭くなり歯磨きがしにくくなるため、歯周病や虫歯などになりやすいとされています。
犬歯は歯茎から生える1本の前歯で、噛み合わせる役割を担う歯です。小さくて鋭い形状をしています。犬歯は、噛み合わせや笑顔の印象に関わります。
八重歯は正常な歯並びではなく、放置しておくことは様々なリスクがあります。治療が必要なことはほとんどなので、歯科医に診てもらうとよいでしょう。

八重歯と犬歯の違い

キレイな歯
八重歯と犬歯の1番の違いは歯の位置です。
犬歯は正常な歯並びの1つで、上下左右それぞれ対になっており、全部で4本あります。
八重歯は、犬歯が外側に飛び出し、歯が重なっている状態で正常な歯並びではありません。なので、八重歯は歯科医による適切な治療が必要です。

八重歯とは

八重歯
八重歯は、犬歯が外側に飛び出し、歯が重なっている状態です。八重歯は、上下の歯・前歯・後歯などに分類されます。
八重歯になる主な原因はスペース不足です。顎の骨のサイズが小さくスペースが不足していると、犬歯が外側に飛び出して八重歯になることがあります。また、乳歯の虫歯が抜け落ちてスペースが不足することでも八重歯は誘発されます。
八重歯は歯列が狭くなるために歯磨きがしにくく、歯周病虫歯などの原因となりやすいです。
八重歯は正常な歯並びではなく、治療が必要なことが多いため歯科医を受診しましょう。

犬歯とは

白い歯を見せる女性
犬歯は上顎と下顎の真ん中から3番目の歯です。上下左右それぞれ対になっており、全部で4本あります。
犬歯は食べ物を噛み砕くために使用され、小さくて鋭い形状をしているのが特徴です。
また、犬歯は笑った時に最も目立つ歯であるため、笑顔の印象に大きな影響を与えます。
犬歯が異常な位置にあると、歯根吸引といって隣り合う歯根のセメント質を溶かし、短くしてしまうため注意が必要です。
最悪の場合には、歯が抜けることもあるため予防や治療が大切です。

犬歯が八重歯になりやすい理由

家で寝る男性
犬歯が八重歯になりやすい理由として、主に次の2つがあります。

  • 顎と歯の大きさのバランスが悪い
  • 顎と歯の大きさのバランスが悪いと、歯が正常な位置に生えるスペースがなくなってしまいます。

  • 口呼吸
  • 口が開いた状態で歯に隙間があると、犬歯が八重歯になりやすくなります。

顎と歯の大きさのバランスが悪い

犬歯が八重歯になりやすい理由の一つとして顎と歯の大きさのバランスが悪いことが挙げられます。
顎が小さく歯が大きいために、歯が正常な位置に生えるスペースが不足していると、犬歯が外側に飛び出して生えてしまいます。これが八重歯になるのです。
反対に顎が大きく歯が小さい場合も同様で、歯が縮んで隣り合う歯の間に生えてしまう可能性があります。
このような場合には、歯列矯正矯正歯科の治療を受けることで八重歯を防げます。

口呼吸

口呼吸は、犬歯が八重歯になる原因の一つです。
口呼吸では、口を開けっ放しになるため唇が開いた状態になります。唇が開いた状態で歯に隙間を持っていることが、犬歯が八重歯になる原因です。
口呼吸は鼻が遮られている、または鼻が開きにくい場合に起こりやすいといわれています。また、何かに集中していると口呼吸になりやすいです。意識的に鼻呼吸を心掛けましょう。

歯の本数が多い

歯の本数が多いと犬歯が八重歯になりやすいです。
歯の本数は、遺伝的要因栄養などが影響します。歯の本数が多い場合、歯が立ち上がることで隣り合う歯の間に生えてしまう可能性があります。
歯の本数が多い場合には歯列矯正矯正歯科の治療を受けることで八重歯を防げるため、早期に歯科医を受診しましょう。

八重歯の治療方法

歯科矯正中
八重歯の治療法は主に次の3つがあります。

  • ワイヤー矯正
  • 特殊なワイヤーを使用し、八重歯を正常な位置へ移動させます。

  • マウスピース矯正
  • マウスピース型の装置を口腔内に装着し、八重歯を治療します。

  • 抜歯
  • 矯正が行えない場合の治療手段です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、最も標準的な八重歯治療の1つです。
ワイヤー矯正は特殊なワイヤーを使用し、歯を移動させます。これによって、八重歯が正常な位置に配置され歯列が整います。
ワイヤー矯正の適用年齢は、子供から成人まで幅広いです。治療期間は数か月から数年にわたります。
ワイヤー矯正は外科的な手術を伴わず、安全であるため人気のある治療法です。
ただし、ワイヤーが目立ちやすく装着時の違和感が比較的強い傾向にあります。また、ワイヤーは自由に取り外すこともできません。

マウスピース矯正

マウスピースをはめる女性
マウスピース矯正は、マウスピース型の装置を口の中に装着し八重歯の症状を治療する方法です。
歯を整えるためには、1日の装着時間を長くすることが重要です。自分で着脱できるため、食事や歯磨きの時には取り外せます。
マウスピース矯正の治療期間は個人差があるものの、数か月から数年程度を要します。また、装着後には、定期的な口腔ケアが必要です。
マウスピースは、一人ひとりの歯列に合うように設計されるため、装着感が良好であることも特徴の一つです。また、透明な樹脂で作られるため目立ちにくく、周囲のから矯正中であることを気づかれにくいという利点があります。

抜歯

抜歯は八重歯の治療方法の1つです。抜歯は、歯を抜くすることで歯並びの異常を改善できるため、歯並びを整えるために有効な手段です。
抜歯は、矯正装置を使用しない場合の治療方法としてよく使用され、以下のような場合に行います。

  • 歯が異常に大きく、歯列に異常が生じている場合
  • 歯に炎症感染があり、治療が困難な場合
  • 歯の数が多すぎ、歯列に異常が生じている場合

抜歯時は痛みを伴うため麻酔を使用します。手術後は痛みや出血を抑える薬が処方されます。
抜歯によって歯が欠損した場合、インプラントやブリッジを使用するために別の治療が必要になることもありますが、八重歯をそのままにしておくデメリットの方が大きいため歯科医に相談しましょう。

八重歯を放置するリスク

歯痛の男性
八重歯を放置するリスクとして次のようなものがあります。

  • 虫歯、歯周病
  • 八重歯は歯の周りに汚れがたまりやすく、歯磨きもしにくいため虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

  • かみ合わせが悪い
  • 本来かみ合わせに重要な役割を担う犬歯が異常な位置にあるためかみ合わせが悪くなります。

  • 口内炎
  • 八重歯があることで口腔内の環境が悪化したり、粘膜を傷つけたりすることで口内炎ができることがあります。

  • 口呼吸
  • 八重歯が原因で口が閉じにくくなり口呼吸になりやすいです。

虫歯・歯周病

八重歯を放置することで、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
八重歯があることで歯磨きがしにくくなります。そのため、八重歯は正常な歯と比べて、歯の周りに汚れ食物たまりやすいです。そのため虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。
歯周病は、歯の周りの歯茎や歯を支える骨が溶けてしまう病気です。口腔内の掃除が行き届かないと細菌が溜まり、最悪の場合歯を失う原因になることがあります。
そのため、八重歯がある場合は早めに歯科医を受診し、適切な治療を受けることが重要です。定期的な歯科検診・日常的な歯磨き・口腔ケアをすることで、八重歯が原因で発生する口腔の問題を予防できます。

かみ合せが悪い

八重歯は、本来嚙み合わせの役割を担う犬歯が外側に飛び出し、歯が重なって生えている状態です。そのため、犬歯が正常な位置に生えておらず八重歯となると噛み合わせが悪くなります。
噛み合わせが悪くなることで他の歯に負担がかかってしまい、歯が摩耗しやすくなったり歯並びが乱れたりするリスクが高まります。
歯科医を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

口内炎

八重歯を放置することで、口内炎のリスクが高まります。
八重歯があると歯の間に食物や細菌が溜まりやすく、口腔内の環境が悪化します。口腔内の環境が悪化すると炎症が引き起こされ、口内炎になりやすいです。
また、八重歯があることで口腔内の粘膜を傷つけやすくなり、口腔内になることがあります。
歯科医で適切な治療を受けることで、口内炎のリスクを軽減できます。早期に歯科医を受診するようにしましょう。

口呼吸

八重歯を放置することで、口呼吸のリスクが高まります。
八重歯が原因で、上顎の歯が重なってしまうと、口が閉じにくくなり口呼吸になりやすいです。これは特に、寝る時に顕著になります。
口呼吸では口腔内が乾燥しやすく、乾燥した状態が続くと虫歯歯周病口臭が発生する可能性があります。
歯科医に診てもらい適切な治療を受けることで、口呼吸のリスクを軽減しましょう。

八重歯と間違われやすい症例

歯医者と歯科衛生士
八重歯と間違われやすい症例として、水平歯前突歯があります。
水平歯とは、いわゆる親知らず水平に生えている状態です。水平歯は歯が正しい位置に生えておらず歯磨きや口腔ケアがしにくく、口内の環境が悪化しやすいです。そのために、虫歯になったり痛みが出たりすることがあります。
前突歯とは、歯が前に出ている状態です。前突歯は、口が開いた状態になりやすく口腔内が乾燥しやすくなります。口腔内が乾燥すると虫歯・歯周病・口臭のリスクが高くなりやすいです。
口腔内のトラブルを予防するためにも、水平歯や前突歯も歯科医による適切な治療が必要です。

まずは歯科医に相談してみよう

歯科医師
八重歯が気になったら、まずは歯科医に相談しましょう。八重歯は自分だけでは治療が必要なのか判断できません。歯科医は治療が必要な八重歯なのか、治療が必要であればどの治療が最適かを判断してくれます。
また、歯科医では八重歯だけでなく口腔内の環境歯周病などの問題についても丁寧に説明してくれます。八重歯が深刻な問題になる前に、早期に歯科医を受診するようにしましょう。

編集部まとめ

デンタルイメージ
八重歯と犬歯の違いや八重歯の治療法について紹介しました。

犬歯は噛み合わせ人の表情にも関わる歯であるのに対し、八重歯は犬歯が外側に飛び出し歯が重なってしまった状態であることがわかったのではないでしょうか。

八重歯はワイヤー治療マウスピース矯正抜歯などの方法で治療できます。

八重歯を治療せず放置しておくと虫歯歯周病のリスクが高くなるため、早期に歯科医を受診し適切な治療を受けることが大切です。

この記事の監修歯科医師