マウスピース型矯正で対応できない症例は?歯科矯正の種類・歯並びが身体の機能に与える影響について解説
マウスピース型矯正を希望して矯正治療を行いたい方は多いと思います。
目立ちにくい・他の矯正方法に比べて安価などさまざまなメリットがありますが、全ての症例に対応できないのも事実です。
今回は主にマウスピース型矯正について、また対応できない症例・噛み合わせが与える悪影響について詳しく解説していきます。
メリットとともにデメリットも知ることで、ご自身の症例が適応できるかどうか判断することが可能です。
ご自身にあった矯正方法を選択しましょう。
監修歯科医師:
千葉 真紀子(医療法人社団大葉会 つくばホワイト歯科・矯正歯科)
奥羽大学歯学部卒業から複数の医院で務めたのち「つくばホワイト歯科・矯正歯科」を開院。医療法人社団大葉会つくばホワイト歯科・矯正歯科理事長に就任する。 日本成人矯正歯科学会、日本歯周病学会などさまざまな参加学会多数。子どもからご年配まで幅広く、患者さん一人ひとりの口腔に向き合っている。
目次 -INDEX-
マウスピース型矯正で対応できない症例は?
マウスピース型矯正で対応できない症例が4つあります。
- 重度の不正咬合
- インプラントがある場合
- むし歯・歯周病が重度の場合
- 骨格に問題のある不正咬合
これらの場合はマウスピース型矯正による対応ができない可能性があります。しかし、歯科医院によってはできる場合もあるので、事前に確認するのも良いでしょう。
重度の不正咬合の場合
マウスピース型矯正では対応できない症例があるので注意が必要です。不正咬合と呼ばれる歯並び・噛み合わせの状態がよくない状態で、中でも重度の不正咬合はマウスピース型矯正ができない場合があります。
不正咬合には叢生・過蓋咬合・上顎前突・開口・反対咬合・交叉咬合などがあり、軽度の不正咬合はマウスピース型矯正を行えることがあります。歯科矯正を行いたいと考えている方は、自身の歯並びがマウスピース型矯正に対応できるか確認してから治療を検討しましょう。
また、「マウスピース型矯正では対応できないが他の矯正方法なら対応できる」といった場合もあるので、治療方法など十分に理解した上で矯正治療を始めることが大切です。
対応できない症例は歯科医院によっても違いがあるため事前に確認を
前述したような不正咬合が重度の場合だと、多くの歯科医院がマウスピース型矯正の対応を行っていないことの方が多いです。しかし、歯科医院によっては重度の不正咬合でもマウスピース型矯正での対応を行っている場合があるので事前に確認しましょう。
自身の希望でマウスピース型矯正を選ぶ方が多いと思うので、歯科医院のホームページでどのような症例に対して行っているか見て確かめるのも大切になります。
歯科矯正の種類
歯科矯正の種類は以下のようになります。
これらについてそれぞれメリット・デメリットを紹介します。自身の希望する矯正方法があれば、その矯正装置を取り扱っている歯科医院を選びましょう。
また歯科矯正は決して安いとはいえません。歯科医院にてしっかりと説明を受け、理解した上で歯科矯正を始めることが重要です。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は広く行われている一般的な矯正方法です。さまざまな症例にもほぼ対応しているのがワイヤー矯正の特徴です。歯の表側にブラケットとワイヤーを装着して行う矯正方法で、裏側矯正(舌側矯正)・マウスピース型矯正に比べると目立ちやすい方法になります。
しかし、ブラケット・ワイヤーが透明なものもあるので審美性に優れたワイヤー矯正を行うことが可能です。デメリットは金属アレルギーのリスクが多少あります。また歯磨きによって汚れをしっかり落とせないとむし歯・歯周病のリスクが高まる場合があります。
費用は50~120万円(税込)程度が相場となっています。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正(舌側矯正)はワイヤー矯正の一種で、歯の表側につける矯正方法ではなく歯の裏側(舌側)につける矯正方法です。歯の裏側に矯正装置がついていて目立ちにくいため、人と接する機会の多い方におすすめです。また、歯の表側のエナメル層よりも歯の裏側のエナメル層の方が表面のエナメル層に比べて厚いため、歯のエナメル層を傷つけにくいメリットもあります。しかし、歯の裏側に矯正装置がついているため、直接舌に装置が触れることがあり話しづらいことがあります。
また矯正装置の取り付けには、高い技術が必要なため対応していない歯科医院もあります。費用は60~150万円(税込)程度が相場となっています。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は目立ちにくい矯正方法として、注目を集めている矯正方法です。またワイヤーなどといった金属を使用していないため、金属アレルギーのリスクもありません。食事・歯磨きの際はマウスピースを取り外せるため、口腔環境を清潔に保てます。
マウスピースの取り外しができるので歯ブラシもしやすくなり、マウスピースを外して食事ができ、今まで通りの食事をすることが出来ます。またワイヤー矯正の場合、治療器具の調整や検査の関係で毎月1回は来院する必要がありますが、マウスピース矯正の場合は3か月に1回とクリニックに行く頻度を少なくすることが出来ます。
デメリットは、マウスピース型矯正は1日の装着時間が20時間以上であることが推奨されているため、患者さん自身で取り外し、装着していない時間が長くなると矯正が完了するまでの時間も長くなってしまいます。マウスピース型矯正を希望する方は、装着時間に注意しましょう。
費用は部分矯正の場合10~50万円(税込)程度、全顎矯正の場合80〜100万円(税込)程度が相場となっています。
部分矯正
部分矯正は前歯など一部のみに行う矯正方法です。全ての歯の矯正ではなく、一部分の歯並びだけが気になっている患者さんに向いています。部分矯正は歯の全体を矯正するより費用も安くなり、費用相場は10~80万円(税込)程度となっています。また矯正期間が短いのも特徴です。
しかし、部分矯正で適応できる症例は限られています。自身の歯並びに適応できるかは歯科医院に確認しましょう。また、全体の噛み合わせは改善できず、全体矯正に比べても部分的な矯正になるため仕上がりは甘くなってしまいます。
歯科医院に相談して理解した上で、部分矯正を開始するようにしましょう。
矯正治療を早く完了するには?
矯正治療を早く完了させる方法が3つあります。
- 歯の動きを促進させる光加速装置での治療ができる歯科医院を選ぶ
- 通院期間を守る
- 矯正装置を正しく装着する
「光加速装置」は聞き馴染みがないかもしれません。光加速装置とは、赤外線によって歯周組織の血流を良くし細胞の活性を高め、矯正期間を短くする装置です。しかし、まだまだ光加速装置を取り扱っている歯科医院が少ないのも現状です。
また、通院期間を守る・矯正装置を正しく装着することでも、矯正完了期間を早められる可能性が高くなります。
矯正治療を始める際は、不安や悩みを医師に伝え、治療法を理解した上で治療に臨みましょう。
歯の動きを促進させる光加速装置での治療ができる歯科医院を選ぶ
矯正治療と併用して、光加速装置というものを使用すると矯正にかかる期間を短くできます。これは、光加速装置からの赤外線によって歯周組織の血流を増加させ、細胞の活性を高めます。
また、光加速装置は1日1回歯に赤外線を照射しなければなりませんが、照射時間は10分以下のため手軽に行えます。矯正治療中に併用して行うものですが、矯正装置によって発生した違和感や軽微な痛みも軽減できます。
しかし、取り扱っている歯科医院が少ないので注意しましょう。
通院期間を守る
矯正治療を早く完了させるためには、通院期間はしっかりと守る必要があります。予約をした日に通院できずに延期になると、治療が完了する期間も伸びてしまいます。自身の予定を把握し、予約をした日に通院するように心がけましょう。
矯正装置を正しく装着する
マウスピース型矯正は1日の装着時間が短くなると、歯科医院が予想していた期間より治療期間が長くなる可能性があります。マウスピース型矯正の装着時間は1日20時間以上となっています。食事・歯磨きの際に取り外したまま装着し忘れないように心がけましょう。
また、矯正治療が完了した後でも、動かした歯が元に戻らないようにする保定期間があります。この期間中も保定装置というものがあり、正しく装着できていないとせっかく動かした歯が元の歯並びに戻ってしまう場合があるので、歯科医院でいわれたことをしっかりと守ることが大切です。
噛み合わせが悪いと身体の機能にも影響が出る?
噛み合わせが悪いと全身に悪影響を与えてしまいます。またむし歯や・歯周病のリスクも高めることがあるので早期改善を心がけましょう。悪い噛み合わせが影響して起こりやすいことは以下の通りです。
- むし歯や歯周病になりやすい
- 顎関節症になりやすい
- ドライマウスや口呼吸になりやすい
- 咀嚼がうまくいかず胃腸障害が起こりやすい
このように口の中だけではなく、全身に悪影響を与えることがあります。
一方で、噛み合わせが良いとメリットとして歯の持ちが良くなります。良い噛み合わせの人の方がむし歯や歯周病になりにくく、年齢を重ねても歯が多く残りやすいといわれています。
噛み合わせは、矯正治療によって改善することが可能です。歯科医院に噛み合わせの改善を相談し、身体の機能に影響が出ないようにしましょう。
むし歯や歯周病になりやすい
噛み合わせが悪いと、むし歯・歯周病になりやすいとされています。噛み合わせが悪く、よく噛まないで食事をすると唾液の分泌量が減るためです。唾液には口の中の細菌を流す役割があり、分泌量が多ければその効果は高くなります。
しかし、むし歯・歯周病になりやすい人は唾液量が少ない傾向にあり、唾液によって細菌を流せません。個人差もありますが、食事の際はよく噛むことを意識しましょう。
顎関節症になりやすい
顎関節症になりやすくなる理由に噛み合わせが関係しています。歯並び・噛み合わせの悪さによって顎の負担を高めることがあるためです。噛み合わせが悪いだけでは顎関節症にはならないともいわれていて、ストレス・生まれつき関節に異常がある場合もなりやすい傾向にあります。
しかし、噛み合わせによって顎関節症になっている場合は、矯正治療で改善できることがあるので歯科医院に相談してみましょう。
ドライマウスや口呼吸になりやすい
噛み合わせ・歯並びが悪いとドライマウス・口呼吸になりやすいです。ドライマウスは口の中が乾燥している状態のことを指し、乾燥している状態が続くと唾液による清掃効果が低下し、むし歯・歯周病になります。
口呼吸になってしまうことでもむし歯・歯周病のリスクを高め、また風邪・ウイルスに感染しやすくなることがあります。ドライマウス・口呼吸は口の中の問題だけではなく、全身に悪影響を与えることがあるので注意が必要です。
咀嚼がうまくいかず胃腸障害が起こりやすい
噛み合わせが悪いと、咀嚼がうまくいかないことがあります。咀嚼がうまくいかないと食べ物をよく噛めずに飲み込むことになり、胃炎・大腸炎などの消化器官に障害が見られることが多くなります。
消化不良によって栄養がうまく取り込めず、免疫力の低下による体調不良・便秘・不眠症などになることもあるので、噛み合わせ・歯並びが悪いと思う方は早めに治療を開始しましょう。
茨城県つくば市で矯正歯科、歯科矯正のことならつくばホワイト歯科・矯正歯科へ
つくばホワイト歯科・矯正歯科は、初診時に各検査を行い患者さんの口腔内の状況をしっかりと把握するように心がけている歯科医院です。
また治療が完了した後でも、アフターフォローを必ず行っており、再発防止にも力を入れています。
「患者さん一人ひとりに寄り添った治療へ」を理念としているため、小さなお子さんからご年配の方が安心して通院していただける歯科医院です。
患者さんの症状やお悩みに合わせて矯正治療の方法を提案
つくばホワイト歯科・矯正歯科では患者さんの症状や悩みに合わせて、正しい判断を心がけているそうです。
また矯正治療の他にも小児歯科・口腔外科・歯根治療・被せ物治療の各分野においても、それぞれ得意とする歯科医師が在籍しています。
そのため、矯正治療中であっても悩みに対して迅速に対応してくれるのが魅力です。
治療を行う部屋も半個室・個室と2種類あるため、相談しにくいような悩みでも、周囲を気にせず話せる環境が整っています。
光を利用して矯正期間を短縮できる光加速装置での治療にも対応
光加速装置は、歯周組織の細胞を赤外線によって活性化するものです。治療にかかる期間を最大1/2に短縮できます。
赤外線を使用し治療期間を短縮するのは、歯科治療以外にも美容医療・がん治療・整形外科の領域・外傷の治癒促進など、さまざまな分野で使用されています。
また光加速装置は医学的に証明されている安全性の高いものです。矯正期間を短縮したい方は、「光加速装置」を取り扱っている歯科医院を選びましょう。
クリンチェックで施術を受ける前に術後の状態を確認できる
つくばホワイト歯科・矯正歯科ではクリンチェックというシステムを採用しています。
クリンチェックは治療計画の立案とシミュレーションを行うシステムです。術前と術後を患者さん自身にも容易に見せられます。
これから行う矯正治療がどのような治療法方なのかが把握できるため、安心して治療に臨めます。
クリンチェックを使用した治療に興味のある方は、ぜひつくばホワイト歯科・矯正歯科にご相談ください。
つくばホワイト歯科・矯正歯科の基本情報
アクセス・住所・診療時間
つくばエクスプレス つくば駅 A2出口 車で5分
つくばエクスプレス 研究学園駅 車で6分
つくばエクスプレス 万博記念公園駅 車で10分
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参考文献