インプラント治療の流れを解説!治療期間やブリッジ・入れ歯との比較も説明
インプラントは、失った歯を歯根から回復できる治療法です。天然歯のようによく噛めて、見た目も美しく、顎の骨も痩せにくいと言われています。そんなインプラントのメリットは皆さんもよくご存知のことかと思いますが、治療の流れについてはあまり知られていないようです。特に顎の骨に人工歯根を埋め込むプロセスに興味がある方も多いことでしょう。
ここではそんなインプラント治療の特徴や流れ、治療期間などについて詳しく解説します。
監修歯科医師:
栗城 宏修(栗城歯科医院)
2009 日本歯科大学付属病院 臨床研修医 勤務
2010 栗林歯科医院 勤務
2015 医療法人社団 栗林歯科医院 本院院長就任
2019 栗城歯科医院 開院
目次 -INDEX-
インプラント治療とは
インプラントは、顎の骨に埋め込むチタン製の人工歯根を指します。それを用いて失った歯を補う方法をインプラント治療と呼んでいます。従来法である入れ歯やブリッジとは異なる面が多々あるため、検討していても、何となく大変そう、手術を伴う点が怖いといった漠然とした不安を抱えている方が多いようです。
インプラント治療の費用の相場は1本につき30~40万円(税込)とされています。参考にしてみてください。
※治療期間や費用は治療の手法や素材によって大きく異なる場合があります。
インプラント治療について
インプラント治療では、以下に挙げる3つのパーツを使用します。それぞれのパーツの特徴をご説明します。
・インプラント体
インプラント体は、インプラント治療のかなめとなる「人工歯根」です。一般的には、純チタンもしくはチタン合金で作られているため、人体に悪影響が及ぶリスクが低くなっています。インプラント体があることで、天然歯の見た目や噛み心地を忠実に再現できるようになります。インプラント体は「フィクスチャー」と呼ばれることもあります。
・アバットメント
アバットメントもインプラント特有のパーツといえるでしょう。インプラント体と人工歯を連結するためのパーツで、一般的な被せ物における土台に相当します。アバットメントもチタンで作られていることが多いのですが、審美性を考慮してジルコニアを採用しているケースも珍しくはありません。インプラント体とアバットメントが一塊となっているものをワンピースタイプと呼び、2つに分かれているものをツーピースタイプといいます。現状は、ツーピースタイプのインプラントが主流となっています。
・人工歯
インプラント治療における人工歯を上部構造といいます。上部構造はセラミックで作られることがほとんどで、インプラント体とはアバットメントで連結されます。人工歯にレジンやメタルを使用することも可能です。
インプラント治療の1回法と2回法
インプラント治療には必ず外科手術が伴います。インプラントオペとも呼ばれるもので、1回法と2回法の2つに大きく分けられます。1回法は文字通り外科手術を1回で済ませて人工歯を装着します。2回法は外科手術を2回に分けます。
それだけを聞くと、1回法の方が心身への負担が少なく、優れた施術法のように感じますが、適応できるケースが一部に限られます。顎の骨と全身状態が良好でなければ、外科手術を1回で済ませるのは難しいのです。実際、多くのケースでは2回法が採用されており、1回法はマイナーな手術法となっているのが現状です。
インプラント治療の流れ
ここからはインプラント治療の流れを「1回法」と「2回法」に分けて説明します。両者には手術のプロセスに違いがありますので、その点にご注意ください。
1回法でのインプラント治療の流れ
・カウンセリング
初診では必ずカウンセリングが行われます。患者さんが望んだ場合でも、その日にいきなりインプラント治療をスタートするのは難しいです。まずはカウンセリングでインプラント治療の概要や費用、治療期間などの説明を受けた上で、疑問や質問があれば歯科医師に確認しましょう。インプラント治療に関する不安は、初診・カウンセリングの段階で解消しておくのが望ましいです。
・検査
カウンセリングを受けて、インプラント治療に興味を持った場合は、検査を受けます。インプラント治療では、通常の口腔内診査やレントゲン検査に加えて、歯科用CTによる精密検査も受けることになります。歯科医院の方針やその日の診療状況によっては、カウンセリングのあとにすぐ検査へと進めることもあります。インプラント治療の検査にかかる時間は、30分程度です。事前に特別な準備をしておく必要はありません。
・治療計画
精密検査の結果をもとに、治療計画を立案します。一般的には、検査から1~2週間後には結果が出ています。診療の予約を取って、治療計画の説明を受けましょう。治療計画の内容に同意できたら、いよいよインプラント治療のスタートです。
・インプラントを埋入し、アバットメントを被せる手術
1回法では、人工歯根であるインプラント体の埋入と連結装置であるアバットメントの装着を同時に行います。歯茎をメスで切開して、顎の骨にドリルで穴を開けます。そこにネジのような形をしたインプラント体を埋め込んで、アバットメントを装着したら手術は完了です。インプラント手術の1回法では傷口を縫合せず、アバットメントが口腔内に露出した状態で手術を終えます。この点は2回法との大きな違いといえるでしょう。
・治癒期間
1回法でも治癒期間は必要になります。インプラント体と顎の骨が結合するまでには、2~3ヵ月程度かかるため、その間は安静に過ごしましょう。顎の骨の状態が良ければ、治癒期間も短くなります。
・人工歯を装着
インプラント体と顎骨との結合が確認できたら、上部構造である人工歯を装着します。一般的な被せ物と同様、歯型を取るところから始めます。上部構造は技工所で製作することから、完成までに1~2週間を要します。最終的な被せ物が完成するまでは、仮歯で過ごすことになります。
・メンテナンス
人工歯を装着して細かい調整を加えたら、インプラント治療の終了です。インプラントはメンテナンスが必須の装置であるため、治療が終わった後も定期的な検診を受ける必要があります。
2回法でのインプラント治療の流れ
・カウンセリング、検査、治療計画
これらは1回法と同様の流れで進みます。
・1次手術
インプラント治療の2回法の処置は、1次手術と2次手術の2つに分かれます。1次手術では、インプラント体を顎の骨に埋入するところまでを行います。傷口を縫合するため、手術後は口腔内に露出しているものがない状態で治癒期間へと入ります。縫合に使った糸は、手術から1~2週間後に抜き取ります。
・治療期間
2回法の治癒期間は、3~6ヵ月程度かかるのが一般的です。顎の骨の状態があまり良くない場合は、インプラント体と顎の骨が結合するまでに半年以上かかることもあります。
・2次手術
インプラント体と顎の骨が結合したら、再び歯茎をメスで切開してアバットメントを装着します。2次手術は、アバットメントをインプラント体に連結するだけなので、1次手術ほど大変ではありません。1回法と同じく、手術後はアバットメントが口腔内に露出した状態となります。
・人工歯を装着
歯茎の状態が落ち着き、アバットメントも安定したら、上部構造である人工歯を製作・装着します。この流れも基本的には1回法と同じです。
・メンテナンス
1回法と同様です。
インプラント治療にかかる期間
インプラント治療全体にかかる期間は、1回法と2回法で少し変わります。
1回法の場合
1回法でインプラント手術を行う場合は、顎の骨の状態が良好であるケースがほとんどです。インプラント体と顎骨との結合も比較的スムーズに進むことから、全体としては3~4ヵ月程度で治療が完了します。長くても6ヵ月以内には被せ物の治療まで完了することでしょう。
2回法の場合
2回法でインプラント手術を行う場合は、インプラント体と顎骨との結合を待つ治癒期間だけでも3~4ヵ月を要します。被せ物の製作・装着まで合わせると、6ヵ月以上の期間がかかることになります。
インプラント治療以外の治療法
ここまでは、インプラント治療の流れや期間について解説してきましたが、その他の治療法との違いまで知ることで、より良い選択ができるようになるかと思います。現状、失った歯の治療法としては、インプラント以外に「ブリッジ」と「入れ歯」が挙げられます。
ブリッジ
ブリッジは、インプラントと同じ固定式の装置です。欠損部の両隣の歯を大きく削って支台歯(しだいし)とします。ブリッジにはインプラントのような人工歯根がないため、残った歯を支えとしなければならないのです。支台歯となる歯は、頭の部分の歯冠(しかん)の大半を失うことになります。また、噛んだ時の力は、支台歯が負担しなければなりません。その代わり外科手術は不要です。保険も適用されて、治療期間も比較的短いです。
入れ歯
入れ歯は、取り外し式の装置です。人工歯と歯茎を覆う義歯床(ぎししょう)、残った歯に引っ掛ける金属製のクラスプからなります。入れ歯の場合は、残った歯を大きく削る必要はなく、外科手術も不要であるため、この3つの中では心身への負担が最も少ない治療法といえます。その反面、安定性が悪く、しゃべっている時や食事をしている時に入れ歯の脱離や動揺などがよく起こります。変形・破損なども起こりやすく、調整や修理、場合によっては再治療の必要性が高い装置といえます。
インプラント治療なら栗城歯科医院に相談を
今回は、インプラント治療の流れや治療期間について解説しました。インプラント治療に関する知識を深めていただけたのであれば何よりです。最後に、インプラント治療が得意な栗城歯科医院について紹介します。
完全個室の特別診察室で行うインプラント手術
栗城歯科医院では、インプラント手術を完全個室の特別診療室で行い、プライバシーが保護されるだけでなく、衛生管理も徹底しています。マイクロスコープが備えられており、精度の高いインプラント手術を行うことができます。
先進的で高機能な歯科用3次元X線診断装置を完備
精密なインプラント治療を実施するためには、歯科用CTによる3次元的な画像診断が不可欠です。なぜなら、従来のレントゲン撮影では2次元的な画像しか得られないため、顎の骨や周囲の血管・神経の状態を正確に把握できないからです。栗城歯科医院には、先進的で高機能な歯科用3次元X線診断装置が完備されているため、顎骨やその周囲組織の状態を精緻に観察することができます。インプラント治療では、診療実績が豊富なだけでなく、診断や手術を行う診療環境の充実度も重要といえます。栗城歯科医院は、その両方を満たした歯科医院となっています。
栗城歯科医院の基本情報
アクセス・住所・診療時間
会津若松駅 徒歩12分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00〜12:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
14:30~18:30 | ● | ● | ● | ● | ● | △ | - | - |
△…14:00〜18:00