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インプラントオーバーデンチャーの治療期間|短くするポイントなど詳しく解説

 公開日:2026/02/11
インプラントオーバーデンチャーの治療期間|短くするポイントなど詳しく解説

インプラントの安定性と、入れ歯のメンテナンス性との両方のメリットを兼ね備えたインプラントオーバーデンチャーは、外れにくくしっかり噛めるうえに清潔に保ちやすいため魅力的に感じる方は多いことでしょう。しかし、インプラントという治療法の性質上、治療が終わるまでの期間はある程度かかることは想定しておく必要があります。
この記事は、そんなインプラントオーバーデンチャーについて、どのくらいの治療期間がかかるのか、また、治療期間を短くできるのかなどについて、解説します。

松浦 明

監修歯科医師
松浦 明(歯科医師)

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職場
医療法人 松栄会 まつうら歯科クリニック

出身大学
福岡歯科大学

経歴
1989年福岡歯科大学 卒業
1991年松浦明歯科医院 開院
2020年医療法人松栄会まつうら歯科 理事長就任

資格
厚生労働省認定研修指導医
日本口腔インプラント学会認定医
ICOI (国際インプラント学会)Fellowship認定医

所属学会
ICOI(国際口腔インプラント学会)
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯科学会(SJCD) 福岡支部 理事
日本顎咬合学会 会員
日本臨床歯科CAD/CAM学会(JSCAD)会員

インプラントオーバーデンチャーの基礎知識

インプラントオーバーデンチャーの基礎知識

インプラントオーバーデンチャーとはどのような治療ですか?

インプラントオーバーデンチャーは、歯をすべて失った上顎または下顎の骨に、通常2本から4本の人工歯根、つまりインプラントを埋め込み、この埋め込んだインプラントを支えにして、取り外し可能な入れ歯であるオーバーデンチャーを装着する治療です。
インプラントを利用することで総入れ歯の安定性を高め、強い噛み心地を実現することができます。

インプラントオーバーデンチャーのメリットを教えてください

インプラントオーバーデンチャーは、人工歯根を顎骨に固定するインプラントのメリットと、上部構造を取り外せる入れ歯のメリットの両方を兼ね備えている点が大きな特長です。
まず、装着時の安定性や機能性についてのメリットがあり、人工歯根を顎骨にしっかり固定することで、入れ歯が浮き上がったりずれたりするのを防ぎます。これにより、本物の歯に近い感覚でしっかりと噛むことができ、安定性が高いため発音への影響も抑えられます。
次に、メンテナンス性や清掃性についてのメリットがあります。入れ歯と同様に自分で取り外しが可能なため、オーバーデンチャーの裏側や、インプラントの土台周辺まで隅々まで目視で清掃しやすく、お口の中を清潔に保ちやすいです。また、もし義歯が摩耗したり変形したりした場合でも、修理や交換がしやすいという利点もあります。

インプラントオーバーデンチャーのデメリットを教えてください

まず、通常のインプラント治療と比較して、インプラントオーバーデンチャーは取り外しての清掃が必要です。清掃のしやすさはメリットともいえますが、通常の固定式のインプラント治療が自分の歯と同様に歯磨きで清掃できることと比べると、手間に感じる方もいるかもしれません。また、旅行中など人前での着脱や清掃に抵抗を感じる方もいます。
そして、通常の入れ歯治療と比較して、治療期間が長い点もデメリットといえます。通常の入れ歯であれば型取りから数日、または数週間程度で装着が可能ですが、インプラントオーバーデンチャーは検査から、インプラントの埋入手術、そしてインプラントが骨と結合するまでの定着期間などを合わせると、治療期間が数ヶ月から1年以上かかることがあります。さらに、インプラントを埋入するための外科手術が必要になり、手術に伴う費用も高くなる傾向があります。

インプラントオーバーデンチャーの寿命はどの程度ですか?

インプラントオーバーデンチャーを構成するインプラント本体である人工歯根と、オーバーデンチャーである義歯の寿命はそれぞれ異なります。
インプラント本体は20年前後使い続けることができ、適切なメンテナンスを行うことで30年以上使い続けられるケースもあります。一方で、オーバーデンチャーの部分は使用による摩耗や変形が起こることがあるため、定期的な調整や修理をしながら使用し、約5年から10年程度で新しいものに交換して使用することが推奨されています。

インプラントオーバーデンチャーはメンテナンスが必要ですか?

インプラントオーバーデンチャーを長く快適に使用し続けるためには、専門的なメンテナンスが必要不可欠です。
オーバーデンチャーは、経年により少しずつ摩耗し、噛み合わせや顎骨の変化に伴い変形していく可能性が高いため、知らず知らずのうちに安定性や快適性が悪化していきます。そのため、自宅での正しいセルフケアである毎日の清掃に加え、数ヶ月ごとにかかりつけの歯科医院で定期検診を行い、専門的なメンテナンスを受けることが大切です。
具体的なメンテナンスとしては、オーバーデンチャーの状態確認と調整、インプラント周辺の専門的なクリーニング、そして噛み合わせのチェックなどがあります。定期的にチェックと調整を行うことで、トラブルを抑えて長期間使い続けることが可能です。

インプラントオーバーデンチャーの治療期間

インプラントオーバーデンチャーの治療期間

インプラントオーバーデンチャーはどの程度の治療期間がかかりますか?

インプラントオーバーデンチャーの全体的な治療期間は、一般的に6ヶ月以上が目安とされています。ただし、インプラントが顎骨に問題なく定着するまでの期間には個人差があるため、1年程度かかる場合もあります。
治療期間は、インプラント手術だけでなく、新しくオーバーデンチャーを作製するかどうかによっても大きく異なります。インプラントの埋め込みに加えて新しいオーバーデンチャーを作製する場合は6ヶ月から8ヶ月程度かかり、元々使用していた入れ歯を改造して利用する場合はそれよりも短い期間で治療できる可能性があります。

治療期間を短くすることは可能ですか?

治療期間を短縮する一つの方法は、元々使用していた入れ歯を改造してインプラントに固定できるようにすることです。この方法を採用することで、オーバーデンチャーを一から作製する工程が不要になるため、数ヶ月間治療期間を短縮することができる場合があります。

骨造成やサイナスリフトを行う場合、治療期間はどのくらい延びますか?

インプラントを埋め込むために顎骨の量が不足している場合は、サイナスリフトをはじめ、骨造成と呼ばれる骨を増やす手術が必要になることがあります。骨造成の手術を行う場合、新しく骨が作られるまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかり、そこにインプラントを埋め込んで骨と結合するまでにさらに3ヶ月から6ヶ月間かかるため、トータルで6ヶ月から12ヶ月程度治療期間が延長される可能性があります。
なお、骨造成の方法によっては、インプラントと同時に行うことが可能なものもあり、その場合は治療期間が通常のインプラントと変わらない場合もあります。

全身疾患や服用中の薬は治療期間に影響しますか?

全身疾患や服用している薬は、インプラント治療の成功率や治療期間に影響を与えることがあります。
例えば、糖尿病、心疾患、高血圧、骨粗鬆症などの疾患があると、インプラント治療中に感染リスクが増加して治癒の遅延や出血が増加するほか、インプラントと骨との結合不足といった悪影響が出やすくなります。
また、骨粗鬆症などの治療で併用されるビスフォスフォネート製剤などは顎骨壊死のリスクがあるため、インプラントが骨と結合を始める時期には特に注意が必要です。

治療期間が長引いてしまう原因があれば教えてください

インプラントオーバーデンチャーの治療期間が長期化してしまう主な原因の一つが、顎の骨量や骨の厚みが不足していることによるものです。
インプラントを埋め込むのに十分な骨量がない場合は、骨を移植して増やす骨造成などの前処置が必要になり、その手術後の治癒期間が3ヶ月から6ヶ月程度加わるため、治療期間が増加します。

また、上述のように生活習慣病などの全身疾患があり、インプラントと骨の結合に時間がかかるような場合も、治療期間が長引きます。インプラントと骨の結合を遅くする要因としては喫煙もあるため、インプラントオーバーデンチャーの治療を受ける際は禁煙が必須です。

そして、インプラント治療期間中の口腔ケアが不十分であることも、治療期間を長引かせる要因になる可能性があります。口腔ケアが不足して口腔内が不衛生である場合、感染症などが生じて治療を中断する必要が生じるためです。

治療期間で注意するべきことはありますか?

インプラントの治療期間中は、感染症などのトラブルを避けるためにも、丁寧に歯磨きなどを行って口腔内を清潔に保ちましょう。
インプラントと骨の結合が適切に進むように、禁煙や禁酒、バランスの取れた食事や十分な睡眠といった生活習慣を心がけることも大切です。
また、治療期間中は仮歯または仮の入れ歯を使用することで、見た目や機能ができるだけ低下しないように配慮されますが、仮歯は最終的な義歯よりも破損しやすいなどの特徴があるため、歯科医師の指示に従い、負荷をかけすぎないように注意が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

インプラントオーバーデンチャーは、インプラントの安定性という利点と、自分で着脱可能な入れ歯の清掃性を兼ね備えた、総入れ歯の治療法の一つです。
しかし、インプラント治療の性質上、治療期間は通常の入れ歯に比べて長くなります。
治療期間を短縮したい場合は、現在使用している入れ歯を改造して利用できるか歯科医師に相談してみましょう。
治療を成功させ、長期間快適に使用し続けるためには、治療期間を通じて健康状態を良好に保つこと、そして治療完了後も定期的な歯科医院での専門的なメンテナンスを続けることが重要です。
インプラントオーバーデンチャーは、安定性と快適性を求める方にとって、生活の質を大きく向上させる選択肢となるでしょう。

この記事の監修歯科医師

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