虫歯治療にかかる時間はどれくらい?各治療法の治療期間目安
多くの人を悩ませる虫歯。そんな虫歯の治療には、一体どの程度の時間がかかるかご存知でしょうか?結論から言うと、虫歯の治療にかかる時間は、虫歯の進行度によって大きく異なります。
軽度の虫歯であれば1回の通院で数十分ですみますし、重度の虫歯であれば数回の通院で数ヶ月かかることもあるでしょう。また、虫歯になりかけの状態であれば自宅でのセルフケアで十分治療可能です。
この記事では、そんな虫歯の進行度分類、進行度分類別に適用となる治療法と治療時間、そして虫歯にならないための予防法についてMedical DOC編集部がお届けします。
後藤 陽一 (陽のあたる歯科 院長)
目次 -INDEX-
虫歯の進行度別分類
虫歯はその進行度によって「C0」~「C4」まで5つの段階に分類されます。一口に虫歯と言っても、このようにいくつか分類があるため、まずは自分の虫歯がどの状態かを把握することが大切です。ここからは、それぞれの分類とその概要についてみていきましょう。
「C0」は虫歯になりかけの状態
「C0」は虫歯になりかけの状態です。具体的には、歯の表面にあるエナメル質という部分が溶け出し、その部分が他に比べて白っぽくなります。「C0」は厳密に言うと虫歯ではないため、歯科医院で適切な指導を受け、自宅でもきちんとお口の中のケアができていれば自然に回復していきます。
また、虫歯特有の痛みや歯がしみるといった症状もありません。ただ、放っておくと症状がどんどん進行していくため気をつけてください。
「C1」は初期の虫歯
「C1」は初期の虫歯です。この状態になると「C0」より虫歯が進行し、エナメル質がかなり溶かされているため、自宅でのセルフケアだけでは治療できません。歯科医院を受診して専門的な治療を受ける必要があります。ただ、「C1」と同じく虫歯特有の痛みや歯にしみる症状を感じることはないでしょう。
「C2」は中期の虫歯
「C2」は中期の虫歯です。具体的には、虫歯がエナメル質の下にある象牙質という部分に達し、歯に穴が空きます。この状態になると、虫歯によって黒や茶色の小さな穴が空くだけでなく、冷たいものが歯にしみることもあるため、やっと「自分が虫歯になっている」と気づくことができるでしょう。
「C3」は後期の虫歯
「C3」は後期の虫歯です。具体的には、虫歯が象牙質のさらに下にある神経まで達し、神経が炎症を起こしたり、それに伴い激しい痛みを伴ったりします。ここまでいくと日常生活にかなり大きな影響を及ぼすため、一刻も早い治療が望まれます。
「C4」は末期の虫歯
「C4」は末期の虫歯です。具体的には、虫歯によって歯全体が溶かされるだけでなく、歯の神経まですべて死んでいる状態を指します。ここまでくると神経が死んでいるため逆に痛みを感じることが少なくなるでしょう。
それぞれの進行度で適用となる治療法
虫歯の治療にかかる時間は、先ほど紹介した進行度分類によって大きく異なります。ここから先は、進行度分類ごとに適用となる治療法と、その治療時間の目安についてみていきましょう。
「C0」はセルフケア
「C0」はセルフケアで治療可能なため、歯科医院での治療時間はゼロです。適切なブラッシングをすることで改善が見られるため、歯科医院で適切なブラッシング法を指導して頂きましょう。
「C1」は小さな詰め物で治療
「C1」の場合、虫歯になっている部分を削り、コンポジットレンジという樹脂製の小さな詰め物をするのが一般的です。治療における通院回数は1回、長くても2回となっています。また、「C0」と「C1」の間程度の虫歯であれば、経過観察になることもあります。
「C2」も詰め物で治療
「C2」の場合も「C1」と同じくコンポジットレンジが適用となります。また、その他にもインレーという金属の詰め物や、クラウンという金属の被せ物が適用となることもあるでしょう。インレーやクラウンの場合は歯型を取る必要があるので、治療には最低2回の通院が必要です。
「C3」も被せ物で治療
「C3」の場合、歯の神経まで虫歯が達しているため、虫歯を全部取り除き、神経を取り除いたあとに歯型をとり、その部分に被せ物をするのが一般的です。被せ物には金属やセラミックなどさまざまなもの種類があり、治療には神経を取り除く治療で2~4回くらい、被せ物の治療で2~3回くらいの通院が必要となってきます。また、治療の期間も1~3ヶ月と長期化しがちです。
「 C4」は抜歯と入れ歯等で治療
「C4」の場合、歯の保存は困難なため、抜歯したあとにブリッジ、入れ歯、インプラント等による治療が適用となります。通院は、抜歯で1回、その後、抜いた部位の治癒を待ってから、失った歯を補う治療になりますので、ブリッジやインプラント等を入れる場合は3ヶ月~半年以上かかります。
虫歯にかからないための予防法
このように、虫歯になると時間とお金がかかるだけでなく、痛み等さまざまな症状が発生します。そのため、虫歯において何より大切なのは、虫歯になってから行う「治療」ではなく虫歯にならないように行う「予防」と言えるでしょう。日頃から以下のような予防を心がけ、虫歯にならないように気をつけてください。
- ブラッシング
- フッ素入り歯磨き粉と洗口液の使用
- 定期検診
虫歯予防の基本は毎日の丁寧なブラッシングです。特に就寝後~朝にかけては口の中で菌が繁殖しやすいので、寝る前には必ずブラッシングするようにしてください。また、歯ブラシだけではどうしても磨ききれない歯の隙間については、デンタルフロスを活用して磨きましょう。
フッ素は虫歯の発生や進行を食い止めてくれる成分で、今ではフッ素入りの歯磨き粉や洗口液も多くの種類が販売されています。こうした商品を積極的に活用して虫歯を予防しましょう。
いくら自分では完璧に磨けたと思っていても、実は見えない部分に歯垢や歯石が溜まっているケースは珍しくありません。特に初期の「C0」や「C1」は自覚症状がほとんどないため、自分で虫歯に気づくのは至難の技です。
そのため、たとえ歯の健康に自信があったとしても、1年に3~4回のペースで定期検診に行くようにしましょう。また、定期検診の際は歯の健康状態を確認してもらうだけでなく、正しいブラッシングの方法を教えてもらうとよいでしょう。
虫歯において大切なのは治療よりも予防
虫歯には「C0」~「C4」という5つの進行度分類があり、その分類によって治療時間や治療法が異なります。虫歯治療にかかる時間は、初期の虫歯だと早ければ1回の通院で終わりますが、末期の虫歯だと半年以上かかってしまうこともあるでしょう。
特に末期の「C4」になると歯を保存しての治療が困難となり、治療の期間が長くなるだけでなく治療費用も高額になってしまいます。また、処置内容によっては残っている歯に負担をかけてしまうこともあります。初期の虫歯は自覚症状に乏しく自分では気がつきにくいため、定期検診などで早期発見を心がけましょう。
また、もっとも初期の虫歯(=「C0」)は自宅でのブラッシングで治療可能です。毎日の丁寧なブラッシングで、虫歯治療にかかるお金や時間を事前にカットしておきましょう。
虫歯の進行には個人差があります。また、虫歯のできた部位によっても、進行に差があります。ゆっくりと進行した虫歯では、神経の近くまで進行しても、痛みが出ないこともあります。ごく初期の虫歯(C0)を除き、歯は自然治癒しません。虫歯で失ったところは、人工物で補う必要があり、大きく人工物を詰めたり、被せたりすると、新たな問題が出てくることもあります。何事も早期発見、早期治療が大事になってきます。痛みによる判断ではなく、定期的に歯科医院でチェックするようにしてください。
監修ドクター:後藤 陽一 歯科医師 陽のあたる歯科 院長
虫歯治療でおすすめの歯医者さん 東海編
陽のあたる歯科
出典:https://www.haisha-guide.jp/
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