噛み合せが悪くなる原因は色々ある!原因別の治療方法をご紹介
歯の噛み合わせが悪いと口の中のトラブルはもちろん、全身になんらかの健康問題を生じさせてしまいます。偏頭痛やめまい、肩の凝りといった症状も噛み合わせの悪さが原因かもしれませんよ。一般的に噛み合せの治療としては矯正が有名ですが、じつは噛み合わせが悪くなってしまう原因はいろいろなものがあるのです。そのため歯科医では、それぞれの原因に合わせて最適な治療方法を選択しているのです。そこで今回は噛み合せの原因別治療法について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
坂口 雄一 歯科医師 医療法人 坂口歯科クリニック 院長
目次 -INDEX-
噛み合せが悪くなってしまう原因は大きく分けて2種類
みなさんは「噛み合わせが悪くなる」原因はなんだと思いますか?多くの人は口の中の歯並びの悪さが原因と考えているのではないでしょうか。もちろん歯並びの悪さも、噛み合せが悪くなる原因の一つであり専門的には「不正歯列」といいます。じつは噛み合わせが悪くなってしまう原因にはもう一つ、顎関節の構造に起因するものもあり、これを専門的には「顎関節症」といいます。
このように噛み合わせが悪くなる原因は大きく分けると「不正歯列」と「顎関節症」の2種類があります。どちらも歯科医で治療することが可能ですが、「不正歯列」と「顎関節症」共にいろいろなタイプがあり歯科医ではそれぞれの原因にあった最適な治療法を選択して噛み合わせ治療を行っているのです。
噛み合わせ治療は原因究明が第一!その方法とは?
歯科医での噛み合わせ治療は噛み合せが悪くなっている原因を探ることからはじまります。それでは歯科医ではどのように噛み合わせが悪くなっている原因を探るのでしょうか?主な検査方法を紹介します。
【噛み合わせ治療の主な検査方法】
1、問診 生活習慣やどういった症状が現れるのかを詳しくヒアリングすることにより原因を探ります。
2、検査 口の中の型取りや口腔内のレントゲン検査をはじめ、必要によっては顔貌写真撮影、全身姿勢撮影、顎関節の変形やズレ具合も確認するためにCT撮影なども行います。
3、オクルーザーという噛み合わせのバランスを測定する機械を使用して、噛み合わせを判断します。オクルーザーを使用することで噛む力やバランス、噛み癖などが分かりその後の治療に役立ちます。
4、咀嚼筋触診することで咬合による噛み合せのチェック
以上が歯科医で行う噛み合わせの悪さの原因究明のための主な検査です。
「不正歯列」「顎関節症」の種類
歯医者での噛み合わせ治療は原因によって最適な方法を選択して行っているのですが、ひとことに不正歯列、顎関節症といってもそのタイプはいろいろあります。そこで、それぞれにどんなタイプがあるのかを説明していきます。
不正歯列の種類
歯並びが悪さを原因とする不正歯列には以下のようなものがあります。
・上顎前突
簡単に言うと「出っ歯」ですね。上顎前突が酷い場合には口を上手に閉じることが出来ない場合もあります。
・ 開咬(かいこう)
噛み合せた時に上下の歯が接触しない状態をいいます。食べ物を噛み切ることが難しかったり、発音が悪くなったりします。
・反対咬合
いわゆる「受け口」のことです。咀嚼や一部の発音が難しくなったりします。
・過蓋咬合(かがいこうごう)
上下の歯の噛み合わせが深すぎることをいいます。歯の摩擦や歯周組織へのダメージが懸念されます。
・叢生(そうせい)
歯が重なっていたり、デコボコしていたりといった歯並びの乱れをいいます。
顎関節症の種類
顎関節症とは「口を大きく開くことができない」「口を開けると痛い」「口を開けた時に異音がする」といった症状のことです。顎の原因個所によって主に4つほどの種類があります。
・ 咀嚼筋障害(1型顎関節症)
口を開くときに痛みを感じる症状です。顎関節というより筋肉の問題です。
・顎関節痛障害(2型顎関節症)
顎関節の靱帯や関節包が損傷していることによって痛みを感じる症状です。口を開ける時ばかりでなく、閉じるとき、噛む時にも痛みを感じます。
・顎関節円板障害(3型顎関節症)
顎関節の関節円板がなんらかの理由によってズレてしまっていることによる症状です。顎関節症としてはもっともよくみられる症状で口が2㎝ほどしか開かなくなってしまいます。
・変形性顎関節症(4型顎関節症)
軟骨が損耗することで骨が変形してしまって、顎に痛みを感じたり、口を開く時に異音がしたりする症状です。日常的に顎関節へのダメージが重なることで骨が変形してしまうのが原因です。
噛み合せの治療方法
紹介してきた通り、噛み合わせが悪くなる原因にはいろいろなものがあります。歯科医では検査の結果判明した原因から最適な噛み合わせ治療を行っています。そこで噛み合わせ治療にはどのような方法があるのかを紹介していきます。
不正歯列の治療
不正歯列によって噛み合わせが悪い場合の治療方法には以下のようなものがあります。
・ワイヤー矯正
歯にブラケットと呼ばれる器具を装着して、ブラケットを通したワイヤーで歯を引っ張る矯正方法です。治療費用は60万~80万円程です。
・マウスピース矯正
目立たない透明な素材で出来た、取り外し可能なマウスピースを使った歯列矯正方法です。ワイヤー矯正ほど歯を移動させる力はありません。治療費用は50万~100万程です。
・舌側矯正(ぜっそくきょうせい)
歯の裏側にブラケットを装着するより目立ちにくい矯正方法です。外見を気にする人にはおすすめの治療方法ですが、目立たないぶんだけ治療費用も高額となります。治療費用は100万~120万円程です。
・床矯正
総入れ歯のような矯正器具を利用する治療方法で噛み合わせ矯正の中では比較的安価に行うことが可能です。しかし歯の傾きを動かすくらいの矯正力はありますが、根元から動かす必要があるときには適しません。治療費用は30万円程です。
顎関節症の治療
顎関節症を原因とする噛み合わせ治療方法は以下の数種類あり、専門は歯科口腔外科です。
・スプリント療法
スプリントと呼ばれる歯ぎしりや、食いしばりによる歯のダメージを緩和・分散するマウスピースを使用する治療法です。
・マイオモニター療法
顎関節の周囲の筋肉に微弱な電流を流すことで筋肉の緊張を緩和する治療方法です。顎関節症(1型)(2型)の症状の改善に効果的です。
・関節腔洗浄療法
顎の関節腔に生理食塩水を注入した注射針を刺して関節腔を洗浄する治療方法です。関節腔内部を直接洗浄することで関節円板障害(3型)や骨の変形(4型)の症状の改善が期待できます。
・パンピングマニピュレーション
関節腔洗浄療法と同じように関節腔を洗浄した後、注射器を用い内部に圧力を加えることで関節円板の位置を修正する治療方法です。関節円板障害(3型)の症状の改善に適応した治療法です。
噛み合せを治すには原因を究明して適切な治療を受けることが大切
ひとことに噛み合わせが悪いといってもその原因は実にさまざまなモノがあることがおわかりいただけましたね。噛み合わせの治療は単にバランスの悪い部分を削ったり、人工の被せモノをしたりするばかりでなく、根本となる原因を究明してそれに適した治療方法を選択する必要があります。
ただブラケットやマウスピースを使用する歯列矯正は、基本的には自費診療となってしまうので費用面が心配という人もたくさんいるかと思います。しかし例外として外科手術が必要な顎関節症や先天的な異常があると認定された場合には、健康保険が適用されるケースもあります。顎関節症は受け口や出っ歯などみなさんが考えている以上に該当する範囲が広いのです。噛み合せのことでお悩みの方は、一度歯科医に相談してみるのがおすすめですよ。
また、噛み合わせの治療は、かみ癖、歯ぎしり、くいしばり、抜きっぱなしの歯など、何らかの原因でずれてしまった噛み合わせの位置を調整していく治療です。歯並びは、矯正治療や歯を削って被せるなどの修復治療によって改善できますが、歯並びを治すと噛み合わせも変わりますから、噛み合わせを考えた矯正治療や修復治療が大切となります。坂口歯科クリニックでは、噛み合せも考えた上での矯正治療も行っておりますので、 噛み合せが気になる方、矯正治療をお考えの方もお気軽にご来院下さい。
監修ドクター:坂口 雄一 歯科医師 坂口歯科クリニック 院長
噛み合わせでおすすめの歯医者さん 近畿編
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