噛み合わせは矯正で修正できる?噛み合わせを矯正する方法
歯の噛み合わせが悪くて気になる、どうしても片側ばかりで噛んでしまう、そう思って悩んでいる人は多いのではないでしょうか。噛み合わせなんて治せるのかな?と疑問に感じている人もいるかもしれませんが、噛み合わせは歯列矯正で調整することが可能です。噛み合わせを矯正する方法について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
岩渕 泰憲 矯正歯科医 湘南矯正歯科クリニック 院長
目次 -INDEX-
理想的な歯の噛み合わせとは?
毎日当たり前のように噛んでいるので見過ごしがちですが、いったいどのような噛み合わせが理想的なのでしょうか。理想的な噛み合わせが分かれば、そうでない場合は矯正が必要だということになります。理想的な噛み合わせをチェックしてみましょう。
違和感のない噛み合わせ
奥歯を合わせたときや、食事をしたときに筋肉の違和感、こわばりや痛み、あるいは頭痛、上下の歯の間の余計な隙間が感じられない噛み合わせが理想です。しかし無意識に痛くないように自分で調節してしまっていることもあります。歯を噛み合わせたときに、奥歯が均等に当たり同じように力がかかっているかを確認してみましょう。
前歯が下の歯に当たり過ぎない噛み合わせ
歯を噛み合わせたとき、前歯が下の歯に強く当たり過ぎず自然に重なるのが理想の噛み合わせです。奥歯がしっかり合った状態で、下の歯のほうが前に出てしまう状態は問題があります。
仰向けになっても起きていても同じアゴの位置で安定している噛み合わせ
仰向けになって楽にアゴを閉じたとき、前歯が開いていて、一番奥の歯だけが当たっているかみ合わせはアゴの関節が悪かったり、頭痛の原因となる場合があります。多くは仰向けになって楽にアゴを閉じたとき、下アゴが後下方に押し込められる感覚があります。仰向けになっても起きていても同じ位置で安定してかめるのが理想の噛み合わせです。奥歯がしっかり合った状態で、下の歯のほうが前に出てしまう、前歯と下の歯の間に広い隙間が出来てしまうという状態は問題があります。前歯が下の歯に当たらなくてもこれらの状態になるなら矯正が必要です。
歯をスライドさせたときに、犬歯がぶつかる噛み合わせ
奥歯を軽く噛み、歯ぎしりするように軽く左右にスライドさせてみましょう。このときに犬歯がぶつかり左右のスライドを邪魔する噛み合わせが理想の噛み合わせです。また、上下の犬歯がしっかり噛んで全体からズレていないことも大切です。犬歯がぶつかることで歯ぎしりの防止になります。
縦・横のラインがきれいに十字になる噛み合わせ
歯を合わせて鏡の前で「イー」をしてみましょう。このとき、上の歯の真ん中2本の合わせ目と、下の歯の真ん中2本の合わせ目が縦に重なるでしょうか。例えば上の歯の中心と比べて下の歯の中心は少し右にずれているという場合は、噛み合わせがずれていることになります。また、上下の歯がぶつかる横のラインは左右均等でまっすぐでしょうか。これがずれているのも、噛み合わせが悪いサインです。「イー」したとき、前歯の縦のラインの合わせ目と上下の歯の横ラインがきれいに十字になるのが理想の噛み合わせです。
噛み合わせの悪さが引き起こすデメリット
「噛み合わせが悪くても、日常生活に不便を感じていないからいい」と感じている人がいるかもしれません。しかし噛み合わせが悪いと、ホームベースを逆さにしたような咬筋の肥大、こわばりがみられる顔立ちや、顎のズレを引き起こし、ひいては全身の骨格の歪みにつながります。矯正治療で歯並びだけでなくかみ合わせも改善すると、顔の形、アゴのラインが以前よりシャープになります。また噛み合わせの悪さが原因で歯ぎしりをすることがあり、歯のエナメル質が削れて歯を痛める原因となるのです。さらに噛み合わせが悪い歯は汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすくなります。また、噛んだときに力が均等に行き渡りません。特定の箇所に力がかかりやすいため、顎や骨にダメージを与え、歯周病を悪化させやすいというデメリットがあります。
噛み合わせも歯列矯正で直せるの?
噛み合わせが悪いことが分かったら、虫歯や歯周病、全身の歪みを引き起こす前に悪い部分を調整し、良い噛み合わせに変えていきましょう。それには、矯正治療を行う前に下アゴの本当の位置を診断してから矯正によって噛み合わせを治すのが最善な方法です。
歯列矯正の前に3-12ヶ月間かみ合わせを改善するためのマウスピース(=スプリント)による治療を行い、下あごの楽な位置を診断してから、その位置に向かって歯を動かす矯正を行います。
歯並びはきれいなのに歯列矯正?
嚙み合わせは悪いけれど、歯並びは良いから歯列矯正は必要ないのでは、と考える人も多いのではないでしょうか。歯列矯正は、歯並びを整えて見た目を良くすることだけが目的ではありません。かみ合わせを診断するためのマウスピース(=スプリント)によってきちんとした噛み合わせを作ることで、口の中全体を健康にして良い状態を作りだすのが歯列矯正の本来の目的です。歯列矯正は噛み合わせを治すもっとも有効な方法なのです。
歯列矯正は大人でもできるの?
歯列矯正というと、子どもがやるものというイメージがあるかもしれません。また、大人の歯には効果がないのでは、と考える人もいるようです。しかし矯正は歯が生えていれば、基本的に何歳からでも始めることができます。最近では子育てがひと段落した30代の女性が始めることも珍しくありません。歯列矯正は時間もお金もかかりますが、手に入れたきれいな歯並びと正しい噛み合わせは一生ものです。80歳を過ぎても20本の歯を残す「8020運動」がありますが、入れ歯にならずに生活できるように、少しでも早い段階から矯正治療で良い歯並びに治し、健康な口の中を作りましょう。ただし、「たまに歯が浮いた感じがする」、「所々歯の噛む面がしみることがある」、「歯の根っこに違和感があった」、「インプラントが必要といわれた」、「歯周病による違和感がある」、「どこかの歯が当たって痛い」といった成人の方は、マウスピース(=スプリント)によって余計に歯の違和感が増してくるので、先に一般歯科を受診して頂きそれらを十分に治してからご相談下さい。
矯正の種類と方法
歯列矯正にはいくつかの種類と方法があります。金属のブラケットを付ける矯正は保険が使え安い反面、目立ちやすいというデメリットがあります。目立ちにくい白いブラケットもありますが、金属のブラケットと比較すると大きく、違和感があります。また、歯の裏側にブラケットとワイヤーを付ける矯正もあります。この方法なら外から見たときに矯正していることが分かりませんが高額です。どの方法にもメリットとデメリットがあります。歯科医師と金額の面も含め、しっかり相談をして矯正の方法を選びましょう。
歯列矯正以外で歯並びを治す方法
噛み合わせの悪さが気になるけれど、歯列矯正はしたくない、という人も多いのではないでしょうか。確かに歯列矯正は時間とお金がかかるうえ、矯正期間中はいろいろ注意しなくてはいけない点や制限があり大変です。矯正以外の、噛み合わせを治す方法について調べてみました。
マウスピース矯正
歯を動かすためのマウスピース(インビザラインなど)を付けて歯を矯正する方法です。歯列矯正ですが、ブラケットとワイヤーを付けなくて良い見た目上のメリットがありますが、歯を覆うため慣れるまで違和感はあります。また、目立たないので、矯正していると気づかれにくいというメリットがあります。マウスピースは取り外し可能で、食事のときなどは外し、食事を終えたら歯磨きをしてまたマウスピースを付けます。ただしマウスピースは通常の歯列矯正と比較すると特定の位置にぴったり歯を動かすことが難しく、誰でもできる方法ではありません。
床矯正
床矯正は子ども向けの矯正方法です。取り外し可能な装置を付け、顎を広げることで歯並びや噛み合わせを調整します。一般の矯正のようにブラケットとワイヤーを付けないため、歯磨きがしやすく矯正中の虫歯を防ぎやすいというメリットがある方法です。噛み合わせや歯並びの悪さは、最近は生えてくる歯が大きいのに対して顎が小さすぎることが原因であることが多いため、根本から解決することができる方法だといえます。
生活習慣改善で良くなる場合
噛み合わせの悪さは、歯並びや骨格には特に問題がなく、生活習慣の悪さが原因というケースがあります。この場合、生活習慣を見直すことで噛み合わせが改善できる可能性があるのです。噛み合わせが悪くなりがちな生活習慣が、片方の顎にだけ負担をかける行為です。例えば、片方だけでものを噛む、うつぶせや横向きで寝るという行為は顎の片方にだけかなりのプレッシャーをかけ、はぎしりとともにアゴの関節の軟骨のズレを助長しています。歯を食いしばる、歯ぎしりするという行為も、顎の筋肉に負荷をかけているのでアゴの骨やアゴの関節に無駄な負担をかけ、噛み合わせを悪くしている原因です。思い当たる節があればこれらの行為をできるだけしないようにして、顎を左右同じように使うように心がけましょう。
噛み合わせを治療するためには
噛み合わせが悪いと全身の歪みや歯周病を引き起こし、虫歯にもなりやすくなります。噛み合わせを改善するおすすめの方法は、最初にかみ合わせを診断するマウスピース(=スプリント)をほとんどフルタイムで使用することによって下アゴの位置を診断し、正しい方法に則った歯列矯正です。時間とお金がかかりますが、根本からしっかり治すことができるので、口の中全体を健康にすることができます。歯列矯正で正しい噛み合わせときれいな歯並びを手に入れ、年齢を重ねても入れ歯要らずでいられることを目指しましょう。
最小限の違和感にするために、さまざまな工夫をし、使って頂けるような装置を作るように心がけています。
大切なのは、矯正治療をする前にしっかりした本来の顎の位置を再現してから歯を動かすことです。
時間はかかりますが、おそらくは矯正治療の時間としては最短でうまく噛めるように持っていけることはあるので、
是非ご協力ください。
当院は患者さんと協力しながら二人三脚での治療を心がけています。
常に改良していきながら違和感を最小限なるように努めていきたいと思っています。
監修ドクター:岩渕 泰憲 矯正歯科医 湘南矯正歯科クリニック 院長
嚙み合わせ治療でおすすめの矯正歯科 関東編
湘南矯正歯科クリニック
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