予防歯科は効果がある?定期健診の重要性
日本の歯科分野は長い間、悪くなってからもしくは、症状が出てから治すスタイルがずっと主流でした。
この背景には歯科医院の数と患者さんの口腔内状態も大きく関係しています。
昔は歯の悪い人が多く、治療を受けられる歯科医院の数が少なく、歯科医師も治療を行うことだけで手一杯の状態でした。
そしてこのような治療形態で歯科医院も十分に経営が成り立っていたのです。
しかし、治療を重ねても結局は歯の保存は出来ずに抜歯にいたるケースが多く、結果的に先進国では極めて生涯残っている歯の数が少ないという現状になってしまったのです。
しかし、最近では国民の歯に対する意識も高くなり、逆に歯科医院の数は爆発的に増えて、従来の悪いところを治すという歯科医院の経営の構図は完全に崩れてしまったのです。
そのため最近では多くの歯科医院が予防歯科に取り組んでいると謳うようになったのです。
実際に予防⻭科に注⼒している⻭科医院を⾒分ける⽅法
では、予防歯科とは言っても果たして患者さんは何をもって予防歯科に注力している医院と判断すればいいでしょうか。
大事なのは総合力と診断力だと思います。どういう事かというと、医科の分野で例えると分かり易いかと思いますが、多くの国民が保険の効かない人間ドックにわざわざ行き病気を早期発見するように心がけています。
そして、必要があれば精密検査をして、早めに悪くなる前に治療を行う事で健康を維持しています。
大事に至る前に治すというのも予防の分野の一つなのです。
しかし人間ドックに行っても、もしそこの病院で病気を見逃されたら意味がありません。
歯科の分野も同じことが言えます。
定期健診で歯石取りをして、虫歯や歯周病のチェックを受けて問題がなければ、また何カ月かして定期健診を受けます。
ここで大事なのは、問題があるかどうかを判断するための検査やそれに必要な機器、診断を下す医師や衛生士は病院によって異なります。
ある病院で定期健診を受けており、問題ないと言われていたのに、別の病院に行ったら問題がたくさん見落とされていたことが発見されると、その定期健診も無駄になってしまいます。
総合力が大事なのは、歯科医院によってCTがあるところ、予防専用の設備が整っているところ、マイクロスコープやマイクロルーペで何倍も拡大した状態で口腔内をチェックができる環境があるかなど、その病院に問題を発見するために必要な色々な環境があるかどうかです。
そしてもし発見しても、治すことができなければ、意味がありません。治すための病院の総合力もまた大事なことです。
先ほども話したように環境が整っていても診断を下す医師の知識や診断力、治療の技術も大事なのです。
患者自身が変えるべき考え⽅と身につけるべき⽣活習慣
ここで少し予防の考え方を変えてみることも大事です。
例えば、虫歯は無症状で進行し、症状が出た時には、もう神経までいっている事が多く、治療も大変なケースがほとんどです。
急性症状では麻酔も効かない事があり、患者さんにも治療で苦痛を与えてしまいます。
歯周病も全く同じで、症状が出た時には抜歯しか選択肢がない状態になっていることもあります。
仮に、何度も歯科医院へ通って、手術の結果、ようやく残せれる状態にまで回復できたとします。
しかし、そこから維持するためには、定期健診はもちろんの事、普段の口腔内ケアも人一倍頑張らなければいけない状態になってしまいます。
だとすれば、症状がないうちに病気を発見し、無痛的に治療ができるうちに治すのがどれだけ負担が少ないかは、詳しく言わなくてもわかると思います。
少し、歯科に対する自分の考え方を変えるだけで、歯の事で悩むことも少なくなるはずです。
是非、定期健診を今すぐ受けてください。
名古屋市緑区のあくね歯科クリニック
筆者:阿久根 竜大