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【予防歯科】ずっと健康な歯を保つためのリスク診断と予防プラン作りの流れを歯科医が解説

 公開日:2023/11/15
【予防歯科】ずっと健康な歯を保つためのリスク診断と予防プラン作りの流れを歯科医が解説

毎日セルフケアを熱心に行っているにもかかわらず、むし歯や歯周病を繰り返してしまう方は少なくありません。このような方におすすめなのが、歯科医院で実施するむし歯・歯周病の「リスク診断」です。そこで、歯科医院のリスク診断について、具体的な内容やメリットなどをアルファデンタルクリニックの松井先生に解説してもらいました。

松井 嵩昌

監修歯科医師
松井 嵩昌(アルファデンタルクリニック)

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東京歯科大学卒業。アルファデンタルクリニック院長に就任。1981年の開院以降、親子二代にわたり地域密着型歯科医院として、予防から審美治療まで幅広い医療を提供し続けている。日本口腔インプラント学会、日本歯周病学会の各会員。健康気象アドバイザー。

健康な歯を保つための「リスク診断」とは?

健康な歯を保つための「リスク診断」とは?

編集部編集部

むし歯や歯周病の「リスク診断」とはどのようなものなのでしょうか?

松井嵩昌先生松井先生

今はお口の中に問題や症状がなくても、この先どのくらいむし歯や歯周病になりやすいか、そのリスクを知るのがリスク診断です。一口に「むし歯」「歯周病」といっても、お口の中の細菌の種類や数、歯並び、生活習慣などによって、その「なりやすさ」は異なります。このようなお口の中に潜む”病気のなりやすさ”を判定していくのが、リスク診断の目的です。

編集部編集部

将来「むし歯になりやすい」「歯周病になりやすい」というのは、どこで判定していくのでしょうか?

松井嵩昌先生松井先生

先に挙げた細菌の種類や数、歯並びにくわえ、歯磨きの回数や磨き方、歯質、被せ物や詰め物の有無などもむし歯や歯周病のリスクに関わってきます。例えばお口の中に細菌が多くても、歯磨きを毎日しっかり行っていて、磨き方も上手な方は将来的なリスクは低いでしょう。一方で、毎日歯を磨いていてもお口の中に詰め物や被せ物が多い方は、将来的にそれらの修復物が劣化してきた場合に、むし歯のリスクが高くなることが予想されます。そのほかに、定期健診の頻度や食事の回数などからも、将来的なリスクが判定できます。

編集部編集部

これらのリスクを判定するために、歯医者さんではどのような検査や診断を行っているのでしょうか?

松井嵩昌先生松井先生

まずはお口の中をくまなくチェックし、肉眼で見えない部分についてはレントゲン検査CT検査を用いて異常がないか確認します。さらに近年は「マイクロスコープ」という医療用顕微鏡も普及してきており、当院でもこのマイクロスコープをリスク診断に活用しています。マイクロスコープは、肉眼やレントゲンではわからない小さな病変を見つけられるのが特徴です。くわえて、問診カウンセリングで生活習慣や食生活、セルフケアの状況などをお聞きし、これらを総合してリスクを判定していきます。

リスク診断をするとセルフケアの効率がUP! リスク診断のメリットを歯科医が解説

リスク診断をするとセルフケアの効率がUP! リスク診断のメリットを歯科医が解説

編集部編集部

リスク診断でむし歯や歯周病のなりやすさがわかると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?

松井嵩昌先生松井先生

ご自身のお口の中にあるリスクを知ることで、これまでよりもむし歯・歯周病を効率よく予防することができます。例えば、歯磨きに毎回10分以上かけているのにむし歯や歯周病になる方は、磨き方に問題があることも少なくありません。その場合、正しい磨き方をきちんと習得すれば、「歯磨きに時間をかける」という手間を減らすことができます。

編集部編集部

自分のリスクを知れば、これまで余計にかけていた手間も省ける、というわけですね?

松井嵩昌先生松井先生

リスクがわかればそこに焦点を当てた細かい指導が歯科医院で受けられるため、それを実践するとセルフケアの効率も格段に良くなります。セルフケアは毎日のことですから、少しでも効率を良くすることが長続きするポイントです。また、高齢の方は唾液の減少が、むし歯や歯周病のリスクを高める要因になります。このように自身では解決できない問題については、歯科医院で定期的なサポートを受けることでより良い口腔環境を維持しやすくなります。

リスク診断に基づく歯科医院の予防プラン作り

リスク診断に基づく歯科医院の予防プラン作り

編集部編集部

むし歯・歯周病のリスク診断を、歯科医院ではどのように活用されているのでしょうか?

松井嵩昌先生松井先生

歯科医院では、患者さん一人ひとりに応じた予防プランの作成にリスク診断を活用しています。予防の基本はセルフケアですからまずはそこに焦点を当て、その方に適した歯ブラシや歯磨き剤の選び方、使い方などをご提案していきます。また、セルフケアにあまり時間がかけられない方や自分でうまく磨けない方については、定期健診の頻度を増やしてもらって歯科医院での予防ケアを強化することも可能です。

編集部編集部

リスク診断を受けると、オーダーメイドの予防プランを歯医者さんで提案してもらえるわけですね?

松井嵩昌先生松井先生

その通りです。また、同じ患者さんでも生活環境やライフステージによってリスクが大きく変化します。したがって、リスク診断は一度だけでなく定期的に行い、その時の状況に応じて予防プランを作り直すことも重要です。

編集部編集部

最後に、読者へメッセージをお願いします。

松井嵩昌先生松井先生

リスク診断はむし歯予防・歯周病予防のベースであるセルフケアをサポートする有効な手段の1つです。お口の中に潜むリスクがわかると自分に適した予防法のアドバイスが受けられるほか、セルフケアの無駄をなくすことができます。これに歯科定期健診をプラスして、むし歯・歯周病を効率よく予防していきましょう。

編集部まとめ

歯科医院で実施するリスク診断には、自身にあるむし歯・歯周病の「なりやすさ」を知ることで、これらの疾患を効率よく予防できるというメリットがあります。また、自分のリスクがわかるとそこに焦点をあてる明確な理由ができるので、セルフケアに対するモチベーションもアップするでしょう。毎日のケアに疑問や不安のある方は、ぜひ歯科医院のリスク診断を活用してみてください。

医院情報

アルファデンタルクリニック

アルファデンタルクリニック
所在地 〒238-0031 神奈川県横須賀市衣笠栄町1-70 湘南信用金庫ビル5F
アクセス JR横須賀線「衣笠」駅より徒歩1分
診療科目 一般歯科、歯周病歯科、予防歯科、審美歯科

この記事の監修歯科医師