定期検診に通う頻度は3ヶ月から6ヶ月に1回が目安!予防歯科のススメ
「治療」よりも、そもそも虫歯や歯周病にならないような「予防」に重点を置く「予防歯科」。
そんな予防歯科に欠かせないのが定期検診です。
定期的な検診やクリーニングに行った方がいいことはわかっているものの、どの程度の頻度で行けばいいのかをわかっていない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、予防歯科における定期検診の概要と重要性、予防歯科で行われている検査・施術・治療の内容、そして自宅でできる予防歯科の方法についてMedical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
水尻 大希 歯科医師 あおばヒロ歯科クリニック 院長
目次 -INDEX-
予防歯科において大切な定期検診の概要
そもそも、定期検診とは一体どういうものなのでしょうか。
定期検診の概要と費用の目安、そして通うべき頻度について解説していきます。
定期検診とは
予防歯科における定期検診とは、簡単に言えば「歯や歯茎に異常がないか、口の中が健康な状態を保っているか」を確認する検診です。
定期検診では主に虫歯や歯周病のチェック、お口や顎周囲の機能チェックを行います。
虫歯や歯周病は最終的に歯が抜けてしまう危険な病気です。
にもかかわらず、発症初期は自覚症状がなく、自分では気づきにくいという特徴があるため、予防歯科の観点から定期検診は欠かせないのです。
定期検診にかかる費用
定期検診にかかる費用は検査や施術の内容によって多少異なりますが、おおむね3,000~4,000円の範囲に収まります。
また、ごくごく簡単な検診であれば2,000~3,000円で受けることも可能です。
このように、定期検診は数千円で行えますが、虫歯や歯周病の治療には数万円~数十万円のお金がかかります。
そのため、経済的な観点から見ても予防歯科を徹底する方が経済的と言えるでしょう。
定期検診の頻度
定期検診の頻度は、3・4ヶ月に1回がひとつの目安とされています。
ただ、これはあくまで目安であり、担当の歯科医師から「健康な歯と歯茎でブラッシングも十分にキレイに行えている」というお墨付きをもらっている人であれば、半年に1回(年2回)の受診でも十分です。
逆に以前虫歯や歯周病にかかった経験があり、再発の恐れがある人は2ヶ月に1回や、1ヶ月に1回受診した方がよい場合もあります。
定期検診の頻度は、担当歯科医師と相談しながら自分に最適なペースを決めていきましょう。
予防歯科で実際に行われる検査・施術・治療
ここからは、予防歯科で実際に行われている代表的な検査・施術・治療について解説していきます。
虫歯、歯周病、唾液の検査
自覚症状がない初期の虫歯や歯周病は、専門の検査やX線撮影を使って検査します。
過去に虫歯治療の経験がある歯や歯周病リスクのある歯はより注意深く管理し、顎や口腔の機能に異常がないか等も併せて診査します。
唾液検査は虫歯や歯周病のリスクを把握するための有用な検査であり、毎回ではなく必要性に応じて行います。
唾液検査は保険適用外であり、希望する方は歯科医院へご相談ください。
クリーニング・フッ素塗布
通常のブラッシングでは取りきれない歯の奥、歯と歯の間、歯と歯茎の境目等の磨きにくい部分を専用機器でクリーニングしてきます。
食べカスの塊である歯垢は、そのまま放っておくと2日ほどで硬い歯石となってブラッシングでは取りきれなくなるので、こうした専門のクリーニングが必要なのです。
歯のザラつきを取ることで、汚れが再付着しにくくなる効果もあります。
矯正治療中のため歯垢が溜まりがちな人にもおすすめです。
クリーニングをしたあとは、虫歯の予防と歯の強化に効果的なフッ素を塗布することもあります。
ブラッシング・食習慣指導
歯科医院での専門的な検査や施術も大切ですが、毎日自宅で行うブラッシングや食習慣が間違っていると、せっかくの定期検診も無駄になってしまいます。
そのため、予防歯科では正しいブラッシングの方法や、食習慣の指導なども行っています。
自宅で出来る予防歯科
予防歯科では、定期検診に通うことも大切ですが、自宅での正しいブラッシングや日々の生活も同等もしくはそれ以上に大切です。
ブラッシング
ブラッシングはすべての予防歯科の基本です。正しいブラッシングのコツは以下の通りです。
・ブラシを当てる角度は、歯に対して90度、歯茎なら45度
・ストロークは小まめに
・歯と歯茎の間は歯垢が溜まりやすいので重点的に磨く
・歯ブラシは毛が開いてきたらすぐ交換する
矯正器具をしている人や元から歯並びが乱れている人は歯垢が溜まりやすいため、特に気をつけて磨くようにしましょう。
また、手磨きと電動歯ブラシどちらがいいかは歯科医師によって意見が異なるので、迷ったときはまず、担当の歯科医師に相談してみてください。
デンタルフロス・歯間ブラシの使用
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけではすべて取りきれません。
そのため、ブラッシングの際はデンタルフロスと歯間ブラシを併用するのがおすすめです。
歯間ブラシにはいくつかサイズや型がありますが、
まずは小さいものから試していき、自分に合ったものをブラッシングしながら見つけていきましょう。
洗口液の使用
ブラッシングのあとは、仕上げに洗口液を使用するのがおすすめです。
洗口液を使用することによって、ブラッシングをしたあとのキレイで清潔な状態が長時間維持できるでしょう。
生活習慣の改善
虫歯や歯周病の直接的な原因は歯垢ですが、それ以外にも多くの間接的な原因があります。
虫歯や歯周病にかかりやすくなったり、症状の進行を早めたりする代表的な要素は以下の通りです。
・食いしばりなどのクセ
・睡眠中の歯ぎしり
・喫煙
・乱れた食習慣、暴飲暴食
・仕事や生活上の都合などで、歯みがきを欠かすこと
上記の項目に該当している人は、日々の生活習慣から見直してみましょう。
予防歯科は自宅でのセルフケアだけでなく定期検診も併用
虫歯や歯周病にかかってしまうと数万円、場合によっては数十万円~百万円を超える治療費が必要になるかもしれません。
そうした事態を避けるためにも、定期検診に通うことはとても大切です。
定期検診は1回数千円の費用がかかるものの、虫歯や歯周病治療に比べると健康的にも金銭的にもメリットがあります。
必ず受けるようにしましょう。
定期検診の目安は3・4ヶ月に1回ですが、人によってはもっと間隔を開けていい場合もありますし、逆に間隔を短くしなければいけない人もいるでしょう。
また、「定期検診を受けていれば大丈夫」というわけではありません。
自宅でも、丁寧なブラッシング、歯間ブラシとデンタルフロスの併用、洗口液の使用、生活習慣の改善などのセルフケアを心がけていきましょう。
現代の日本において、歯科の定期検診・クリーニングは着実に定着してきています。
その理由として考えられるのは、1.予防効果が絶大で歯を残せること、2.除石などの定期クリーニングなら痛みがほとんどないこと。
3.重症化してからの治療より確実に安価であること、などが挙げられます。
さらに近年、口腔の健康状態が全身にも影響していることを裏付ける研究報告が多数、蓄積されてきています。
国民の健康長寿を目指すうえで、是非とも歯科の定期検診・クリーニングをご活用いただけたらと思います。
監修ドクター:水尻 大希 歯科医師 あおばヒロ歯科クリニック 院長
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