虫歯のない口内環境を定着させよう!予防歯科とは
最近、テレビCMでもよく耳にする「予防歯科」という言葉。なんとなく虫歯予防のことだろうか…とイメージはつきますが、具体的には一体何をするのでしょうか。
予防歯科は、自分でできるセルフケアと歯科医院で行うケアを上手く定着させることが大切です。この予防歯科の具体的な方法について、Medical DOC編集部がお届けします。
瀬尾 徹(瀬尾デンタルクリニック 院長)
目次 -INDEX-
予防歯科の意義
予防歯科とは
歯や歯茎などの口内環境を清潔かつ良好に保ち、日頃から適切なケアを行うことで、虫歯を予防することを予防歯科といいます。
毎日きちんと歯磨きをしていても、いつの間にか虫歯ができていた…ということはよくあります。これは、効果的な口腔内のケアが行えていないことが原因です。人それぞれ歯並びも食生活も違うので、一人一人に合った歯磨きの方法やケアの仕方が必要となります。
なぜ予防歯科が必要なのか
今までの虫歯予防の取り組みといえば、対象は主に子どもが中心とされていました。子どもは十分な歯磨きを行えていなかったり、子どもの歯は虫歯になりやすいためです。
厚生労働省が子どもを対象に虫歯予防対策を行ってきた結果、乳歯や20歳までの永久歯における1人あたりの平均虫歯数は確実に減少してきました。しかし、それでも虫歯がある子どもの数は増加しており、大人の歯周病患者の数が増加しているのです。その結果、高齢になってから歯を失う人が多く、80歳代では約半数の人がすべての歯を失っているというのが現状です。
こうした状況から、今子どもだけでなく、大人も予防歯科が必要とされているのです。
自分でできる予防歯科
予防歯科は、毎日のセルフケアがかかせません。起床後や食後・就寝前の歯磨きは、子どもの頃から習慣づけされたことですが、正しく効果的に行えているかが問題となります。
ブラッシング
ます、歯ブラシは自分の歯にあったものを使用します。ドラッグストアにはたくさんの種類の歯ブラシが並んでおり、「やわらかめ」や「かため」、山型タイプやコンパクトサイズなど、どれにしようか迷ってしまうほどです。しかし、歯並びやアゴの大きさ・自分の磨き方など個人差はあります。歯科医院で相談し、自分にあった歯ブラシはどういうタイプかアドバイスを受けるのもよいでしょう。
また、歯磨きの仕方が一番大切です。歯並びは人それぞれ違い、歯並びが悪い人も多くいます。きちんと自分の歯一本一本に歯ブラシが届いているか、効果的な磨き方をしているかが重要です。自分にあった歯磨き方法を習得する必要があります。
デンタルフロス
歯ブラシでは除去しきれない歯垢を取り除くことができ、歯磨き後にデンタルフロスを使用することで約30%も歯垢の除去率が上がるとされています。柄つきのものや糸を切り取って使用するタイプのものなど、様々な形があります。
またデンタルフロスよりも歯垢除去率が高いとされているものに歯間ブラシがあります。別名、糸ようじなどとも言い歯と歯の間の歯垢をかき出すものです。
生活スタイルや歯並び、使いやすさなど自分にあったものを、歯ブラシに加えて使用するとよいでしょう。
歯磨き剤
歯磨き粉には、さまざまな成分が入っています。成分表をみても素人にはなかなかピンときませんが、わかりやすく説明すると以下のような成分が入っています。
・虫歯の進行、発生の予防
・歯周病、歯肉炎の予防
・歯石の沈着予防
・口臭予防
・たばこのヤニ除去成分
虫歯予防のためにはフッ素配合の歯磨き粉が良いとされています。
デンタルリンス
洗口液やマウスウォッシュなどとも言われます。殺菌作用などがある薬用成分が入っているため、歯磨き後にデンタルリンスで口をゆすぐと、口腔内のすみずみの虫歯菌の殺菌効果が得られます。
アルコール配合のものは、口腔内がすっきりし爽快感を得ることができます。刺激が苦手な人にはノンアルコール性の低刺激タイプもあります。
歯科医院で行う予防歯科
自分で行うセルフケアには限界があります。自分では落としきれない汚れは必ずあります。歯科医院での定期検診は3ヶ月~6ヶ月毎に受けることが推奨されており、予防歯科には専門的なケアが不可欠なのです。歯科医院では以下のようなケアを行います。
口腔内検査
まず、口腔内の全体的なチェックをし、虫歯がないか、歯茎の状態などを確認します。歯科医院によっては、唾液の検査を行い口腔内の細菌の数を測定することもあります。これにより、虫歯になりやすい状態かどうかがわかります。
また、歯と歯茎の境目である歯肉ポケットの深さを測定する場合もあります。これにより、歯茎の健康状態がわかります。
ブラッシング指導
一人一人の歯並びにあった歯磨きの仕方などを教えてくれます。歯ブラシの持ち方や毛先を歯に当てる角度・磨き残しがある場所など、具体的に指導してもらいます。
また、磨き残しが歯のどこにどのくらい残っているかを染め出す、歯垢染色剤を使用する場合もあります。磨けていない場所がはっきりとわかるので、意識して磨くことができます。
歯石歯垢の除去
専用の機械を使って、歯垢・歯石の除去を行います。歯石は、スケーラーという専用の器具を使って除去します。
歯垢は、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)という専用器具を使い、毎日の歯磨きでは落としきれない歯垢をきれいに除去することができます。
予防歯科の実態
予防歯科にかかる費用
歯の定期検診の費用は保険診療外であり、基本的に実費負担となります。何も自覚症状がない状態で、虫歯予防として口腔内のチェック・クリーニングを行うだけでは、保険適用になりません。実費負担での歯の定期検診の相場は、約7000円~15000円程度です。
上記のように、歯科医院によっては、細菌チェックや歯肉ポケットの深さの測定をするところもあり、さらにレントゲン写真を撮る場合などもあり、金額は大きく差が出ます。しかし、虫歯になってから長い治療が必要となることを考えると、予防歯科として定期検診を受けていたほうがかかる金額は少なくて済むようです。
現代の予防歯科への取り組み
予防歯科の先進国として知られるスウェーデンでは、子どもの頃から歯科検診が定着しています。国民の予防歯科に対しての意識がとても高いのです。 そのため、高齢者の歯の残存数も多く、デンタルフロスやデンタルリンスの使用も当たり前になっています。スウェーデンに比べると、日本人にとって歯医者は怖い、痛いなどのイメージがまだまだ強く残っています。
日本では、歯科疾患の予防・早期治療を目的に、6月4日~10日の期間を「歯の衛生週間」としていましたが、歯だけでなく口腔内の健康増進を目的とするため、平成23年に「歯と口の健康習慣」と変更されました。今、日本でも積極的に予防歯科を定着させようと取り組みを行っているところです。これから国民の意識も変わっていくことが期待されます。
毎日のケアと定期検診を習慣づけることが大切
日本人にとって歯科医院は、怖い・痛いというイメージがまだまだ強く存在しています。歯は、大切な体の一部です。老後、歯を失ってしまっては、生きる上で大切な”食”に大きな影響を与えてしまいます。歯の健康は、体の健康に直結するのです。
健康に生きていくためには、毎日効果的な口腔内のケアを行うことが大切であり、歯科医院は自分の体を守るパートナーであるという意識を持って、定期的に検診へ行く必要があるのです。
また、現代では家庭でも行き届いたセルフケアが行えるよう、口腔内ケアのアイテムもかなり充実しています。自分の口腔内の環境を知った上で、自分にあったアイテムを探し、毎日の週間として身につけていくことが予防歯科として大切です。
むし歯や歯周病はご自身では気がつきにくいもの。セルフケアは勿論大事ですが、歯科医院で定期的なメンテナンスもされることをおすすめします。
当院ではむし歯の早期発見、早期治療、その他に経過観察をして、むし歯の進行状況から、いい頃合を見定め、よりよいタイミングで治療を行なっています。患者様それぞに同じ衛生士がメンテナンスを行う担当制を採用しているからこそ、徐々に信頼関係を築きながら患者様の口をくわしく知った上で効果的なメンテナンスが行えています。
またブラッシングの回数やタイミング、間食の内容やとり方などを変えることで、むし歯などの予防効果が高まりますので、生活習慣の改善方法もアドバイスしたり、患者様の歯並びやセルフケアの方法などを考慮して、患者様にあった歯ブラシなどのご提案も参考情報としてご提案しています。歯に関心を持ち、健康的な口に生まれ変わる患者様が一人でも増えるようにしていくことが当院の目標です。ぜひ一度お気軽に足をお運びください。
監修ドクター:瀬尾 徹 歯科医師 瀬尾デンタルクリニック 院長
予防歯科でおすすめの歯医者さん 関東編
瀬尾デンタルクリニック
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