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歯周病とアイコスの関係

 更新日:2023/03/27

喫煙は歯周病にかかるリスクを高め、歯周病になったときにも治りにくくなります。紙巻きタバコと同様、加熱式タバコのアイコスにもニコチンや一酸化炭素などの有害物質は含まれているので、アイコスの喫煙でも歯周病のリスクは高まります。喫煙が歯周病に及ぼす影響と歯周病とアイコスとの関係について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
高峰 幸志 歯科医師(高峰歯科医院 院長)

 アイコスの基礎知識

喫煙者であればアイコスという言葉を知っている方はいらっしゃると思いますが、喫煙しない人には馴染みがない言葉かもしれません。電子タバコといえばわかる人もいるでしょう。アイコスについて詳しく説明していきます。

アイコスとは

アイコスとはフィリップモリス商品による加熱式タバコです。加熱式タバコには他にも、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンのグローや、JTのプルームテックがあります。加熱式タバコとは、煙の出ないスモークフリーのタバコ製品として開発されたもので、紙巻タバコと同じようにニコチンを含み、半固形または固形の基剤からニコチンを発生させて摂取するタバコです。煙の少ない、煙が目に見えにくいタバコには無煙タバコや電子タバコがあり、電子タバコは液体の基剤からニコチンを発生させて摂取します。

紙巻きタバコのように有害な煙を出さずに、紙巻きタバコと同じような喫煙の満足感を得られる製品として無煙タバコ、電子タバコ、加熱式タバコは売り出され、紙巻式タバコに変わる新しいタバコとして注目されています。アイコスはケースのデザインも豊富であり、ファッションアイテムの一部としても楽しむ人もいるようです。

加熱式タバコと紙巻式タバコ

煙が少ない、煙が見えにくいことから禁煙区域でもアイコスなどの加熱式タバコや電子タバコの喫煙を認めるのか、認めないのかという議論も繰り返されていますが、日本禁煙学会では、非燃焼・加熱式電子タバコの危険性について、紙巻きタバコと同様に危険であることを発表しています。

加熱式タバコも紙巻きタバコと同様にニコチンやホルムアルデヒトなどの種々の発がん性物質やアクロレイン・ベンズアルデヒドなどの毒性物質や刺激性物質が含まれ、一部の製品では、紙巻きタバコよりも高濃度の発がん物質が含まれていると発表しています。

加熱式タバコと紙巻きタバコを比較したときに、ニコチンの含まれる量については加熱式タバコの方が紙巻きタバコよりもやや少ない量となっていますが、紙巻きタバコで喫煙するときと同様のニコチンの血中濃度に達するまで喫煙することによって身体に及ぼされる影響は同等であるとも言われています。

また、加熱式タバコでは煙は出ずに水蒸気が出るとされていますが、目に見えている蒸気は水蒸気ではなくプロピレングリコールなどの薬剤の蒸気であり、無害とは言い難いとされています。加熱式タバコは煙が見えにくく、臭いもしにくいことから元来の紙巻きタバコの煙を避ける行動もとり難く、吸っている本人が喫煙しているという感覚も紙巻きタバコに比べて生まれにくいと言えるでしょう。

 歯周病と喫煙

喫煙は糖尿病と並んで歯周病の二大リスクとなることが言われています。喫煙は口腔組織や歯周組織にどのような影響を及ぼすのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

喫煙が歯周病に及ぼす影響

厚生労働省では喫煙は歯周病の二大危険因子のひとつであり、歯周病と喫煙との密接な関係を述べています。本人が喫煙するだけではなく、受動喫煙や三次喫煙(その場にタバコがないのに残留しているタバコの煙で健康被害を受けること)でも口腔や歯周組織は悪影響を受けると言われています。

タバコに含まれるタール(いわゆるヤニ)は歯に付着すると歯垢や歯石がつきやすくなると言われています。歯垢や歯石が蓄積するとその中で歯周病を引き起こす細菌が増えて歯周病を進行させます。

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は身体の組織に酸素を運ぶことを妨げ、血管を収縮させます。身体の組織は酸素や栄養が行き届かない状態となり、老廃物が残りやすくなります。歯肉の血管が縮んでいるため、歯肉が炎症を起こしても歯肉の腫れや出血などが起こりにくく、歯周病の発見が遅れることにつながります。

また、ニコチンは免疫機能を低下させて、歯周病を起こす細菌が増えやすい環境をつくります。免疫機能が低下しており、血流も乏しいので、傷んだ歯肉も治りにくく、手術治療をしても効果が現れにくくなります。喫煙は歯周病にかかりやすくなり、歯周病の治療の妨げとなります。

禁煙が歯周病に及ぼす影響

禁煙することで歯周病が進行していても歯周病の治療の効果が得られやすく、歯を歯周病によって失うことも少なくなると言われています。

喫煙していると、歯肉へのメラニン色素沈着や歯の着色、口臭などが現れやすくなります。自分では自覚症状がなく、歯周病の進行に気づかなくても、歯科で検診を受けることによって発見することができるので、禁煙をすることと歯科での治療を継続し、歯周病の改善を目指しましょう。

 歯周病とアイコス

従来のタバコの喫煙では、ヤニがついて歯垢や歯石が蓄積しやすくなること、血管が収縮して歯肉へ酸素や栄養が運ばれにくくなり、歯周病を起こす細菌が増えやすい環境がつくられ、たとえ歯周病となっても見つかりにくく治りにくくなること、免疫機能が低下することから喫煙は歯周病を引き起こすリスク因子となり、治療の妨げになることもわかりました。では、煙の出にくいアイコスの喫煙ではどうなのでしょうか?歯周病とアイコスとの関係について見ていきましょう。

アイコスが歯周病に及ぼす影響

アイコスは紙巻きタバコを燃やしたときに発生するタールがほとんど含まれないとされており、歯にヤニは付着しにくいと言われています。しかし、全く含まれていないわけではありません。

アイコスにも紙巻きタバコと同様にニコチンや一酸化炭素、発がん物質などの有害な物質は含まれており、紙巻きタバコを吸うときと同様にニコチンの血中濃度が達成するまで喫煙し続けると、血管は収縮して歯周への酸素や栄養の供給は妨げられます。歯周組織が歯周病を起こしやすい環境となるうえ、歯周病を起こしても歯肉の腫れや出血が起こりにくいため、歯周病を初期の内に発見できず、歯周病を気づかないまま進行させてしまいます。

紙巻きタバコからアイコスなどの加熱式タバコへとシフトしたとしても、ニコチンや一酸化炭素が歯周組織へと及ぼす影響は変わらないため、アイコスの喫煙によって歯周病にかかりやすくなり、治療を開始しても、痛んだ歯周組織はなかなか治りにくく、治療をしても効果が得られにくくなると言えるでしょう。

 たとえアイコスでも歯周病の治療には禁煙が大切

喫煙は歯周病を引き起こし、歯周病を治りにくくします。たとえ煙の見えにくい新しいタバコであるアイコスでも、紙巻きタバコと同様にタバコであることに変わりはありません。アイコスのような加熱式タバコでも電子タバコでも、ニコチンや一酸化炭素、タールなどの有害物質は含まれるため、歯周病の危険因子となります。

禁煙をすると口腔や歯周組織の状態がよくなり、歯周病の改善が得られます。禁煙は歯周病だけなく、全身にもよい影響を与えます。自分が喫煙する周囲の人へ、健康への被害を及ぼすこともなくなります。ニコチンには強い依存性があり、喫煙者が禁煙することは簡単なことではありません。明確で強い意志を本人が持ち、周りの環境を整えてサポートしてくれる家族や仲間がいることも必要です。禁煙の意志が生まれれば禁煙支援などの情報を活用して取り組んでみましょう。

監修ドクターのコメント

歯周病は歯を失う原因として最も率が高いものです。
その歯周病に大きく悪影響を及ぼすものの一つに喫煙があります。
タバコを吸う人はすわない人に比べ何倍も歯周病になりやすく、また治療をしても治りにくくなります。
また、全身の健康への悪い影響も見過ごしが出来ません。
私も若いころはヘビースモーカーでしたが、20年前に禁煙することが出来ました。
確かにニコチン依存症を克服するのは並大抵のことではないと思いますが、今では禁煙外来などを利用するとスムーズにやめることが出来るようです。
私としては吸っていた時のことを思えば、今タバコをすわないことのメリット、恩恵をいろいろな面で十二分に感じます。
喫煙者の方は是非一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
高峰歯科医院は健康な方が、その健康を維持するために通っていただく医院です。これから先の充実した楽しく豊かな生活のために、皆様の応援団としてスタッフ一丸となり健康のサポートをいたします。是非、安心と癒しの高峰歯科医院にいらしてください。

 

監修ドクター:高峰 幸志 歯科医師 高峰歯科医院 院長

 歯周病治療でおすすめの予防歯科 関東編

高峰歯科医院

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住所 東京都大田区大森北1-9-2
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休診日 日曜日・祝日
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