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噛み合わせが深すぎて、下の歯が上の前歯の裏の歯茎に当たる! きちんと治療したい過蓋咬合

 更新日:2024/01/04

前歯の深い噛み合わせを過蓋咬合といいます。歯並びがデコボコであったり隙間があったりする場合、噛み合わせが悪いことは自分でも自覚できますが、この場合、一見、きれいな歯並びに見えることもあります。その場合、自分で自覚することが難しいですが、放置しておくとさまざまなトラブルを引き起こす原因になりかねません。
きちんと治療するためには、深く知ることが重要です。前歯の噛み合わせが深い、過蓋咬合について、しぶたに矯正歯科の院長 渋谷直樹先生に伺ってみました。

 

この記事の監修歯科医師
渋谷 直樹 (しぶたに矯正歯科 院長)

 過蓋咬合でみられる症状

治療を早めに開始するには、具体的にどのような症状なのかを知っておきましょう。自分で違和感がある場合は、鏡の前でチェックしてみてください。

歯を閉じたときに下の前歯が見えない

一般的に理想的とされる噛み合わせは、奥歯を噛みしめた状態で見た場合に下の前歯が上の前歯に上部1/3から1/4程度覆われている状態です。奥歯を合わせて歯を閉じた状態で、下の歯の根本部分は見える状態になっているのです。しっかりと歯を閉じた状態にすると、上の前歯で下の前歯が隠れてしまって見えない場合は、過蓋咬合である可能性が高くなります。

下の歯が上の前歯の裏の歯茎に当たる

前歯が深く噛み合ってしまい、下の前歯が上の前歯の裏の歯茎にあたってしまう場合です。この場合、噛みしめることで下の前歯で歯茎を傷つけてしまうため、炎症を起こしてしまい、噛みしめることで痛みを感じることになります。こうした症状は自分でも自覚している場合が多いです。

 原因について

過蓋咬合になってしまう原因には、さまざまなものがあります。中でも考えられる主な原因をご紹介します。

顎の骨格の問題

上顎が過成長で長くなっている、下顎が成長不良で小さいなど。骨格の位置関係に異常があったり、顎の骨格成長がアンバランスであったりすることが原因となる場合があります。遺伝などのさまざまな要因も考えられますが、骨の形成や大きさが適正でないと過蓋咬合となってしまう場合があるのです。

歯の問題

前歯が大きい、伸びすぎていることでなってしまう場合もあります。また、前歯の生えている位置が通常とずれていたり、前に倒れていたりすることで噛み合わせが深くなることもあります。永久歯が生えてくる位置がずれてしまうのは、乳歯を虫歯で早く失ってしまったことが原因となることもあります。
後天的な要因が原因になる場合、奥歯が関係することも考えられます。奥歯を虫歯などで失い、奥歯の高さが合っていない状態が続くことで噛み合わせのバランスが崩れ、前歯に負担がかかってしまい噛み合わせが深くなってしまうことがあります。

生活習慣や癖

強く噛みしめる癖や歯ぎしりなどの癖で奥歯がすり減り、奥歯のバランスを崩してしまい、引き起こしてしまうこともあります。また、頬杖をついたり下唇を噛みしめたり、指しゃぶり、口呼吸といった、何気なく行っている癖が関係するとされています。
過蓋咬合の方で強く噛みしめたり歯ぎしりをしたりする癖がある場合、症状を悪化させる原因になってしまいます。

 弊害について

先天的なものだけではなく後天的な原因でもなってしまう可能性があります。放置しておくと、どのような弊害が考えられるのでしょうか。

口内炎や炎症

下の前歯が上の歯茎にぶつかってしまい傷つけてしまうことで、炎症を起こしてしまいます。歯茎の腫れや口内炎といったお口の中のトラブルは頻繁に感じてしまうことがあります。

咀嚼の障害

前歯上下の咬み合わせが深いため、咀嚼の際に食べ物を奥歯でしっかりと噛みしめることが難しくなる場合があります。噛みしめるたびに下の前歯が歯茎にあたってしまい、痛みを感じて咀嚼が難しくなることも考えられます。
また、奥歯で嚙みしめようとしても、前歯があたることで奥歯に力を入れて噛みしめることができなくなり、咀嚼が十分にできなくなることもあります。

顎関節症

前歯上下の咬み合わせが深い場合は、上の前歯に下の前歯が圧迫され、顎を後ろに押し込まれる状態が続くため、噛むたびに顎関節への負担が増加してしまいます。そのような顎関節への圧迫が原因となり、顎関節症として痛みが出たり、口が開かなくなる危険性が高まります。

虫歯や歯周病

また、下の前歯を上の前歯が覆っている状態のため、唇が閉じにくく上の前歯や歯茎が乾燥しやすくなります。歯や歯茎が乾燥してしまうと、唾液の成分により虫歯から歯を守ることができなくなるため、虫歯になりやすくなってしまいます。
さらに口の中が乾燥した状態が続くことで歯周病のリスクも高まり、口臭の原因になってしまうこともあります。

 治療について

過蓋咬合の治療は、顎の状態、歯の状態によって治療法も異なります。子供など早期に治療を開始することが理想ですが、大人になってから開始することも可能です。矯正治療は、歯科医院によって行っている治療法が異なる場合があります。自分の状態などに合わせて医師と相談して行うことになるでしょう。

ワイヤー矯正

一般的に行われている矯正治療と同じようなワイヤーなどの装置を使って行います。奥歯をワイヤーで高く矯正し正しい位置にし、前歯を歯茎側に動かして噛み合わせを浅くして行きます。

舌側矯正

歯の裏側に装置を装着して矯正を行う方法です。表側で行う矯正治療よりも期間が長くかかってしまう場合もあります。また、状態によっては、こちらの方が高い効果を期待できる場合もあり、さらに表から装置が見えないといったメリットもあります。

プレートやマウスピースによる矯正

奥歯を伸ばすためにバイトプレートという取り外し可能な装置を使用して矯正を行うこともあります。また、マウスピース型の矯正装置を使用して矯正することもあります。

外科手術を併用して矯正

顎の骨格的な要因が大きく、または顎がずれが大きいなど、歯の移動だけでは治療が難しいと判断された場合は、外科手術も併用して矯正を行うことができます。その際は顎変形症と診断され保険矯正の対象となります。外科手術の前後に矯正装置を使った歯の移動を行うことで、顎と歯のバランスを整え、咬み合わせを改善します。

 過蓋咬合は矯正歯科に早めに相談


前歯の噛み合わせが極端に深くなっている過蓋咬合は、年齢を重ね放置することで症状が悪化することもありますし、子供の頃はなかった症状がいきなり現れることもあります。そこで、なるべく早めに症状に気づいて治療をはじめることが大切です。矯正治療はいくつからでもはじめることは可能なので、気になったら信頼できる医療機関へ相談してみるといいでしょう。

渋谷 直樹 歯科医師 しぶたに矯正歯科 院長監修ドクターのコメント
過蓋咬合は上顎前突症(出っ歯)や八重歯の状態でも起こっていることがあるかみ合わせです。矯正治療を希望される患者さんのきっかけは「見た目」が気になることがほとんどですが、将来的にお口の「機能」にも障害が出ることがあります。歯並び、咬み合わせの症状の原因に対する矯正治療を行えば、「機能美」という言葉があるように結果的に見た目の問題も解決します。気になることがあればこの機会に専門機関にご相談に行かれてはいかがでしょうか。
当医院では6,7才くらいから、咬み合わせについてのご相談や治療を希望されることがあります。子供の時は顎の成長を促すことで上下の顎の位置を整えたり、歯の大きさにあったところまで顎の幅を広げて上げで隙間を作ることができます。永久歯列になったときに不正咬合の状態が軽度にすることで、最終的な矯正治療の期間が短くなるといったメリットもあります。また、「遅すぎる」こともありませんので、ぜひお気軽にご相談ください。
 
監修ドクター:渋谷 直樹 歯科医師 しぶたに矯正歯科 院長

 過蓋咬合でおすすめの矯正歯科さん 関東編

しぶたに矯正歯科

出典:http://shibutani-kyousei.com/

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この記事の監修ドクター

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