大人の歯列矯正!期間はどのくらい必要? 治療が「早く終わる」「長引く」違い
大人になって歯列の並びが気になり、「歯列矯正に行こうかな?」と考える人が増えています。しかし、気になるのが歯列矯正期間。予定より早く終わったという人もいれば、長引いたという人もいるでしょう。さらに「何年も矯正器具をつけなければいけないの?」と不安もありますよね。そこで大人の矯正期間について詳しくご紹介します。矯正が「長引いた人」「早く終わった人」の違いも説明するため、参考にしてください。
この記事の監修ドクター:
五十嵐 祐二 歯科医師(五十嵐歯科室 院長)
目次 -INDEX-
大人の矯正期間は約1年~3年
歯列矯正の期間はトータル1年~3年程度が一般的です。
ただし、歯並びが人より悪かったり、歯茎に問題があったり、歯周病で治療に時間がかかったりする場合は5年以上矯正期間が必要です。
また、あまり矯正の必要がない人は数か月で完了する場合もあります。期間は歯の状態や治療方法によって変わります。
あまり調整の必要がない人は短時間、歯並びの悪い人は長期間など、人によって治療期間も変わりますので、目安期間として覚えておきましょう。
また、この期間は矯正器具を装着している期間です。
期間が3つに分けられる
歯列矯正は3つのステップに分けられます。
・歯を動かす期間(矯正器具の装着期間)
・歯を固定する期間(保定器具の装着期間)
1、検診~一人ひとりに合った器具を作成、装着するまでの期間
検診~装着までの期間はそれほどかかりません。カウンセリング、精密検査をして、歯の状態とベストな歯の位置などを調整。
矯正器具を装着します。装着までの期間は約1か月~2か月程度です。
2、歯を動かす期間
歯を動かす期間は、矯正器具を装着して、歯を目的の位置まで動かしていく期間です。
あまり動かす必要がない場合は1年以内に終わる場合もありますが、一般的に1年~3年かかります。
3、歯を固定する期間
歯を固定する期間は保定期間とも呼びます。
目的の位置まで歯を動かした後、矯正器具を外し、保定装置(リテーナー)を装着する期間です。
保定装置は取り外しができるため、矯正器具より、気持ち楽に使用できるでしょう。
ただし、矯正状態によって終日ずっと、就寝時のみなど、使用時間は変わります。
また、きちんと医師の指示通り使用しないと元の歯列に戻ってしまう恐れもあるため、保定期間といっても気は抜けません。
保定期間は一般的に2年以上かかります。保定期間にきちんとケアをすれば、矯正後の後戻りが起きにくくなり、キレイな歯が保てます。
以上のように、この3つのステップが必要です。
矯正治療は3つのステップに分けられる。
歯を動かす期間は1年~3年程度。
動かした歯を固定する期間は2年以上必要。
矯正方法で治療期間は違う
3つのステップの真ん中、「歯を動かす期間」は、使用する矯正器具によって治療期間が変わります。
それぞれの治療方法と装着期間についてご説明します。
矯正方法は主に以下の4つです。
・裏側(舌側)ブラケット矯正
・マウスピース矯正
・部分矯正
表側ブラケット矯正 1年~3年程度
ブラケット矯正とは一般的に目にする機会の多い、ワイヤー矯正のことです。
歯に器具を取り付け、それをワイヤーで固定して矯正していきます。期間は1年~3年程度です。
裏側ブラケット矯正 1年~4年程度
歯の裏側からブラケットを使用して矯正していく方法です。
表から矯正するよりも矯正力が弱く、時間がかかります。
医院によっては、表側からの矯正と同等の期間で治療が行える場合もあります。
マウスピース矯正 1年~3年程度
透明なマウスピースを使用して矯正していきます。
自分で取り外しは可能ですが、1日20時間程度は装着している必要があります。
装着時間が短いと矯正期間が長くなるので注意しましょう。
また、マウスピース矯正は、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換する必要があります。
部分矯正 半年~1年程度
前歯だけなどの部分矯正は、移動する歯の本数が少ないため短期間で矯正が可能です。
治療が「早く終わった」「長引いた」違いは何?
矯正治療で、予想期間よりも「早く終わった」「長引いた」という人もいます。それぞれの違いは何があるのでしょうか。
治療が早く終わった人の特徴4つ
治療が思ったよりも早く終わったというはだいたい以下の4パターンに分かれます。
・歯列の乱れが少なかった
・歯医者の技術力が高かった
・先進的な矯正法で効率良く治療ができた
歯が動きやすかったり、歯列の乱れが少なかったりする以外に、歯医者の技術力や矯正方法によっても時間が変わります。
「少しでも早く終わらせたい」という人は、評判の良い歯医者を探してみるのもおすすめです。
ただし、技術や先進的な矯正方法を取り入れていたりしても、必ず早く終わるわけではありません。
治療が長引いた人の特徴3つ
次に、「治療が長引いてしまった…」という人の特徴を見ていきましょう。
・虫歯が発生して矯正が続けられなくなった
・保定をきちんとせず、後戻りしてしまった
マウスピースや保定器具など、自分で取り外しが可能な場合、付け忘れや決められた時間よりも装着時間を短くしてしまう人がいます。
決められた時間を守らないと、矯正が上手くいかず、ズルズルと何年も矯正し続け場合もあるため、注意しましょう。
また、矯正器具は歯にずっとくっついており、虫歯ができやすくなっています。
矯正途中で虫歯が発覚した場合は、矯正を中断して虫歯治療が必要になります。
矯正治療を行う際は、決められた装着期間を守り、虫歯ができないように口内環境に注意しましょう。
歯列矯正は時間がかかる
矯正期間は年単位かかってくるものになります。すぐにキレイな歯列にはならないため、気になる方は早めに矯正をスタートさせましょう。
ただし、「違和感があってイヤ」と思い、外してしまうと治療期間が長引く危険があるため、一度治療を始めたら、歯医者のいう事を守り、器具をつけ続ける必要があります。
また、具体的な期間は、ひとによってさまざまです。興味がある方は、一度、矯正歯科に相談に行きましょう。
矯正治療は、歯並びの悪い人や審美志向の高い人だけが、受ける治療なのでしょうか。私は、そう思いません。おいしい食事をいつまでも楽しみたい「すべての人」が対象だと考えます。歯並びが整っていないと、歯の隙間や段差に汚れがたまりやすくなり、むし歯や歯周病への疾患リスクが高まります。矯正治療は、これらのリスクを軽減させるだけでなく、かみ合わせという機能面でも大きなメリットがあります。治療の目的によって、矯正には全体的な本格矯正から短期間の部分矯正まで複数の治療法があります。また技術革新により、従来の矯正治療のデメリットであった審美性や痛みなどの問題に配慮した矯正装置や治療方法が登場し、より快適に治療を受けられるようになっています。興味がある方は、一度、矯正歯科にご相談ください。
監修ドクター:五十嵐 祐二 歯科医師 五十嵐歯科室 院長
矯正歯科でおすすめの歯医者さん 関東編
五十嵐歯科室
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