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インプラントにかかる期間ってどのくらい?治療法や痛みは?

 更新日:2023/03/27

インプラント治療と聞くと、治療期間が長いというイメージがあると思います。実際長期間かかってしまうケースが多いですが、仮歯などを入れて早い時期から目立たないようにする方法などもございます。今回はインプラントについて詳しく説明するとともに、インプラントの期間や痛みを抑える方法などを紹介いたします。

インプラントとは

インプラント(人工歯根)治療は、チタンなどでできた人工歯根を歯がなくなった箇所の顎の骨に埋め込み、被せ物をかぶせて噛めるように、また、審美的に回復する治療方法です。

インプラントの構造

インプラントは人工歯根(フィクスチャー)、土台部分(アバットメント)、被せ物(上部構造)の3つの部品で構成されています。

インプラント治療の費用

インプラント治療は、健康保険が適用されない治療法であり、費用の相場は1本につき30万円~40万円とされています。

インプラントの特徴

インプラントは入れ歯のように歯がガタガタになることがないため、自分の歯と同じように噛むことができます。また、基本的には患者様自身が取り外す必要がない治療です。

また、もともと生えている自分の歯を削らなくて良いことも特徴の1つです。そして、手入れとメンテナンスを怠らなければ長期間もしくは生涯使用することも可能です。

一般的にインプラント治療中は歯がない期間ができてしまいますが、抜歯後、インプラント埋入を行い、仮歯を直後に入れることで、インプラント治療中に歯がないという事態を防げる場合もございます。

仮歯は治療の段階に応じて何度か調整を行い、個々の患者さんの理想的な噛み合わせ・形態に合わせていきます。

仮歯は、形態や噛み合わせなどを確認していただき、不具合がある場合には歯科医師に相談することが大切です。

インプラントの治療期間

インプラントの治療期間は、治療方法によって異なります。ここでは、代表的な治療法とその一般的な期間をご紹介します。

通常のインプラントの場合

骨の厚みや高さがインプラントを入れるのに十分な場合、骨とインプラントが安定するのに2ヶ月~3ヶ月程度の期間必要となります。

インプラントを入れる場所の歯を抜いてから数ヶ月経っている場合や、入れ歯やブリッジが入っていたりした場合がこれに該当します。

骨を同時に作成するインプラントの場合

インプラントを入れる箇所に骨が足りていない場合は、インプラントを入れるときに人工の骨を入れる必要があります。

この場合は、人工の骨が硬くなるのに時間がかかってしまうため、4ヶ月~6ヶ月程度の期間が必要になります。

先に骨を作成してからインプラントを入れる場合

インプラントを入れる箇所の骨の幅や距離がない場合、インプラント体を骨に固定することができないため、先に骨を作成する必要があります。その後、骨が固まった後にインプラントを入れます。

骨を作成するのに4ヶ月~6ヶ月、インプラントを入れ、骨に固定するまでに2ヶ月~6ヶ月かかります。

これらを合計すると、6ヶ月~12ヶ月の期間がかかってしまう計算になります。

インプラント治療の流れ

検査の実施と治療計画の作成

インプラント治療を行う前に、患者さんのお口の中の状況を把握するためCTやレントゲン撮影や模型の作成をし、しっかりとした検査を行う必要がございます。

インプラント治療が必要な歯の数、インプラントを埋め込む箇所の骨の硬さ、位置、大きさの違いによって治療法や期間が異なります。

そのため、しっかりとした検査を行った上で治療の計画を立てます。

また、検査の結果どのような治療法を用いるかや、料金、通院の期間についても患者さんと相談し、患者さんの同意を得た上で治療が行われます。

人工歯根(フィクスチャー)を埋め込む

該当する顎の骨に穴を開け、インプラント体すなわち人工歯根(フィクスチャー)を埋め込みます。

条件が良ければ歯茎を切らずに人工歯根(フィクスチャー)を埋め込む事が可能な場合もございます。

基本的には術中の痛みはほとんどございません。局部麻酔で施術を行いますが、ご希望ならば静脈内鎮静法下で施術を行う事もございます。

簡単なものであれば、手術は1時間程度で終了します。

入院の必要はありませんが、手術当日は自宅で安静にしている必要がございます。翌日からは日常生活に戻ることができます。

治癒期間

抜歯とインプラントの埋入を別日に行う場合は、抜歯後2ヶ月~6ヶ月後に人工歯根(フィクスチャー)を埋め込みます。

その後、人工歯根(フィクスチャー)と骨が結合するのを待つために、3ヶ月~6ヶ月の治癒期間を設けます。この期間のことをオッセオインテグレーションといいます。

一般的には下顎で2ヶ月~3ヶ月程度、上顎で4ヶ月~6ヶ月程度の期間が必要と言われています。また、この期間に仮の歯を使用できる場合もございます。

治癒期間には1~3ヶ月に一度の割合で通院をし、手術部位や口腔内の検診を行います。

連結部分(アバットメント)を装着する

インプラント体埋入後、歯茎をしっかり閉じた場合は、もう一度、歯茎を開いてインプラント体を口腔内に見えるように頭出しをしていきます。これを2次オペと言いますが、行う事はとても簡単で30分~60分で終了し、術後の腫れや痛みもございません。

そして、この状態で歯茎が治るまで、1週間~2週間程度の期間を空けます。その後、患者様の口腔内に適した土台を作り、インプラント体と繋ぎます。その後、仮歯を装着します。

被せ物(上部構造)を装着する

仮歯を基に、歯並びや歯の形、歯の色等を確認し、インプラントの上に被せる最終的な被せ物を作成します。

被せ物は完成までに2週間程度の期間が必要です。それをインプラントに被せて治療が完了します。

メンテナンスと定期検診

インプラントで治療した部位だけでなく、口の中を衛生的に保つ必要があるため、歯磨きの方法などについて歯科医師から適切な指導を受けます。

また、3ヶ月~6ヶ月に1度程度の定期検診を行い、インプラントを長期間使用できるようにします。治療開始から完了するまでに2ヶ月~12ヶ月程度の期間がかかります。

インプラントの痛みを抑える方法

静脈内鎮静法で治療する

インプラント手術は、通常局所麻酔で行える治療ですが、手術に対して不安がある方や嘔吐反射の強い方などには、「静脈内鎮静法」で手術を行うことも可能です。

「静脈内鎮静法」は、全身麻酔よりは体の負担が少なく、経験豊富なスペシャリストが施術することにより安心して行うことができます。

痛み止めを使用する

インプラントの手術後は麻酔が切れてしまうため、痛みが生じることもあります。手術後は痛み止めが処方されるので、それを使用することで痛みが緩和されます。

しかし、患者さんによっては手術後に特に強い痛みを感じてしまう方もいます。

その場合は痛み止めが効かないことがあるため、薬の量を増やしたり、傷口を消毒したりすることで痛みを緩和させる必要があります。

患部を冷やす

手術後の痛みを緩和させるためには、患部を氷のうなどでアイシングすることは効果的です。

食事に気をつける

食べ物を噛み砕くと治療部分に衝撃を与えてしまうため、食べ物はなるべく柔らかいものを選びましょう。

豆腐やヨーグルトなどがおすすめです。また、お酒や煙草は患部を刺激してしまうため、手術後は禁酒、禁煙を徹底しましょう。

治療期間にも個人差があります。一度担当医に相談しましょう

いかがでしたでしょうか。インプラント治療は骨の治癒と密接に関係があるため、治療には長期間かかってしまいます。

しかし、インプラントはブリッジや入れ歯と比べて他の歯に負担をかけずにお食事ができようになるため、歯に優しい治療法といえるでしょう。

また、治療期間にも個人差があるため、長期間かからないケースもございます。

入れ歯やブリッジへのご不満や、歯を失ってお食事に不便さを感じておられましたら、ぜひ一度、インプラント治療を検討してみてください。

この記事の監修ドクター

この記事の監修歯科医師