顎関節症とは?どんな症状?何が原因?
顎を動かすという動作は、生活の中の基本的な動作のひとつです。話したり食べたりするときにはもちろん、重いものを持ち上げようとするときにも、顎と歯を食いしばって作業をするのではないでしょうか。顎が正しく機能することはとても大切であるといえます。
最近では顎の不調をうったえる方が多くなっているといわれています。顎関節症と診断されるケースも多いようです。顎関節症とはどんな症状なのでしょうか。
顎関節症について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
鍋山 浩司 歯科医師 アーバン歯科室 院長
目次 -INDEX-
顎関節症が疑われる主な症状
「カクッ」っと音がする
まず、顎関節症にはどんな症状があるのでしょうか。最初に、顎を動かすときに発する音に注目してみましょう。口を開け閉めするときに顎を動かすと、「カクッ」「コキッ」と音が出ることがあります。顎の付け根の関節のところにある関節円板という軟骨がずれてしまっていて、動かすときに無理な摩擦が生じ、音を発してしまうようです。
音を発する位置が耳に近いので、大きな音に聞こえてしまい深刻な問題のように感じてしまうこともあります。しかし、他の関節からも音がすることがあるように、症状が音だけという場合はそんなに深刻であるというわけではないことが多いです。他の症状も見られるということであれば、顎関節症の可能性があります。
顎の痛み
顎から出る音以外の顎関節症の症状として、顎の痛みがあげられます。食べるときの咬む動作の際に、顎関節の周辺の痛みやこめかみのあたりの痛みがあるなら、顎関節症が疑われます。また、こめかみを指で押したときに強く痛みを感じる場合も、顎関節症であることがあります。顎を動かすための筋肉が過度に緊張してしまっていることが痛みにとして表れてしまうようです。
顎を動かすとき以外にもずっと慢性的に顎が痛いのであれば、顎関節症ではない他の症状であることもあります。
口が開けにくくなった
口が開けにくくなることも、顎関節症の典型的な症状のひとつです。縦に指3本分のスペースも開かない場合は、顎関節症が疑われます。それ以上開けようとすると痛みがひどくなるので開けられないケースと、実際に開けようとしても開かなくなってしまっているケースがありますが、いずれの場合も顎関節症の症状に当てはまります。顎関節の関節円板が大きくずれて、顎の動きを制限してしまって、口を開くという動作ができなくなってしまうようです。
これらの症状をうったえて医療機関に相談に行く方のうち、実際に継続的な治療が必要になるケースはほんの一部の方のみだけのようです。しかし、放っておいてしまうと、顎の痛みがひどくなってしまうなどの深刻な状況に発展してしまいますので、早いうちに医療機関に相談するようにするとよいでしょう。
顎関節症になってしまう原因
上下の歯の噛み合わせの異常
顎関節から音が出るようになったり、口が開きにくくなったりする原因は、顎関節のところにある関節円板がずれてしまうからですが、なぜ関節円板がずれるようになるのでしょうか。
原因はいろいろ考えられますが、大きな要因のひとつは噛み合わせに異常があることがあげられます。上下の歯の噛み合わせが慢性的にバランスを崩した状態で過ごしていると、顎にバランスの無理がしわ寄せでやって来て、少しづつ関節円板をずらしていってしまうことがあるようです。
例えば、何ヶ月もの間、奥歯がなくなっている状態や、歯周病で歯が緩んですれ違いになっている場合などです。
重いものを運ぶ仕事やスポーツをするなど、食いしばる動作が日常的に多くある方で、歯の噛み合わせがよくない場合は、その力のアンバランスの影響を顎関節が常に受けてしまうことになります。
歯科医院で処置してもらった入れ歯やつめ物なども、よくフィットしていなければ、噛み合わせが悪くなってしまい、顎の負担の要因になります。
ストレスによる顎の筋肉の緊張
日中の活動でたくさんのストレスを抱えてしまっていると、夜間に強い歯ぎしりを起こすことが多くあるようです。寝ている間にも筋肉を強く緊張させて、上下の歯を擦りつける動作をしたり、カチカチ鳴らすように動かしたりするのは、顎関節にとってとても大きな負担となってしまいます。
顎関節周辺の打ち傷
顎の部分を強く打ちつけてしまったという場合も、顎関節症の原因になり得ます。階段で転んでしまったり、自動車や自転車での交通事故などで、顎を打撲してしまったなら、軽い打ち傷として済まさずに、顎関節症の要因になってしまっていないかどうか詳しくチェックしてもらうことをおすすめします。
顎を酷使する生活習慣
普段の生活習慣で、顎に大きな負担をかけてしまうものがあります。うつ伏せになって寝ることや、頬杖をつく癖、顎と肩のあいだに電話をはさむことや、猫背の姿勢などが該当します。
左右のどちらかの歯のみを使って食事をする癖も、顎関節にとってよい生活習慣ではありません。奥歯の虫歯を放ってしまっていて、その歯を使わずに食事をしようとすることも歯が悪くなっていくだけでなく顎関節症にならないためにも、避けるべきです。
顎関節症の予防の仕方や対処方法
噛み合わせを改善する
深刻な症状の顎関節症にならないようにするためには、どんな予防ができるのでしょうか。
まず、噛み合わせを調整して、顎関節の負担にならないようにすることができるでしょう。歯科医師に行って、歯列矯正などの噛み合わせを改善する方法について相談することができます。
マウスピースを作ることも歯ぎしりを軽減するのに役立ちます。
生活習慣を改める
顎関節に負担となってしまう生活習慣を避けるようにしなければいけません。姿勢を改善して、猫背にならないようにしましょう。きちんとした姿勢の習慣は顎関節だけでなく、体全体にとってプラスになりますから、頬杖をつかないようにすることなどを今すぐはじめてみることができます。
食事をするときにも、よい噛み方を心がけるようにしましょう。偏った噛み方を続けてしまうと、顎の筋肉がアンバランスに疲労してしまい、負担になってしまいます。口の中全体を使って噛むようにしましょう。
ストレスフリーで顎関節症のリスクを軽減
顎関節症の症状の原因には、ストレスや生活習慣に由来する噛み合わせの異常に起因してしまうことがよくわかりました。ストレスをため込まないようにして、生活習慣を改善し、顎関節症にならないように、日ごろから気をつけることがとても大切です。
歯科医師に相談すれば、噛み合わせを改善するための実際的な方法を提案してもらえるでしょう。ぜひ活用して、顎のトラブルを避けるようにしましょう。
監修ドクター:鍋山 浩司 歯科医師 アーバン歯科室 院長
顎関節症でおすすめの歯医者さん 近畿編
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