セラミック治療にかかる時間はどれくらい？ 治療期間や流れを詳しく解説

日高先生

セラミック治療とは、むし歯や外傷などで失った歯を天然歯に近い色や質感のセラミック（陶器）で補う治療法です。セラミックでできた器は色落ちせず、洗えばまた真っ白に戻りますよね。セラミックで作った歯も同様で、綺麗な美しさを長い期間、保つことができます。この審美性が、セラミック治療の最大の特徴です。

日高先生

そうです。それからセラミックという素材は、プラークがつきにくく、着色しにくいメリットもあります。また、セラミックが普及する以前は、むし歯や外傷などで歯を失ったら、銀歯を被せたり銀色の詰め物を使ったりするのが一般的でした。しかし、それだと口を開けた際に銀色の部分が見えてしまうため、セラミックと比較して審美面でどうしても劣っています。加えて、銀自体が変色し、黒ずむこともありました。

日高先生

はい。さらに、従来の銀歯による治療の場合、銀の成分が口内に流れ込んでしまう恐れがあり、それが原因で健康を害するのではないかと考えられてきました。つまり、審美面だけでなく健康の観点からも、セラミックの方が安全だと言えるでしょう。もちろん、セラミックであれば、金属アレルギーの心配もありません。

日高先生

セラミック治療で使う素材には、様々な種類があります。例えば、レジンというプラスチックにセラミックを混ぜ合わせたハイブリッドセラミックスや、ニケイ酸リチウムという天然歯に近い透明度を再現できる純度100％のセラミック、ジルコニアは強度が高い半面透明度が低い物などが挙げられます。どの素材を使用するかによっても違いますが、純度100％のニケイ酸リチウムやジルコニアであれば、プラークもつきにくく変色することはないとされています。

日高先生

まずはカウンセリングをおこなって、患者さんの希望をヒアリングします。そして、患者さんが治療プランに納得したうえで、治療を開始します。なお、当院は治療に同意いただいたら仮歯を作るための型取りを当日おこないます。仮歯が完成したら、本数にもよりますが1～2週間ほど装着して過ごしていただきます。

日高先生

仮歯を入れることで、現在の噛み合わせの状態や歯の動き、歯のすり減り方などを確かめることができます。仮歯の期間で現状の確認をしたうえで作成することで、実際に入れるセラミックのクオリティが上がります。したがって、セラミック治療において仮歯は非常に重要な存在なのです。

日高先生

仮歯の期間に再度来院をしていただき、「印象」と呼ばれるセラミックを作るための型取りをします。印象と同時に、歯の形や歯の色なども決めていきます。その際に、肌の色とのバランスや顔の形や唇の形とのバランス、噛み合わせの癖などに問題ないかを確認します。

日高先生

はい。基本的には作成したセラミックを仮装着して、1週間ほど使用していただきます。ただし、素材によっては仮装着ができないものもあります。なお、仮装着の期間ではセラミックは取り外しができるセメントで接着して、すぐに取れるようにしておきます。

日高先生

仮装着することで、最終的な噛み合わせの不具合を治したり、色や形などを微調整したりすることができるからです。仮装着で問題がなければ、セラミックを本装着して治療完了です。

日高先生

歯の状態にもよりますし、どれくらいの頻度で通院できるかにもよりますが、治療する歯が1～2本であれば最短で2～3週間ほどではないでしょうか。また、口内の状態によっても左右されます。例えば、炎症を起こしている場合は型取りに影響が出てしまうので、先に炎症を治す必要が出てきます。

日高先生

はい。定期検診を受けて、歯石の除去や磨き残しがないかチェックしてもらいましょう。また、セラミックを入れたときに微細な歯の噛み合わせをチェックすることがなにより大切になります。噛み合わせが悪いまま放置すると、セラミックが欠けたり割れたりと、セラミックの寿命を縮める原因になってしまいます。さらに、セラミックと対に生えている歯の寿命を縮めることにもなり得ます。

日高先生

「あまり硬すぎるものを食べない」、「歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は改善する」、「噛み合わせの治療をする」なども意識していただきたいですね。セラミックはプラークや着色などの汚れがつきにくいという特徴がありますが、セラミックの素材によっては局所的に強い衝撃を受けると、割れたりヒビが入ったりするものもあるので注意が必要です。

日高先生

いいえ。自費診療なので、素材によっては費用がかかってしまうこともあります。ただし、審美性や機能性を考えると、保険適用の銀歯よりもセラミックの方が優れていることは間違いありません。むし歯やケガが原因で歯を失った場合は、選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

日高先生

近年、セラミック治療をおこなう人が増えていますが、「セラミック治療をおこなう前に、噛み合わせを改善しておいた方がいい」ということを覚えておいてほしいです。噛み合わせがズレたままセラミックを入れても、セラミックや対となる歯にダメージを与えてしまいます。当院では、仮歯を入れてから矯正治療をおこない、そのあとにセラミック治療をすることもあります。その人の口腔内の状態によって適応が異なるため、セラミック治療を検討している場合は歯科医師と相談したうえで進めるようにしましょう。