子どもも定期的に歯医者さんに行く必要があるの?
子どもが歯を痛がれば歯医者さんに連れて行くのは当然ですが、とくに歯の痛みを訴えない場合も、歯医者さんに定期的に通うべきか、悩んだことはありませんか? 子どもも行きたがらないし、症状もないのに来られても困るのではないか、などと迷ってしまいますよね。もし連れて行くとしたら、何歳くらいから、どのくらいの頻度がいいのか、気になる点を医療法人スマイル・クリエイト理事長の辻英彦先生にお伺いしました。
監修歯科医師:
辻 英彦(医療法人スマイル・クリエイト 理事長)
明海大学歯学部を卒業後、日本大学松戸歯学部矯正科で学び、平成11年3月に埼玉県和光市にてアルファ矯正歯科クリニックを開業。平成19年に池袋矯正歯科クリニックを開業し、医療法人スマイル・クリエイトを設立。その後、ハピュアデンタルクリニック(ハピュア六本木)、ハピュアデンタルクリニック渋谷を開業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医、明海大学歯学部臨床講師。
目次 -INDEX-
予防のための矯正を
編集部
子どもは、定期的に歯医者さんへ通う必要はあるのですか?
辻先生
もちろんです。虫歯の早期発見のためにも、3か月に1度の通院をお勧めしています。お子さんに歯が生え始めたら、できるだけ早い段階で歯医者さんへお越しください。
また、幼少期から小学校6年生頃まで定期的に歯医者さんへ通うことで、予防に対する知識や歯医者さんへ行くという習慣を身に着けることができます。幼少期から乳歯の状態やかみ合わせを、定期的に確認することで、矯正が必要なお子様の場合も、適切なタイミングを計ることが出来ます。
編集部
歯並びが悪い場合は、矯正は必ずしないといけませんか?
辻先生
矯正をすることで歯並びが整い、見た目がよくなるのはもちろんですが、歯磨きがしやすくなることで、虫歯の予防にもつながります。将来的に歯を失う可能性も減りますし、健康寿命にも寄与できると自負しています。
編集部
もし矯正をするとしたら、いつくらいからはじめたらいいですか?
辻先生
子どもの場合は、成人の矯正とは異なり、成長を利用して治療ができるのがメリットです。顎の成長を利用して、歯がしっかりとおさまる骨格を作ったり、上下のあごのバランスを整えたりすることができます。
特に、受け口や出っ歯などは、歯だけの問題ではなく、骨格への影響が大きくなりますので、ぜひ治療を検討してもらいたいですね。
大人が子どものためにできること
編集部
矯正以外で虫歯を予防することはできますか?
辻先生
また、シーラントとは、虫歯の原因となる食べかすやプラークがたまりやすい奥歯のかみ合わせ部分に、あらかじめプラスチックを埋めこむ治療法です。シーラントの歯科用樹脂素材にはフッ素が含まれているものがあり、歯質の強化や歯の再石灰化を促進させます。フッ素やシーラントの治療は可能な限り行うことをお勧めします。
フッ素の効果はおおよそ3か月~4か月です。シーラントは歯が生え変わるまでの耐久性はありますが、何かを噛んだ時に外れてしまうこともあります。定期的に歯医者さんへ通い、フッ素の塗布とシーラントの確認をされるといいでしょう。
編集部
こどもが虫歯になりやすい理由を教えてください
辻先生
ただ、日本全体で考えると、虫歯の子どもは確実に減ってきています。もちろん、エリアにもよりますが、10年前と比べると雲泥の差ですね。行政の小児健診を担当する度に、お母様方の歯を大切にするという意識や歯磨きへの関心の高まりを感じます。
編集部
どのくらい歯磨きをしたらいいですか?
辻先生
とはいえ、歯磨きを嫌がるお子さんも多いですよね。歯医者さんでも、歯垢が取れていない部分がないか確認をしてもらってください。ほとんどの歯医者さんで、歯磨き指導も快く対応してくれるはずですよ。
編集部
デンタルフロスもしたほうがいいですか?
辻先生
できればしたほうがいいですね。特に、乳歯の真ん中が虫歯になりやすいので、フロスを通してあげてください。ただ、歯間ブラシは歯茎を下げる原因となるので子どものうちからは行わないでください。
編集部まとめ
歯が生え揃ったら、特に症状がなくても、3か月に1度を目安に通院を行いましょう。通院の目的は下記のとおりです。
・歯石取りなど、クリーニング
・歯磨き指導
・虫歯の有無の確認(治療)
・フッ素やシーラントでの虫歯予防
・矯正の必要有無の判断や治療
・予防歯科の知識を身につけ、歯科医院への定期的な通院の習慣を持つ
しっかりと歯磨きが出来ているか、口腔内の状況がどうなっているのかを、定期的に確認することが大切ですね。
医院情報
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