親知らずは抜歯するべき?リスク・流れ・術後の生活への影響を解説
親知らずは大人の奥歯のさらに奥から生える歯のことで、智歯という正式名称がついています。永久歯が生えて以降、親が知らないうちに生える歯だから「親知らず」という名がついたという説が有力です。
親知らずといえば、生えてくると抜歯するという人が多くいます。親知らずは放置していると、いろいろなリスクが出る可能性があります。
本記事では、親知らずを抜歯すべきか・親知らずのリスクといった、親知らずに関する情報をまとめています。親知らず抜歯の流れや術後の生活に関しても詳しく解説しているので、抜歯について不安な方は参考にしてください。
監修歯科医師:
栁田 英穂(柳田歯科医院)
昭和大学大学院歯学研究科高齢者歯科学にて学位取得。
東京都内の歯科医院で勤務の後、2013年3月「栁田歯科医院」開院。
親知らずは抜歯するべき?
親知らずは、必ず抜かなければならないわけではありません。
- 抜くべき親知らず:むし歯リスクがある、前の歯に対して害がある、口腔内トラブルが起きている、レントゲンで異常が見られる
- 抜かなくていい親知らず:噛み合わせに支障がない、顎の中に入り込んでいて生える様子がない、将来的に親知らずを使う可能性がある、矯正で親知らずを移動させた
今回は、抜かなければならないリスクのある親知らずについて解説します。
生え方によっては歯石が溜まりやすく歯周病の原因となる
親知らずが永久歯にピッタリ引っ付いているなどの、歯を磨きにくくなるような親知らずの生え方をしていると、歯と歯の間に歯石が蓄積していきます。
歯石の蓄積は親知らずの周りに炎症を起こし、歯肉炎や歯周病を起こす原因につながるので注意しましょう。また、親知らずが完全に生えきっていない状態だと、歯に歯肉がかぶっている状態のままになります。
歯肉がかぶっている部分はメンテナンスできず不潔な状態になってしまい、歯茎が炎症を起こす智歯周囲炎が起きることが多いです。
智歯周囲炎が顎の骨まで達すると、以下のような症状が出ます。
- 顔が腫れる
- 口が開きにくくなる
このような症状が出てしまったら、親知らずは抜歯する必要があります。
生え方によっては噛み合わせが悪くなる
親知らずが生えると、隣の歯を少しずつ押して前方向にずれ込むことがあります。そうすると、今まで合っていた噛み合わせが合わなくなってしまい、思うように咀嚼できず不便だと感じることが多くなりやすいです。
歯科矯正で噛み合わせを良くすることもできますが、不要な親知らずを抜歯した方が自然と噛み合わせが元通りになります。
歯ブラシが届かない場合むし歯の原因となる
親知らずは永久歯の奥に生える歯なので、歯ブラシによるメンテナンスが難しいのが特徴です。むし歯になったときも治療器具が届きにくいので、治療が進みにくくなる可能性があります。
治療が完了した後のセルフメンテナンスも難しいため、何度もむし歯になってしまうこともあるのです。それだけでなく、親知らずのむし歯が永久歯に飛び火してしまうケースもあります。
そういった場合は、永久歯の健康を維持するためにも親知らずを抜歯するのが適切です。
口臭の原因となることがある
親知らずが生えたことによって、口臭が発生することがあります。口臭の原因になるものは、以下の通りです。
- むし歯の発生・進行
- 歯周病の発生・進行
- だ液の分泌量が低下している
- 舌苔の蓄積
口臭の原因のうち、2つは親知らずが出現することで発生します。そのまま放置してしまうと、前述したように歯科治療が必要になるため、かかりつけ医と相談して親知らずを抜歯すべきか見極めましょう。
親知らずを抜歯するリスク
親知らずを抜くと、出血や麻酔による不快な症状が発生するリスクがあります。具体的に起こる可能性があることをまとめましたので、事前に確認しておきましょう。
局所麻酔で気分が悪くなることがある
歯科施術を受ける際、局所麻酔を使用することがあります。これは、施術を受けるときの痛みを軽減・感じなくさせる効果があるためです。麻酔が効くと施術がスムーズに進めやすくなりますが、以下のことに該当する方は注意が必要になります。
- 高血圧・心臓疾患の持病がある:局所麻酔に含まれるアドレナリンの作用で、血圧の上昇や動機などの症状が出る
- アレルギーを持っている:現在は非常に稀だが、気分が悪くなることがある
アドレナリンを含んでいない局所麻酔も用意されているので、事前に主治医に相談しておくと安心して施術を受けやすくなります。アレルギーのことも、不安な場合は相談しておきましょう。
上記のような持病がなくても、極度の緊張で気分が悪くなってしまうことがあります。
抜歯後に出血や腫れが起こることがある
親知らずの抜歯は、上顎と下顎で抜歯後の回復速度が異なります。
- 上顎:顎の骨が柔らかく、血流豊富で治癒が早い
- 下顎:上顎と正反対の特徴を持ち、口の開閉ができない・出血・腫れといった症状が出やすい
下顎の親知らずを抜歯するとなると、上顎よりも回復するまでの期間が遅く、症状が重いと認識しておくとよいでしょう。そのため、下顎の親知らずを抜歯した後の出血や腫れが起きたときにどういった対処をすべきか事前に主治医と話し合っておくことをおすすめします。
抜歯後に痛みや開口障害が出ることがある
前述した通り、親知らずを抜歯した後は口が開きにくくなる痛みや開口障害が発生することがあります。これらの症状は1週間ほどで治まることが大半なので、まずは様子を見ることになります。
痛みの出方や症状は個人差があるため、一概に下顎の親知らずを抜歯した後はつらい症状に悩まされるというわけではありません。
下唇などが麻痺することがある
親知らずの生え方には、個人差があります。そのため、歯根が下顎の神経に触れていることがあります。このようなケースは、抜歯手術を受けた後に下唇が麻痺することがあるので十分注意しましょう。
親知らずの生え方はレントゲンで確認できるため、主治医からの説明をよく聞いてわからないことや不安なことはきちんと質問して不安を解消するようにしてください。
親知らず抜歯の流れ
親知らずを抜歯する流れは、おおよそ以下の通りです。
- レントゲン撮影を行い、親知らずがどのような状態なのかを確認する
- CT撮影を行い、より鮮明に親知らずの状態を確認する
- 親知らずの形状に合わせた抜歯方法を実践し、親知らずを除去する
親知らずが生えきっていない場合は、歯茎を切開して親知らずを抜きます。真っ直ぐ生えている親知らずであれば通常の抜歯と変わらないため、そこまで困難な手術になることはありません。
しかし、親知らずの生え方や歯根の形状が複雑になっているときは、歯肉を切開し、歯を削って割るなどの手間と時間がかかります。
患者さんの持病の状態などを加味して、入院措置や全身麻酔での手術を行うケースもあるので、自分の親知らずの状態を主治医とよく話し合って施術方法を決めましょう。
なお、親知らずの抜歯は、基本保険適用となります。
術後の生活への影響は?
親知らずの抜歯を行うと、抜歯後の場所には穴が開いた状態となりますので、基本的に安静に過ごすのが良いです。抜歯後当日はうがいはせず、ガーゼを30分ほど噛んで止血して様子を見ましょう。
そのほかにも、術後注意しなければならないことが複数あります。生活に欠かせないポイントをまとめたので、確認しておきましょう。
食事への影響
抜歯を行った後は、歯茎に大きな穴が開いています。歯科医師の指示に従った食事を摂取して回復を早めましょう。塩味の強いものや固形のものは傷口に染みるため、以下のものがおすすめです。
- スープ状のもの:優しい味付けのもの
- 介護食:塩分控えめで、舌で潰せる柔らかいものが多い
- ゼリー飲料
介護食であれば「舌で潰せるもの・噛まなくてもよいもの」、離乳食であれば中期〜後期のものを選ぶのがおすすめです。
入浴への影響
親知らずを抜歯した後は、出血しやすくかさぶたも取れやすい状態です。そのため、血行がよくなる入浴は短めにしましょう。長く浴槽に浸かる・シャワーを浴びるといった行動は、血行がよくなって親知らずを抜いた場所から再度出血する可能性を高めます。
歯科医師の指示に従い、入浴のタイミングや入浴時間の目安・方法を守りましょう。
歯みがきへの影響
抜歯後の歯茎はデリケートな状態なので、親知らずを抜いたら歯ブラシを使った歯みがきは行わないようにしましょう。そのため、親知らずを抜歯する前日や施術前には念入りな歯みがきを行って口腔内を清潔にしておく必要があります。
抜歯後は、翌日からうがい薬を使った口内の洗浄や患部以外の歯みがきを行いましょう。病院によって方針が異なる可能性があるので、主治医の指示に従ってください。
親知らずの抜歯なら柳田歯科医院にご相談を
親知らずを抜くとなると、どうしても不安が募りやすくなります。口の中の施術は目に見えないため、なおさら信頼ができる歯科医師を頼りたいものです。
柳田歯科医院は、患者さんに寄り添った治療をしてくれる歯科医院です。
丁寧な対応で、患者さん一人ひとりに向き合った適切な治療を行ってくれます。
柳田歯科医院は、多岐にわたる口腔内の悩みを解決できる病院です。
患者さんへのインフォームドコンセント(説明と同意)を大事にしている
柳田歯科医院では、患者さんへのインフォームドコンセントを重視しています。
- 初診の場合は電話予約を行い、問診票の記入とカウンセリングを受けてカルテを作成
- 歯科医師による口内の視診とレントゲン撮影の実施
- 歯周病の検査
- 口内の現在の状況を患者さんに説明
- 患者さんの希望に沿った、治療計画の作成
口の中の治療は、自分の目で確認できません。
柳田歯科医院では、その部分の不安を払しょくするため治療内容を丁寧に説明して、患者さんが納得してから治療を開始しているそうです。
抜かずに行う親知らず治療も実施
親知らずの治療となると、抜歯が最初に思い浮かびがちです。しかし、柳田歯科医院では親知らずを抜かずに治療を受けられます。
抜かずに行う親知らずの治療には以下のような種類があるので、どのような治療が適切か相談してみると良いでしょう。
- 歯科矯正で親知らずの位置を動かす
- 真っ直ぐ生えているのであれば、そのまま様子を見るなど
親知らずは必ずしも抜かなくてもよいケースがあるので、現在の口腔内の環境や状況を加味して抜歯するかを検討してください。
土曜・日曜・祝日も診療しており急な歯の痛みにも対応可能
歯は、いきなり痛くなることがあります。それが土日祝日であっても、関係ありません。
また、仕事の都合で土日や祝日しか自由に動ける日がないという方もいるでしょう。
柳田歯科医院では、土日祝日も診療を行っています。そのため通いやすく、継続した治療も行いやすいです。急患への対応も行っています。
親知らず治療の悩みや平日診療が難しい方は、柳田歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。
柳田歯科医院の基本情報
アクセス・住所・診療時間
武蔵野寮前バス停留所 徒歩3分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00~13:00 | - | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● |
14:30~18:30 | - | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● |
予約制
祝日が月・金曜の場合は休診 臨時休診あり
参考文献