FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. 歯医者コンテンツ
  4. 根管治療とは?事前に行われる検査・治療回数・流れ・成功率について詳しく解説します

根管治療とは?事前に行われる検査・治療回数・流れ・成功率について詳しく解説します

 公開日:2023/11/13
歯科模型

歯科医院で、神経を抜く治療を行ったことがある方もいるでしょう。神経(歯髄)を抜く治療のことを根管治療といいます。

根管治療は、虫歯が神経に触れている場合や神経が腐敗している場合などに必要になります。

治療では痛みを感じるのか、どのような流れで行われるかなど、根管治療に対して不安や疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこでこちらでは、歯科医院で行われる根管治療について詳しくご紹介していきます。検査や流れなどについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

酒向 誠

監修歯科医師
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)

根管治療とはどのような治療?

医師
虫歯がひどくなり、歯科医師から「神経を抜く治療をしましょう」と言われた経験のある方もいるのではないでしょうか。
虫歯がひどい場合に行われる神経を抜く治療や歯の根の治療のことを、専門用語で根管治療と呼びます。
根管とは、歯の根から伸びる管のような部分のことです。根管の中は空洞になっており、そこに神経や血管を含む組織(歯髄)が入っています。
虫歯が悪化して歯髄まで達してしまうと、歯がしみる・噛むと痛い・何もしていなくても痛いという状況に陥ります。
こういった状態になってしまうと自然に治ることは見込めないため、歯髄(神経・根)を抜いたり根管内を消毒したりといった根管治療が必要になるのです。
根管治療が必要になるのは、具体的には以下のようなケースです。

  • 歯髄炎
  • 歯髄壊死
  • 根尖性歯周炎

歯髄炎とは、虫歯が歯髄まで達した状態のことをいいます。炎症が回復しない不可逆性歯髄炎の場合、根管治療が必要です。
歯髄炎を放置してさらに悪化すると、歯髄壊死と呼ばれる状態になります。これは歯髄が死んでしまった状態で、歯の色が変わる、歯がしみなくなるといった症状が出ます。
さらに炎症が進み、炎症が骨の中にまで達してしまった状態が根尖性歯周炎です。一度根管治療を行った歯に起こることもあります。
根管治療を行うと、虫歯などで破壊された歯を保存することが可能になります。元の歯のように噛む力を維持して、機能を長く保てるのです。

根管治療前に行われる検査は?

医療従事者
根管治療を行うためには、事前にさまざまな検査が必要です。
根管は複雑な形をしており本数などにも個人差があるため、見落としのないように細部までしっかりと確認する必要があるのです。
根管治療の事前検査ではどのようなことが行われるのか、詳しくみていきましょう。

問診

問診では、いつから痛みがあるのかについてや歯の治療の経過などを聞かれるのが一般的です。また、治療に関する希望を聞かれることもあります。
質問に答えられるように、事前にまとめておくと安心でしょう。

視診

歯科医が実際に患者の口の中を観察します。痛みがある歯の虫歯の具合・欠け・歯肉の腫れ・詰め物の有無などをチェックするのが一般的です。
その際、口腔内写真を撮影する歯科医院もあります。

レントゲン・CT撮影

歯科説明
レントゲン(パノラマ撮影・デンタル撮影)やCT撮影は、根管治療において大変重要なステップとなります。
レントゲンやCT撮影で、本当に根管治療を行う必要があるのかという点や、治療が可能なのかといった点を確認する必要があるからです。
パノラマ撮影では、顎のあたりまで大きく撮影できます。口の中の様子を全体的に把握でき、デンタル撮影では映らない範囲まで状態を調べられます。
デンタル撮影では、数本の歯を映すことが可能です。パノラマ撮影よりも細かい確認ができ、歯根の病気の状態や虫歯の範囲などを調べられます。
CT撮影は、根管を立体的に見られる点が特徴です。2Dのレントゲン撮影では見落としがちな小さい根管を発見するのにも役立ちます。

マイクロスコープ

根管は非常に細く、肉眼で見ることは困難です。そのうえ、歯根内は細かく分岐をしています。
そのため、肉眼の20~30倍に拡大して見ることが可能なマイクロスコープを使って、細かい部分まで確認する必要があるのです。
マイクロスコープは検査時だけではなく、治療時に使用する歯科医院もあります。

打診・触診

歯の周囲の根尖周囲組織に炎症などが行っていないかどうか調べるために、打診や触診が行われます。
打診では、器具で歯を叩いて正常な歯との反応の違いを見ることで、炎症が起きているかどうかを調べられます。
また、触診は歯肉を押してみた時に圧痛があるかどうか調べたり、反応を見たりする検査です。

電気診

電気歯髄診断機という機械を用いて歯髄(神経)に電気を通すことで、歯の神経が生きているかどうかを調べる検査です。
検査を開始すると徐々に電気の刺激が強くなるので、患者は痛みを感じた時点で医師にその旨を伝えます。痛みを感じた時点での数値を参考に診断が行われます。

歯周ポケット検査

歯と医療器具
プローブという道具を用いて、歯の周囲にある歯周ポケットの深さを測る検査です。歯周病がないか、歯にひびなどが入っていないかといった点を調べます。
健康な状態の歯周ポケットは1〜2mm程度だといわれていますが、歯周病がある場合には3mmを超えるケースもあります。

根管治療の治療回数はどのくらい?

医師
根管治療は非常に細い根管内を治療しなければならない技術力の必要な治療です。そのため、治療期間も比較的長めです。
虫歯や根管の状況などによって個人差はありますが、前歯の場合2~3回、奥歯の場合は3~4回程度の治療が必要なケースが多いでしょう。
状態が良くないケースや痛みが続いているケースなどでは、さらに治療回数が多くなります。
さらに被せ物を被せるところまで含めると、最終的に前歯で5~6回、奥歯で7~8回程度は歯科医院に通う必要があるでしょう。
週1回治療を行うと仮定すると、2ヶ月前後はかかると思っておく必要があります。
マイクロスコープを用いた治療など、設備の整った歯科医院の場合には治療期間が短くすむこともあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

根管治療の流れ

色鉛筆
根管治療は、神経(歯髄)を抜いたら終わりではありません。どのような流れで進んでいくのか、あらかじめ知っておきたい方も多いのではないでしょうか。
根管治療の流れは以下のようになっています。

  • 歯髄(神経)を抜く
  • 根管の洗浄や消毒を行う
  • 根管の充填を行う
  • 土台(支台)を作る
  • 被せ物を被せる

それぞれのステップについて、詳しくみていきましょう。

歯髄(神経)を抜く

根管とは、歯の根の部分にある神経の組織が入った管のことを指します。根管の数や形状には個人差があり、本数も同じではありません。
見落としがあると再治療が必要になる可能性もあるため、取り残しのないようにしっかりと歯髄(神経)を取り除きます。
さらに、根管内のもの全てを注意深く取り除いていきます。
歯髄を抜くと聞くと非常に痛いのではないかと不安になる方も多いかもしれませんが、基本的に麻酔を行うため、痛みについてはあまり心配しなくても大丈夫でしょう。

根管の洗浄や消毒を行う

ファイルやリーマーといった細い器具を使って、根管内や根管の壁面をクリーニングします。
クリーニングを行っても取り切れなかった汚れやカスは、薬剤を使って溶かすのが一般的です。
薬剤の種類によっては薬剤が下や口の中の粘膜に触れると痛みが出ることもあるため、ラバーダムというゴムのシートを使用する歯科医院もあります。
ラバーダムを付けると、口の中に細菌が入るのを防ぐことも可能です。さらに、クリーニングを行った根管内を数回にわたって消毒します。
消毒は通常1回では終わらず、歯根の数や形などによっても変わって来るため、治療を行っている間は仮の蓋を付けて対応することが多いでしょう。
仮の蓋は、消毒を行った根管内に細菌が入るのを防ぐ効果があります。

根管の充填を行う

歯髄(神経)を取り除きクリーニングを行ったら、根管の先まで薬剤を入れます。
その後は、再度細菌が入らないようにゴム状の物質ですき間を作らないようにふさぐことが必要です。これを、根管充填といいます。

土台(支台)を作る

根管治療後の歯は歯質が残っていないケースも多いです。歯を補強し、土台(支台)を作ることで、被せ物が外れにくくなります。
土台(支台)には金属製やセラミック製のものがあるため、歯に合わせて選ぶのが大事です。

被せ物を被せる

土台ができたら、土台に合う被せ物を作るための型取りを行います。通常、1~2週間程度で被せ物が仕上がるケースが多いでしょう。
被せ物を被せる工程は、すき間などから細菌が入るのを防ぎ、しっかり噛めるようになるために大切です。
被せ物を被せ、最終的に噛み合わせなどの細かい調整を行ったら治療完了です。

根管治療の成功率はどのくらい?

計算
根管治療は失敗するケースがあるのか、成功率はどのくらいなのか知りたいという方もいるのではないでしょうか。
スウェーデンで行われた研究によれば、根管治療の成功率は、以下のようになっています。

  • 健康歯髄 96%
  • 歯髄炎 96%
  • 歯髄壊死 100%
  • 根尖病変のある歯髄壊死 86%
  • 根管治療 96%ト
  • 根尖病変のある再根管治療 62%

これを見ると、病変がある歯の根管治療に関しては成功率が低めだとお分かり頂けるでしょう。

根管治療後の痛みはいつまで続く?

歯が痛む女性
根管治療では、さまざまなシーンで痛みを感じることがあります。
根管治療を受ける必要がある歯は虫歯によってかなりの痛みがあるケースがほとんどなので、根管治療前から痛みを感じることが多いです。
さらに、根管治療中にも痛みがあります。歯髄を抜く時には、神経にできる傷跡に痛みを感じるでしょう。
細い器具を使って根管をクリーニングするため、炎症のある部位や正常な神経に触れてしまうことで痛みが出ることがあります。
クリーニング後に薬剤を根管に詰める時には、根管の先に圧がかかることで痛みを感じます。
そして根管治療後も痛みが続くケースが多いです。
治療が終わったのに痛いのは失敗したからではないかと不安になる方もいるかもしれませんが、根管治療は神経に対する治療のため、治療後に痛みが出ても心配いりません。
しかし、痛みが続くのは非常に辛いものです。この痛みがいつまで続くのか不安だという方もいるのではないでしょうか。
痛みが続くおおよその日数や対処法も知っておくと安心でしょう。

痛みは3日程度で落ち着くことが多い

根管治療後には神経を抜いた後の傷跡や残った膿を出そうとして免疫反応が活発になることなどによって、ズキズキとした痛みが続くことがあります。
この痛みはさほど長く続くことはなく、通常は3日程度でおさまってくるでしょう。個人差があるため、痛みが落ち着くまで1週間程度かかるケースもあります。
歯髄を抜く治療を行った場合、歯科医院から鎮痛剤が処方されることもあります。痛みが辛い場合には、我慢せずに薬を飲みましょう。
歯科医院で薬が出なかった場合には、市販の解熱鎮痛薬で対処可能です。
ただし、1週間を過ぎても痛みが軽減しない・ひどくなっている・腫れがあるといった場合には、トラブルが起こっている可能性があるため歯科医院に相談しましょう。

痛みが落ち着くまで激しい運動や飲酒を控える

根管治療後に痛みがある場合、激しい運動や飲酒などを行わないようにしましょう。血行が良くなり、さらに痛みが増す危険があります。
激しい痛みがある場合には、入浴も控えたほうが望ましいです。
血行促進の一因となる運動・飲酒・入浴などは、痛みが落ち着いてから行うようにしましょう。

根管治療にかかる費用相場

計算機を使う手元
根管治療には保険が適用されるものと自由診療のものがあります。
費用を抑えたい場合には保険診療の方が魅力的ですが、自由診療は被せ物に使用できる素材の種類が多く、成功率も高いケースが多いという点がメリットです。
さらに、自由診療であればマイクロスコープやラバーダムといった設備の整った状態で治療を受けられます。
自由診療の場合はCTを効果的に利用したり、専用の器具を使ったりすることもできるため、保険診療の場合よりも精度の高い治療を行うことが可能になるのです。
より再発しづらく、確実に治療したい場合は、費用はかかりますが自由診療での治療を選んだ方が効果的であるといえるでしょう。
気になる費用については、保険診療と自由診療でかなりの差があります。費用は、以下のような項目に分かれているのが一般的です。

  • 初診料
  • 再診料
  • 歯髄を取る費用
  • 根管のクリーニング
  • 根管充填
  • 検査費用
  • 被せ物の費用

根管の数や使用される設備などによって費用が変わってきます。
保険診療の場合、初診料と根管治療の費用を含めて治療費のみで5,000~10,000円程度かかると考えておくと良いでしょう。
治療費のほかに、被せ物や土台の費用もかかるのでその点にも注意が必要です。また、行った検査の数によっても費用は変わってきます。
一方自由診療の場合は、歯科医院によって金額にかなりの幅があります。
前歯・小臼歯・大臼歯で料金が別れているケースも多く、前歯50,000~80,000円前後・小臼歯70,000~100,000円前後・大臼歯90,000~120,000前後です。
ただし、設備や被せ物に使用される材質などによっても大幅に変わるため、1本根管治療を行うのに400,000~500,000円程度かかるケースもあります。
自由診療の場合は、事前に費用について歯科医院に確認しておきましょう。

編集部まとめ

サラダを食べる女性
虫歯が進行して歯髄炎・歯髄壊死・根尖性歯周炎などが起こった場合、歯髄(神経)を抜いて根管内を消毒する根管治療が必要になります。

根管治療は非常に細い根管内に治療を施す必要があり、高い技術力を必要とする治療です。

治療後に再発してしまった場合には再度根管治療を受けなくてはならないため、根管治療を得意とする設備が整った歯科医院で受けることをおすすめします。

気になる点は事前に医師に相談し、費用や治療期間についても確認しておくと良いでしょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師