歯医者の定期検診とクリーニングの違いは?予防治療の目的や効果を解説
歯医者へは、歯に不具合が生じたタイミングで通院される方が多いのではないでしょうか。しかし、何らかの症状が現れた段階であれば、既にむし歯や歯周病などが進行している可能性が高いです。
そのため、症状が現れる前に歯医者で定期的にメンテナンスをすることが推奨されています。
歯のメンテナンスには、定期検診とクリーニングがあります。しかし、定期検診とクリーニングはそれぞれ違いがあるのでしょうか。
本記事では歯医者の定期検診とクリーニングの違いについて、予防治療の目的や効果を解説します。
これから歯医者でメンテナンスを受けようか検討している方は、参考にしてみてください。
監修歯科医師:
山浦 俊也(山浦歯科医院)
平成5年3月 東京歯科大学歯学部卒業
平成9年10月 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(解剖学専攻)
平成10年4月 東京歯科大学解剖学講座助手
平成11年4月 医療法人社団聖裕会 北総歯科勤務
平成15年10月 山浦歯科医院勤務
平成22年9月 山浦歯科医院院長
目次 -INDEX-
歯医者の定期検診とクリーニングの違いは?
歯科医院で行われるメンテナンスには定期検診とクリーニングがあります。どちらもむし歯・歯周病・口臭などを防ぐためには欠かせない予防治療です。
歯磨きに不安がある方や歯並びが悪いため汚れが付着しやすい方は1〜3ヵ月に一度程度、歯磨きが上手い方でも半年に一度を目安として歯医者のメンテナンスを受診すると良いでしょう。
では、歯医者の定期検診とクリーニングの違いとはどのようなものでしょうか。詳しくみていきましょう。
定期検診とは
定期検診とは、むし歯の有無や歯周病の進行度などを検査して、歯の状態を定期的に確認する診察になります。定期検診によってむし歯や歯周病の罹患がないかを確認し、現状治療が必要な状態なのか経過観察していく状態なのかを診ていきます。具体的な検診内容としてはむし歯の検査・プロービング検査・X線検査・プラーク付着率の検査などです。
むし歯の検査は、むし歯ができていないか、むし歯に罹患していた場合どのような状態なのかを確認します。
プロービング検査とは歯周ポケットの深さを測定する検査です。プローブという器具を使って歯と歯茎の距離を計測し、歯周ポケットが3mm以上になると、歯周病に罹患していると診断されます。
X線検査では、歯肉に覆われている歯槽骨の状態を確認します。歯周病が進行すると歯槽骨が溶け出し、歯が抜け落ちる可能性が高いため、どのくらい進行しているかを知るためです。
プラーク付着率は歯面や歯の隙間にどのくらい汚れであるプラークが付着しているかを調べます。染色液が歯に色濃くついたところがプラークが付着していることを示しており、染色液がついた部分が多いほどプラークの付着率が高いです。
これらの検査は一度問題がなければ当面検査の必要ないというわけではなく、定期的に検査を続けることで早期に異常を発見し、治療につなげるのが目的です。
クリーニングとは
クリーニングとは歯についた汚れを専門的な歯面清掃にて除去し口腔内を清潔にして、汚れをつきにくくする処置を行うことです。むし歯や歯周病の原因となるプラークを除去することで罹患のリスクを低減させます。
クリーニングは、歯石や歯垢の除去・歯面の研磨・歯周ポケットの清掃・フッ素塗布・シーラントなどが行われます。
歯石はセルフケアで取り除くのは難しく、スケーラーという器具を使って除去することが可能です。歯垢の除去や歯面の汚れは、ペーストと回転式器具を使って除去と研磨をし、滑らかな歯面にします。そうすることで汚れが取り除かれるだけでなく、再度付着しにくくなります。
歯周ポケットの清掃にはデンタルフロスを使って歯と歯の間の汚れを取り除きます。
プラークの除去が終わったら汚れを付着しにくくするフッ素の塗布や、奥歯の溝にシーラント材を詰めてむし歯を予防する治療を実施し終了です。
クリーニングによって普段ケアが難しい箇所もプラークを除去できるので、口腔内の衛生環境が良くなります。また、プラークが付着しにくくなるので、当面はセルフケアでもきれいな状態を保てます。
クリーニングとホワイトニングの違い
クリーニングと混同されやすい治療がホワイトニングです。むし歯や歯周病などの罹患予防のために行われるクリーニングは予防治療であるのに対し、ホワイトニングは歯自体を白くすることが目的であり、審美治療に該当します。
クリーニングは専用の器具を使ってプラークを除去したり、フッ素塗布したりして口腔内の環境を衛生に保つ治療を行います。対して、ホワイトニングは歯に薬を入れたり、塗ったりすることで歯自体が白くなる治療です。
目的や治療方法が大きく異なるため、歯科医院で希望を伝える際にはどちらか明確に示すようにしましょう。
歯医者の定期検診・クリーニングは予防治療の一部
歯医者の定期検診とクリーニングはともに予防治療の一部であり、両方行うとむし歯や歯周病予防の効果が十分に発揮されます。
そもそも予防治療とはどのような目的があり、いつ行えば良いのでしょうか。また、予防治療が大切だといわれていますが、それはなぜなのでしょうか。これらについて詳しくみていきましょう。
予防治療の目的
予防治療の目的としては、何らかの症状が発生する前にあらかじめ検査を実施し早期発見に努め、むし歯や歯周病の対策を施すことで歯の健康を守ることです。年を重ねるに従い、むし歯や歯周病によって歯を失うケースが多いため、これらに罹患しないことが大切です。
歯を失ってしまうと自分の歯で食事や会話がしにくくなるため、咀しゃく障害など生活に影響を及ぼします。予防治療を行い歯を守ることで、自分の歯で生活し続けられる可能性が高くなります。老年期も生活の質を落とさずに過ごせるでしょう。そのためには定期的に予防治療を続けていくことが大切となります。
予防治療のタイミング
予防治療は生涯にわたり継続的に実施することが重要であり、歯が生え始めた小児のうちから始められます。予防治療である定期検診やクリーニングは、一度行えばしばらくむし歯や歯周病にならないというものではありません。定期的に行うことで予防効果を発揮します。
むし歯や歯周病に罹患している方や歯並びが悪く歯磨きがしにくい方であれば1〜3ヵ月に一度程度、歯磨きが上手な方や歯の状態が良好な方でも半年に一度程度予防治療の実施が推奨されています。予防治療を継続的に実施するには、かかりつけの歯科医院を見つけることがおすすめです。歯の状態を長期的に診てもらえるため、治療が必要になった場合でも早期に対応してもらえるでしょう。
予防治療の重要性
予防治療はむし歯や歯周病の予防に効果があり、将来自分の歯を少しでも多く残すことにつながります。
歯を失う原因としては、むし歯と歯周病だけで全体の6割以上を占めています。しかし、むし歯や歯周病は突然できるものではなく、歯に付着したプラークが長時間残った状態が続くことで口腔内の衛生環境が悪くなり、進行していくものです。そのため、定期検診で早期に罹患が確認できると、ひどくならないうちに治療ができます。加えてクリーニングを行うと付着していたプラークを取り除き、かつプラークがつきにくくなるので、むし歯や歯周病にかかりにくくなります。
ただし、セルフケアだけではプラークがつきにくい状態を維持できないため、継続して定期検診・クリーニングの受診が必要です。
歯医者の定期検診・クリーニングの効果は?
歯医者の定期検診・クリーニングを継続して受診することで下記の効果が期待できます。
- むし歯を早期発見できる
- 歯周病の原因を除去できる
- 口臭の原因にアプローチできる
- 保険診療で受けられる
定期検診・クリーニングを怠っているとこれらの効果を受けられません。それだけでなく、治療が遅れてしまったり、想定したよりも症状が悪化していて治療費が膨大にかかってしまったりする可能性があります。それでは歯医者の定期検診・クリーニングの効果について詳しくみていきましょう。
むし歯を早期発見できる
定期検診を継続していると仮にむし歯ができたとしても、早期に発見できます。むし歯は早期発見できると治療もすぐに済ませられます。
例えば、初期むし歯の場合、状態によっては削らなくても再石灰化を促すと溶け出した部分が元に戻ることが可能です。また、そこから一段階進んだ小さなむし歯の場合削る治療が行われますが、むし歯になってしまった部分が小さいため出来るだけ削る面積を少なくします。
そして、レジンという特殊な光によってすぐに固まる詰め物を、直接削った部分に詰めて固めることで1回で治療が完了します。もしもむし歯に罹患したまましばらく経過し、歯の神経まで達してしまった場合は根管治療となり、歯の神経や歯自体を抜かなければならない可能性も出てくるでしょう。
そこに至る前にむし歯を発見し、早期に軽度の治療で済ませられるようにしましょう。
歯周病の原因を除去できる
定期検診・クリーニングを継続的に行っていると、歯周病の原因を除去できます。歯周病の原因は、プラークが長時間付着したために口腔内の環境が悪化してしまうことです。歯周病を予防するためにはこの口腔内の環境を改善することが大切だといえます。
しかし、普段の歯磨きだけではプラークを完全に取り除くことはできず、長時間取り除かれることのない部分から歯周病が発生してしまいます。そのため、定期的に歯周病になっていないかを検査し、クリーニングでプラークをしっかり取り除くことが歯周病の予防には重要です。
また、普段の歯磨きも力が入りすぎて、しっかり歯ブラシが歯に当たっていないケースあります。歯磨き指導も定期検診の中にメニューとして入っている歯科医院が多いので、正しい歯磨きを身につけるようにしましょう。
口臭の原因にアプローチできる
定期検診・クリーニングによって口臭の原因にアプローチできます。一見、口臭と定期検診・クリーニングは関係がないようにみえますが、口臭の原因の大半は舌苔と歯周病です。特に舌苔は、口腔内の細菌によって悪臭の原因物質を生成するために口臭がしてしまう仕組みです。
これらはクリーニングによってプラークを除去し、口腔内環境が改善されると解消できる可能性があります。また舌苔自体を取り除く舌専用ブラシや舌磨き粉などもありますので、気になっている方はそちらも一緒に取り入れるとより効果があるでしょう。
保険診療で受けられる
定期検診・クリーニングは歯科医院で保険診療として受けられます。むし歯や歯周病の治療のようなものではないので、自費診療のイメージを持たれがちですが、予防治療は保険診療として扱われるため、費用負担はそれほど大きいものではありません。
予防治療は全ての方に実施してもらえるよう、できるだけ費用負担がかからない治療となっていますので、むし歯や歯周病の有無に関わらず継続的に定期検診・クリーニングを受診しましょう。
歯医者の定期検診・クリーニングを怠るとどうなる?
歯医者の定期検診・クリーニングを怠ると、症状が現れたときにはすでに重症化している可能性が高いです。すると、治療の時間や費用が大きくなってしまう可能性も高く、最悪の場合抜歯しなければならないケースもあります。これらは定期検診・クリーニングを継続して行うことで未然に防げる可能性が高まります。
普段の生活では気付かない症状も早期に発見できるので、将来的には自分の歯を残すことにもつながります。自分の歯が残っているか義歯で過ごすかは小児の頃からの定期検診・クリーニングを行っているか否かが大きく関わってきます。不安に感じている方は今からでも遅くないので、まずは定期検診・クリーニングを継続してはいかがでしょうか。
歯医者の定期検診・クリーニングを受けるなら山浦歯科医院
歯医者の定期検診・クリーニングの概要や効果について解説しました。定期検診・クリーニングは一度に留まらず、定期的かつ継続して受診することで効果を実感できます。
では、どのような歯医者で定期検診・クリーニングを行うと、スムーズでかつストレスなく通院できるのでしょうか。
山浦歯科医院では、患者さんが快適に通院でき、治療が必要になった場合にも即座に対応できるようにしているそうです。詳しくみていきましょう。
インフォームドコンセントを重視
インフォームドコンセントを重視している歯科医院を選ぶと、治療の方針や進め方について納得した上で診察してもらえるでしょう。
インフォームドコンセントとは、医療行為前に医院側から十分な説明を受け、患者さんはそれに十分納得したうえで医療行為に同意するというものです。全ての医療行為に必要なことですが、中には患者さんが十分理解・納得していないまま医療行為が提供されることもあります。
山浦歯科医院ではインフォームドコンセントを重要視しているため、患者さんの意向を汲んで治療が進められます。
また、定期検診・クリーニングは一時の治療ではなく、長い間にわたり付き合うことになるので、歯科医院の診察方針と患者さんの考え方に相違があると良い関係性を築けません。患者さんへの説明と同意を尊重するインフォームドコンセントを重要視している山浦歯科医院なら、安心して治療を受けられるでしょう。
むし歯治療・審美治療など幅広い診療に対応
定期検診にてむし歯や歯周病が見つかった場合、早期に治療できる歯科医院を選ぶと良いでしょう。また、歯並びやホワイトニングといった審美治療も行いたい患者さんは、定期検診・クリーニングの機会に相談できると心強いのではないでしょうか。
それらの治療や悩みに対応できる歯科医院に定期検診・クリーニングをしてもらえると、一度で全て解決できます。
むし歯治療・審美治療など幅広い診療に対応している山浦歯科医院は一連の治療を全て担ってもらえるので、スムーズに治療を受けられるでしょう。
地域の「かかりつけ歯医者さん」として診療
長野県立科町にある山浦歯科医院は地域のかかりつけ歯医者さんとして、周辺住民を中心に診療を行っている歯科医院です。
定期検診・クリーニングは定期的に行うと効果が現れるため、通院のしやすさも歯科医院を選ぶ上で重視する項目の一つです。
また、全く知らない歯科医院で診てもらうよりも、地域に根ざしている歯科医院へ通院する方が安心して定期検診・クリーニングをお願いできるのではないでしょうか。
定期検診・クリーニングを検討されている方は、山浦歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。
山浦歯科医院の基本情報
アクセス・住所・診療時間
バス停 立科町役場前 徒歩2分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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8:30〜12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - | - |
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★:14:00〜16:30
参考文献