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歯の神経治療はどのような治療?行われる目的・痛み・流れについて詳しく解説

公開日:2023/11/13
歯の神経治療

歯の痛みによって歯科を受診し、「歯の神経を抜く必要があるかもしれません」という言葉にドキッとした経験がある方もいるのではないでしょうか。

歯の神経治療とは、進行したむし歯によって歯の神経である「歯髄」が大きくダメージを受けてしまった際などに検討される治療方法です。

また、その他にも痛みが強い重度の知覚過敏などでも検討されることがあるでしょう。

今回は、歯の神経治療の内容・行われる目的・痛み・流れについて詳しく解説します。

酒向 誠

監修歯科医師
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)

歯の神経治療はどのような治療?

鏡で歯をチェックする日本人女性
まず、歯は表面からエナメル質・象牙質・歯髄という順で構成されています。歯の内部にある歯髄という部分が歯の神経です。
通常、むし歯になると表面のエナメル質から順に蝕まれていきます。そしてさらに深く進行していくことによって歯髄までダメージを受けてしまうのです。
歯の神経である歯髄までむし歯が進行した場合、炎症を起こすだけでなく、神経が腐敗しまったり壊死してしまったりします。
神経が腐敗し始めると、何もしていなくても強い痛みを感じるようになります。
歯髄が大きくダメージを受けてしまった場合には、削って詰め物をするような治療では回復が見込めません。
そこで神経自体を取り除き、歯を残す治療が歯の神経治療です。「歯の神経を抜く」と聞くと、強い痛みを連想してしまう方もいるかもしれません。
しかし、歯の神経治療では麻酔を使用するため痛みはほとんど感じませんので安心してください。

歯の神経治療が行われる目的

歯が痛い若い女性
では、歯の神経治療はどのような目的で行われるのでしょうか。ここでは、神経を取り除く必要がある歯の治療について解説します。

歯髄炎の治療

歯髄炎は、主にむし歯を放置して細菌が神経部分(歯髄)まで達してしまうことにより引き起こされます。
歯髄炎には、「可逆性歯髄炎」と「不可逆性歯髄炎」の主に2種類があります。可逆性歯髄炎とは、その名のとおり回復が見込まれる状態の歯髄炎のことです。
可逆性歯髄炎は歯髄炎の中でも初期の段階ですので、痛みを感じることもあまりなく、神経を取り除く必要はありません。
一方、不可逆性歯髄炎は歯髄炎が進行した状態を指しますので、痛みも強く神経を取り除く治療が必要となります。
この状態で放置していても回復することはなく、炎症はさらに進行していってしまいます。

歯髄壊死の治療

さらに歯髄炎が進行した場合には、「歯髄壊死」の状態になります。歯髄壊死は、歯髄炎によって歯の神経が壊死してしまった状態のことです。
歯髄が死んでしまえば神経が機能しなくなるため、痛みを感じなくなってしまいます。
不可逆性歯髄炎により強い痛みを感じた後に痛みが治まるため、歯が治ったと勘違いしてしまうケースも多いです。
しかし、繰り返しになりますが不可逆性歯髄炎が進行してしまえば自然治癒することはなく、内部で炎症が広がってしまいます。
さらに炎症を進行させないためにも、早期に歯髄を取り除く必要があるでしょう。

根尖性歯周炎の治療

「根尖性歯周炎(こんせんししゅうえん)」とは、歯根の尖端に炎症が起きて膿が溜まってしまった状態のことを指します。
根尖性歯周炎とは、先にお伝えした歯髄壊死の状態によって歯髄が腐ってしまい、歯の一番根元である根尖部まで炎症が広がってしまった状態です。
歯の一番根元には、根尖孔といって血管などが入る小さな穴が開いています。この部分から歯の周囲に炎症が広がっていくのが特徴です。
根尖性歯周炎が進行すれば、歯を支えている顎の骨まで溶けて強い痛みや腫れを生じることがあります。
そのため、炎症を起こした歯髄や膿などを取り除く必要があります。

重度の知覚過敏の治療

知覚過敏とは、冷たい飲み物を飲んだりブラシの先端が歯に触れたりした際に痛みを感じる状態のことです。
通常、知覚過敏は生活の改善やコーティング剤などによって改善がみられます。しかし、重度の場合には神経治療を行うこともあります。例えば、以下のような場合です。

  • 知覚過敏による痛みが長時間続く
  • 痛みが強く生活に支障が出ている支障が出ている

治療を行っても痛みが軽減しないようであれば、神経を取り除く必要があるかもしれません。
また、あまりに痛みが強い場合には知覚過敏ではなく、神経に炎症が起きている可能性も考えられます。
知覚過敏の痛みだと思っていたらむし歯が進行していたというケースも考えられますので、痛みがある場合には歯科医院を受診しましょう。

歯の神経治療には痛みはある?

あごの痛みで悩む患者を診察する女性医師
「歯の神経を抜く」と聞くと、痛みが強そうに感じて不安になる方もいるかもしれません。しかし、歯の神経治療では麻酔を使用するため痛みを感じることはほとんどありません。
歯科治療に用いる麻酔の種類には、歯茎の表面に塗布する表面麻酔と注射による浸潤麻酔の2種類があります。
注射をする前に表面麻酔を行うため、注射により痛みを強く感じることはあまりありませんが、痛みに敏感な方や不安な方は先に相談しておくと良いでしょう。
例えば、リラックス効果のある笑気ガスを吸入する笑気麻酔や静脈に鎮静剤を投与する静脈麻酔などを適用できることもあります。
歯科医院によって麻酔の方法が異なりますので、治療中の痛みが気になる方は事前に問合せてみてください。

歯の神経治療の流れ

デンタルミラー
では、歯の神経治療はどのような流れで行われるのでしょうか。ここからは、歯の神経治療の流れについて順を追って詳しく解説していきます。

麻酔

先にも述べましたが、歯の神経治療では麻酔を行うことが一般的です。まずは表面に麻酔薬を塗布し、その後歯茎に針をさして麻酔薬を投与していきます。

むし歯の治療・詰め物などの除去

歯の神経部分に治療を施すためには、まず歯を削らなければなりません。
むし歯がある場合にはむし歯の治療を行ったり、過去に詰め物をした場合には詰め物を除去したりといったことも行っていきます。
そして歯髄の部分まで歯を削り進めていきます。

歯髄(神経)の抜去

歯を削り歯髄の部分まで到達したら、続いては専用の器具を使用して神経を丁寧に取り除いていきます。
神経と聞くと、一本の細い糸のようなものをイメージする方もいるかもしれませんが、簡単にするりと1本抜き取るわけではありません。
実際には、非常に複雑な形をしているため、残さずに取り除くためには確かな技術が必要です。
無事に神経を抜去できれば、その後は尖端部分を洗浄や消毒がしやすいように整えます。

根管の洗浄・消毒

ここからは、根管の洗浄・消毒を行っていきます。根管治療を行う必要があるような状態まで炎症が進行している場合、内部に膿や細菌が溜まっていることがほとんどです。
感染や炎症を繰り返さないためには、根管の洗浄や消毒が非常に重要です。この洗浄と消毒は1回で終わりではありません。
何度か歯科へ足を運び、洗浄と消毒を何度も繰り返しながら、根管を清潔な状態に整えていきます。

根管の充填

洗浄と消毒を終えた根管には、神経を取り除いた部分の形に合わせて固型の薬剤を詰めていきます。
このとき、すき間が残っていると再び最近感染を起こす可能性があるため、すき間なく薬を詰めることが重要です。

被せ物の土台作成

薬で根管を満たした後は、そのまま被せ物を取り付けるだけでは歯が割れやすくなってしまいます。
そのため、先に被せ物の土台部分を作製し、その上に被せ物を取り付けることが一般的です。
土台を作製して取り付けた後に型取りを行い、後日被せ物を取り付けるというスケジュールになります。
土台のみの状態で過ごす期間がありますので、土台の状態で硬い物を噛んだり歯に負担をかけたりすることは避けたほうが良いでしょう。

被せ物の取り付け

型取りから1~2週間程度で被せ物が完成し、取り付けとなります。噛み合わせに問題がないかを確認して歯の神経治療は完了です。
実際の治療スケジュールは、お口の状態や歯科医院によって異なる場合があります。事前のカウンセリングで治療スケジュールや治療の詳細を確認しておくと安心です。

歯の神経治療後の注意点

歯医者診療イメージ01
歯の神経治療が無事に終了すれば、つらい痛みも治まることがほとんどです。しかし、治療後にはいくつか注意点があります。こちらも併せて確認しておきましょう。
例えば、神経治療の後に起こりうるトラブルの1つとして、噛み合わせの問題が考えられます。
神経治療では土台と被せ物を取り付ける必要があるため、噛み合わせに異常が生じてしまうことがあります。
噛み合わせの異常により歯に負担がかかった場合、歯の周辺組織にダメージが及んだり痛みが出たりすることもあるでしょう。
その他には、治療した歯根が再感染を起こしてしまうこともあります。これは、洗浄や消毒が不十分だった場合や詰め物のすき間から細菌感染を起こしてしまうことが原因です。
いずれにしても、このようなケースではお口の中に何らかの違和感を感じることが多いでしょう。
毎日の口腔ケアや定期的な歯科検診を心がけ、歯の健康を維持できるように心がけることが大切です。

歯の神経治療後はどのようなことが起こる?

鏡を見る男性
歯の神経治療後には、いくつかの変化が現れます。歯が脆くなって割れやすくなってしまったりむし歯になっても気づきにくくなったりすることもあるため気を付けておきましょう。

歯がもろくなる可能性がある

神経を取り除いた歯は、健康な歯よりも脆くなる可能性があります。
詰め物をして歯の土台を取り付けることは先に述べましたが、この土台に負担がかかることによって歯が割れてしまうことがあります。
食べ物を噛んだときに痛みを感じた場合などは、念のため歯科で診察を受けるようにしましょう。
歯が欠けたり割れたりした状態で放置してしまった場合、歯茎や顎の骨に炎症が広がってしまうこともあるため注意しましょう。
歯が大きく割れてしまった場合には抜歯することが一般的です。

虫歯になっていても気づきにくい

神経を取り除いた場合、むし歯になっても歯に痛みを感じることはありません。そのため、むし歯になっても気づきにくいことが考えられます。
定期的に歯科受診をし、むし歯予防や早期発見・早期治療を心がけるようにしましょう。
なお、歯自体に痛みは感じないものの歯周病による歯茎の痛みは感じます。
むし歯が原因で歯茎に炎症が広がっている可能性も考えられるため、歯茎が腫れたり痛むようであれば、放置せずに歯科を受診しましょう。

歯の色が変わる可能性がある

歯の神経を取り除くと、神経を取り除いたことによって栄養が供給されなくなってしまうため、歯が黒っぽく変色してしまうことがあります。
あまり目立たない奥歯などであれば問題ないでしょうが、前歯などの場合には気になる方も多いかもしれません。
そのような場合には、歯の土台ごと埋め変えるインプラントなど他の治療を検討するのも方法の1つです。

歯の神経治療に適した歯科医院を選ぶポイント

説明する医師 Doctor
歯の神経を取り除く治療は、複雑な処置が必要なため確かな技術が必要です。
神経や腐敗物などが取り切れていない場合には再治療が必要となる可能性もあるため、歯科医院選びは重要なポイントといえるでしょう。
具体的には、神経治療の実績が豊富で丁寧なヒアリング・カウンセリング・検査を行っている歯科医院を選ぶことが大切です。
歯の神経は抜けば安心というものではありません。歯の神経を抜くことにより歯が脆くなったり変色したりすることもあります。
そのようなトラブルについても事前に説明してくれる歯科医院であれば安心です。また、むし歯や歯周病には生活習慣が大きく影響しています。
患者さんのお口の状態や生活習慣をしっかりと把握した上で最適な治療方法を提案してくれる歯科医院を選ぶと安心です。
神経治療は一度で完了するものではなく、何度か通院する必要がありますので、治療内容やスケジュールについて分かりやすく説明してくれる歯科医院を選ぶと良いでしょう。
治療の内容については歯科医院のHPなどで紹介されていることもありますので、参考にしてみてください。
もしも途中で治療を中断してしまった場合、むし歯や歯周病が悪化してしまう可能性もあるため、無理なく通える距離・診療時間の歯科医院を選ぶことも心がけましょう。
また、痛みに不安がある方は麻酔の種類なども確認した上で歯科医院を選定してみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

歯科衛生士と男性患者
神経である「歯髄」を取り除く歯の神経治療について解説しました。

歯の神経治療は、むし歯の悪化や重度の知覚過敏などによって適用されることがある治療方法です。

歯髄が炎症を起こし膿が溜まったり壊死した状態の場合には、すみやかに治療を受ける必要があるでしょう。

治療自体に痛みを感じることはほとんどありませんが、痛みに不安がある方は事前に相談するようにしてください。

また、治療後に歯が欠けたりむし歯や歯周病になったりすることも考えられます。治療を完了した後も、定期的な歯科受診は行うと安心です。

健康な歯を残すための手段として、歯の神経治療を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修歯科医師