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神経に達したむし歯はどう治療する?治療における注意点などを解説

 公開日:2026/04/09
神経に達したむし歯はどう治療する?治療における注意点などを解説

むし歯が神経に達すると、強い痛みがあったり、歯茎が腫れたり、口臭が出たりと、気になる症状を感じることでしょう。神経に達したむし歯は自然治癒しないため、放置するとどんどん悪化してしまいます。
できるだけ早めの診断と治療が大切ですが、歯科医院にいく前に対処法を知りたいという方や、もしものときのために知っておきたいという方はこの記事を参考にしてみてください。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

神経まで達したむし歯の症状

神経まで達したむし歯の症状

むし歯が神経に達するとどのような症状が現れますか?

むし歯が神経に達すると、激しい痛みを感じます。場合によっては、感染が歯の根元まで広がり、歯根の周辺に海が溜まって、歯茎が腫れたり、歯茎から膿が出てくることがあります。
何もしていなければ痛みはほとんど感じないか、軽く痛む程度でも、強く噛み締めたり、冷たいものや熱いものなどを食べて刺激を受けると強い痛みが生じる場合は、神経に達したむし歯がある可能性があります。

神経に達したむし歯の痛みは放置していると消えますか?

神経に達したむし歯の痛みは、しばらく激しく続いた後、そのまま放置しているといずれは感じなくなることがあります。
痛みが消える理由は、むし歯の菌によって歯の神経そのものが壊死してしまうためですが、これは治癒したわけではなく、むしろ症状がさらに悪化している状態です。神経が死んでしまうと痛みを感じる機能は失われますが、感染自体は解消していないため、そのまま放置を続けると歯を失うだけでなく、顎骨が吸収されるなど周囲の組織にまで広範囲に悪影響が出る恐れがあります。そのため、痛みの有無に関わらず、身体への負担を抑えるためにも早急に適切な治療を受ける必要があります。

神経に達したむし歯を放置するリスクを教えてください

神経に達したむし歯を放置すると、激しい痛みや頬の腫れといった急性症状から始まり、時間が経つと歯やその周囲の組織を失うなど、深刻な事態を招くリスクがいくつもあります。

例えば、神経の炎症によって作られた膿が歯茎内部に蓄積すると、耐えがたい激痛に襲われるだけでなく、顔の形が変わるほど頬が大きく腫れてしまう場合があります。さらにそのまま放置を続けると、歯の内部がすべて細菌によって壊死し、歯そのものがボロボロになって崩壊してしまいます。また、感染が歯を支える骨の周辺にまで及ぶと、溜まった膿の影響で歯がぐらつき始め、悪化すると自然に抜け落ちてしまうことも珍しくありません。このように放置することは身体にとってとても大きな負担となるため、早期の対処が不可欠です。

神経に達したむし歯の治療法

神経に達したむし歯の治療法

神経に達したむし歯はどのように治療しますか?

神経に達したむし歯の治療は、細菌に感染した箇所を丁寧に取り除き、その後の再感染を防ぐために根管内を清掃して被せ物で補う流れで進められます。

具体的な手法としては、感染した一部のみを取り除いて神経をできるだけ残す方法と、神経をすべて除去する方法の二通りがあります。神経を一部でも残すことができれば、歯の寿命を延ばすことにつながる一方で、感染範囲を正確に見極めることはとても難しいという側面があります。一方で神経をすべて取り除く方法は、再発のリスクを抑えやすいという利点があるものの、歯にトラブルが生じても痛みなどを感じれなくなるため、再感染などの際に症状が進行して歯を失いやすくなるというデメリットがあります。

いずれの手法を選ぶ場合でも、専用の器具を用いて細菌に汚染された組織をかき出す根管治療が行われます。処置の後は、歯の強度を保つための土台を立て、その上からクラウンと呼ばれる被せ物を装着することで、噛むための機能を回復させます。

根管治療は難しい治療ですか?

根管治療は、目に見えない歯の内部を扱うための精密な技術が求められる、難易度の高い治療です。

歯の根にある神経の通り道はとても複雑な形状をしており、その形態は千差万別です。レントゲンや歯科用CTなどを用いてあらかじめ構造を把握することは可能ですが、実際には少しずつ処置を進めてみなければ、神経の状態や細かな分岐を詳細に把握することは困難です。

さらに、歯の根が細い場合や感染範囲が広い場合には特に注意が必要で、慎重に処置を行わなければ歯が割れてしまうリスクが高まるため、より高度な熟練度が求められます。また、根管治療は一回の通院だけで完了させることはできず、複数回にわたって徹底的に感染箇所を除去する必要があるため、治療期間が長くなる傾向にあります。

こうした地道な工程を積み重ねることで、大切な歯を身体の一部として残すことが可能です。

神経までむし歯が進行した場合は抜髄が必須ですか?

神経までむし歯が進行した場合は抜髄が必要となるケースがほとんどですが、状況によっては神経を一部残せる可能性もあります。

感染の度合いや歯科医院の治療方針によっては、細菌に侵された箇所だけを取り除き、健康な神経を保存する処置が選択されることもあります。
抜髄が必要かどうかの判断は、むし歯の進行状況に加えて、歯科医院が持っている設備や治療の考え方によっても異なる場合があります。そのため、自分自身の歯を少しでも長く維持するために適切な方法はどれか、まずはかかりつけの歯科医院で現在の状態を詳しく確認し、相談することが大切です。

根管治療に痛みはありますか?

根管治療は基本的にしっかりと麻酔を施した状態で行われるため、処置中に痛みを感じることは少ないといえます。

しかし、歯の周囲に強い炎症が起きている場合や、根の先に膿が溜まっているような状態では、麻酔薬が組織に浸透しにくくなり、痛みを感じてしまうことがあります。そのような場合には、炎症の度合いに応じて麻酔の量を調整したり、まずは薬の服用で炎症を落ち着かせてから後日に施術を行ったりするなど、身体への負担と痛みに配慮した対応が取られるのが一般的です。

また、治療中だけでなく、処置が終わって麻酔が切れた後に一時的な痛みや違和感が生じることもありますが、多くは数日で治まります。
根管治療はとても精密な処置を繰り返すことで、将来的な激痛のリスクを取り除くためのものであるため、痛みに対して適切な処置を受けながら進めることが大切です。

神経に達したむし歯の治療後について

神経に達したむし歯の治療後について

神経に達したむし歯の治療後に痛むことはありますか?

神経に達したむし歯の治療後に痛むことはあります。
歯を削った刺激によって、一時的に神経が炎症していることで、冷たいものなどがしみたり、ズキズキと痛む症状が現れることがあり、大抵の場合は数日間か長くても1ヶ月以内に落ち着きます。1ヶ月以上痛みが続く場合は、別の原因がある可能性が考えられるため、歯科医院に相談することをおすすめします。

神経を除去した歯が再度痛むことはありますか?

神経を除去した歯であっても、取り残された神経への刺激や、歯の根元および歯茎のトラブルによって再び痛みが生じる可能性はあります。

神経が完全に除去されていない場合は、残った組織が何らかの刺激に反応して痛むことがあります。一方で、神経が完全にない状態で痛みを感じる場合は、歯そのものではなく、周囲の組織に原因があると考えられます。
例えば、被せ物が合わずに歯茎を刺激して炎症を起こしているケースや、歯の根元に細菌が入り込んで感染を引き起こしているケースなどが挙げられます。

根元で細菌感染が起きている場合は、自然に治癒することはとても難しく、再度根管治療を行う必要があります。放置すると身体への負担が増し、症状が悪化する恐れもあるため、痛みの原因を特定して適切な処置を受けるために、早めに歯科医院へ相談することが大切です。

神経に達したむし歯の治療後も歯科医院に通う必要はありますか?

神経に達したむし歯の治療を終えた後も、健康な口腔状態を保ち、身体の一部である歯を長く守り続けるためには、数ヶ月に一度の定期検診を受けることが推奨されます。

根管治療によって神経を取り除いた歯は、健康な歯に比べて栄養が行き渡らなくなるため、脆くなりやすくトラブルのリスクも高まります。また、神経がないことで新たなむし歯が発生しても痛みを感じにくく、気付かないうちに症状が悪化してしまうことも珍しくありません。

そのため、数ヶ月に一度の頻度で歯科医院に通い、被せ物の状態や周囲の歯肉に異常がないかを確認してもらうことがとても有効です。定期的なメンテナンスによって、トラブルを未然に防いだり早期に発見したりすることは、結果として自然な歯を長く維持することにつながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

神経に達したむし歯であっても、適切な処置を早めに行うことで、天然の歯を残せる可能性は十分にあります。しかしながら、根管治療はとても精密な技術を要する難易度の高い治療であるため、信頼できる歯科医師のもとで正確性の高い診断と丁寧な処置を受けることが大切です。
もし現在、歯に痛みや違和感がある場合は、放置せずに根管治療を得意とする歯科医院を早めに受診しましょう。早期の対応は、将来的な抜歯のリスクを抑え、口腔全体の健康を維持するためにとても有効な選択となります。

この記事の監修歯科医師