監修医師:
江崎 聖美(医師)
目次 -INDEX-
やけどの概要
やけどは、皮膚に高い温度の物質、または劇薬が接触したことで発生する障害です。
日常的にありふれたケガの一種で、誰でも軽度のやけどを経験したことがあるでしょう。
熱湯、コンロなど調理器具の火や熱源、アイロンなど、日常生活には高温の物体がたくさんあります。
日常生活で特にリスクが高いのは調理です。
揚げ物をして油がはねる、電子レンジで温めすぎた食材に触れて手や舌をやけどするのは、ありふれた事象です。
しかし、中にはコンロの火が服の袖に移って大やけどを負うなど、深刻な症状を引き起こすこともあります。
強酸、強アルカリ溶液など劇薬に触れると発生する化学熱傷、落雷や家庭電源などに触れると発生する電撃傷も、やけどの一種です。
44℃から60℃までの低い温度でも、長時間同じ場所に当てるとやけどをします。
低温熱傷と呼ばれる特殊なやけどで、創部が通常のやけどと異なることがあります。
やけどの原因
身の回りにある高温の物体、コンセントなど電源はすべて、やけどの原因になります。
もっとも馴染みがある高温の物体は、調理器具でしょう。
コンロ、トースター、オーブンレンジ、ホットプレートや携帯コンロなどの熱性個体はやけどのリスクがあります。
お湯やカップ麺の汁など高温液体によるものも頻度が高いとされています。
熱い蒸気が出る炊飯器、加湿器も、やけどの原因です。
特にお子さんは蒸気に興味を示しやすく、やけど事故が後を絶ちません。
湯気は熱湯以上に温度が高いので短時間で簡単にやけどとなります。
味噌汁やスープなど高温の液体もリスクがあります。
そのほか、アイロン、ヘアアイロンなどの家電も、不用意に触ってやけどをすることがあります。
携帯カイロ(特に、貼るタイプのカイロ)、こたつ、電気毛布、あんか、湯たんぽなど、冬に欠かせないアイテムは低温熱傷のリスクになります。
44℃でも3〜4時間、同じ場所を温め続けると低温やけどを負います。
やけどの前兆や初期症状について
やけどの初期症状は、やけどの重傷度により大きく変わります。
軽症なら皮膚科の外来で対応できますが、中等症や重症は救急外来で処置を行い、入院になります。
急性期を超えたら外科的治療が必要な場合は主に形成外科で治療を行います。
たとえ軽症でも創部を流水で冷やすなどの処置を適切に行わないと、治癒が長引きます。
やけどは皮膚の損傷されている組織の深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。
やけどの重症度は進行することがあるため、初回の診察では確定できず、時間をおいて再度診察をする必要があります。
Ⅰ度熱傷
軽症(Ⅰ度)のやけどは表皮までのやけどです。
創部が赤くなり(発赤、発熱)、ヒリヒリする痛みを伴います。
ごく軽度なら流水でしっかり冷やし、自宅で様子を見ても良いでしょう。
しかし、皮膚が薄いお子さんのやけどはダメージが深いことがあります。
創部を流水で冷やしてから皮膚科を受診しましょう。
2-3日で治癒し、一過性に色素沈着が起こることがあります。
Ⅱ度熱傷
中等症(Ⅱ度)は真皮まで達したやけどです。
創部は薄い赤〜やや白になり、水疱(水ぶくれ)が出るのが典型的な初期症状です。
傷が治っても跡が残ることがあります。
痛みはありますが、深度が深いほど痛みが弱くなります。
これは痛みを伝える神経が熱でダメージを受け、伝えることができないためです。
Ⅱ度以上のやけどは、早急な対応が必要です。
流水で冷やしながら、救急外来や救急センターに問い合わせましょう。
広範囲であれば緊急で対応が必要になることがあります。
浅いⅡ度であれば2週間で治癒し、傷跡は残りませんが、
深いⅡ度で真皮の深いところまで及ぶと治癒まで3週間以上かかり、傷跡が残ります。
時に皮膚移植を必要とすることがあります。
Ⅲ度熱傷
重症(Ⅲ度)は皮膚全層・皮下組織まで達したやけどです。
創部は白、黒に乾燥し、痛みや感覚を感じなくなります。
広範囲で重症であれば早急に熱傷専門施設で集中治療が必要で、皮膚移植など様々な処置を行います。
命を落とすこともあり、存命できてもやけどの跡が残ります。
ただちに救急車を呼んで下さい。
救急車を呼んでいる間は服を着たまま水のシャワーを浴びましょう。
やけどの前兆や初期症状について
やけどの初期症状は、やけどの重傷度により大きく変わります。
軽症なら皮膚科の外来で対応できますが、中等症や重症は救急外来で処置を行い、入院になります。
急性期を超えたら外科的治療が必要な場合は主に形成外科で治療を行います。
たとえ軽症でも創部を流水で冷やすなどの処置を適切に行わないと、治癒が長引きます。
やけどは皮膚の損傷されている組織の深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。
やけどの重症度は進行することがあるため、初回の診察では確定できず、時間をおいて再度診察をする必要があります。
Ⅰ度熱傷
軽症(Ⅰ度)のやけどは表皮までのやけどです。
創部が赤くなり(発赤、発熱)、ヒリヒリする痛みを伴います。
ごく軽度なら流水でしっかり冷やし、自宅で様子を見ても良いでしょう。
しかし、皮膚が薄いお子さんのやけどはダメージが深いことがあります。
創部を流水で冷やしてから皮膚科を受診しましょう。
2-3日で治癒し、一過性に色素沈着が起こることがあります。
Ⅱ度熱傷
中等症(Ⅱ度)は真皮まで達したやけどです。
創部は薄い赤〜やや白になり、水疱(水ぶくれ)が出るのが典型的な初期症状です。
傷が治っても跡が残ることがあります。
痛みはありますが、深度が深いほど痛みが弱くなります。
これは痛みを伝える神経が熱でダメージを受け、伝えることができないためです。
Ⅱ度以上のやけどは、早急な対応が必要です。
流水で冷やしながら、救急外来や救急センターに問い合わせましょう。
広範囲であれば緊急で対応が必要になることがあります。
浅いⅡ度であれば2週間で治癒し、傷跡は残りませんが、
深いⅡ度で真皮の深いところまで及ぶと治癒まで3週間以上かかり、傷跡が残ります。
時に皮膚移植を必要とすることがあります。
Ⅲ度熱傷
重症(Ⅲ度)は皮膚全層・皮下組織まで達したやけどです。
創部は白、黒に乾燥し、痛みや感覚を感じなくなります。
広範囲で重症であれば早急に熱傷専門施設で集中治療が必要で、皮膚移植など様々な処置を行います。
命を落とすこともあり、存命できてもやけどの跡が残ります。
ただちに救急車を呼んで下さい。
救急車を呼んでいる間は服を着たまま水のシャワーを浴びましょう。
やけどの治療
やけどは「すぐに流水で冷やす」ことが何より大切です。
指先などのやけどは蛇口の流水で、広範囲のやけどは服を脱がさず、そのまま冷たいシャワーを浴びせ続けましょう。
治療は軽症~中等度でも軽い場合は、軟膏や創傷被覆材で創部を保護し、自然治癒を待ちます。
創部を適度に湿った状態を維持し、感染しないように創洗浄や抗生剤の投与などを行います。
中等度でも深いやけどの場合は、皮膚の自然治癒はほぼ望めません。
創部を切除(デブリードマン)し、皮膚移植を行います。
重度の場合は、傷が治ってもケロイドや肥厚性瘢痕が皮膚に残ります。
特に関節に出ると関節が伸ばせなくなるため、形成外科での継続的なケアが欠かせません。
やけどになりやすい人・予防の方法
お子さん、高齢者、火を扱う職種、糖尿病など感覚が鈍くなる疾患の方は、やけどリスクが高い傾向があります。
お子さんは火や熱源に興味を示し、自ら触りに行く好奇心があります。
高齢者は触覚が鈍るため、熱源に近寄りすぎてやけどを負うリスクが上がります。
特に電気あんか、カイロによる低温やけどには注意が必要です。
糖尿病が進むと末梢神経が壊死し、やけどの熱さや痛みを感じにくくなります。
やけど、低温熱傷に気付かず、重症化しやすくなります。
子どもがいるご家庭はアイロンなど熱源になるものを地面に置かない、
暖房には柵を設けるなど、「火を子どもの手に触れさせない対策」が欠かせません。
仏壇のろうそくはすぐに消す、コンロにチャイルドロックをかけるなど、火と熱源の管理を徹底しましょう。
高齢者で特に注意したいのは低温熱傷です。
コタツで寝る、カイロを貼りっぱなしで電気毛布で寝るなど、一か所に熱が当たり続けると低温やけどを起こします。
外観の印象よりも重症化していることも珍しくありません。
湯たんぽ、あんかは布団が温まったら出してから寝る、寝るときはカイロを外す、
電気毛布やコタツは、身体が温まったらすぐに低温に設定するなど、こまめなケアを行いましょう。
服への着火を防ぐためにコンロをIHにする、ガスコンロで調理するときは長袖を着ない、
風呂に入る前には湯船に指を入れて熱さを確認するなど、身近なやけどリスクを取り除きましょう。
火を扱う職種の方は、手順を遵守する、ヒヤリハットを検証し、共有するなどを第一に心がけることが大切です。
責任者は定期的に安全指導を行い、効率より安全の優先を徹底させましょう。
近年普及が進んでいる携帯型バッテリーの事故による、燃焼事故も増加傾向にあります。
今後は「携帯型バッテリーを持ち歩く人」も注意が必要です。
携帯型バッテリーは電気用品安全法(PSE)を合格した製品を選ぶ、
落下してダメージを受けたバッテリーはすぐ適正に処分することで、発火事故を防ぎます。