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勝木 将人

監修医師
勝木 将人(医師)

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2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

閃輝暗点の概要

閃輝暗点とは、視覚に関連する一時的な神経学的症状で、主に片頭痛の前兆として発生します。

この現象は、視界の一部がキラキラしたり、ギザギザした模様に見えたりする特徴的な視覚障害として現れます。

発生メカニズムは脳内の血管の収縮・拡張によって引き起こされると考えられています。
具体的には、ストレスや睡眠不足などの要因により、脳内でセロトニンが放出され、血管の収縮が起こります。
これにより、後頭葉から始まる大脳皮質の機能低下が生じ、視覚症状が現れます。
通常、視界の一部から始まり、徐々に広がっていきます。

症状は多くの場合、数十分程度で改善します。
発生頻度は片頭痛患者さんの約3分の1に前兆が認められ、その多くが視覚性前兆である閃輝暗点です。
頭痛を伴わない閃輝暗点は、50歳以上の高齢の方に多く見られる傾向があります。

閃輝暗点自体は一時的な症状であり、多くの場合深刻な健康上の問題を示すものではありません。
しかし、運転中などに発生すると視野が狭くなり、事故のリスクが高まる可能性があります。

閃輝暗点の診断は主に症状の描写に基づいて行われます。
頭痛を伴う場合は脳神経内科や脳神経外科、頭痛がない場合は眼科での受診が推奨されます。

治療は原因や症状の頻度によって異なりますが、片頭痛予防薬の使用や生活習慣の改善が効果的な場合があります。

閃輝暗点の原因

一次性低体温症の原因

発生機序について確立された概念はまだないようですが、大脳皮質性拡延性抑制(Cortical Spreading Depression:CSD)という大脳皮質の一過性の機能低下によって引き起こされると考えられています。

この現象は、後頭葉(視覚を司る部位)から始まり、大脳皮質全体に波及していきます。
また、ストレス、睡眠不足、低血糖、喫煙、コーヒーやアルコールの摂取、特定の食品(チョコレートやナッツ類など)が閃輝暗点の誘因となる可能性があります。

閃輝暗点の前兆や初期症状について

閃輝暗点の前兆や初期症状

閃輝暗点の最も特徴的な初期症状は、視界の一部に現れる視覚的な異常です。
具体的には「キラキラした光やギザギザの光が見える」や「視界の中心から徐々に広がっていく光や模様」、「視野の一部が見えにくくなる」です。

症状は通常、視界の一部から始まり、徐々に広がってゆき、その持続時間は通常5〜60分程度であり、多くの場合、数十分程度で改善します。
視覚症状以外にも、チクチクした感じが片側の身体や顔面、舌に波及するような感覚症状が現れることがあります。
稀に、失語症状(言葉が出にくくなるなど)などの言語に関する症状が現れることもあります。

閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として現れますが、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。閃輝暗点の後に片頭痛が起こることが多いようですが、頭痛を伴わない閃輝暗点もあります(特に50歳以上の方に多い)。

閃輝暗点に加えて、側頭部の圧迫感や眼痛、悪心などの症状が現れることがあります。
個人差が大きく、また同じ人でも発作ごとに症状が異なる場合があります。

頻繁に発生する場合や、ほかの症状を伴う場合は、適切な医療機関での診察を受けることが重要です。

どの診療科目を受診すればよいか

脳神経内科(または神経内科)や眼科、脳神経外科の診療科がある病院やクリニックを受診して頂きます。

閃輝暗点の経過

発症は突然、視野の一部(多くは中心付近)にキラキラした点や光が現れます。
次に、ギザギザした光の波が視野内で拡がっていきます。

この光の波は、目を閉じていても見えます。持続時間は通常10〜20分程度で収まることが多いようです。
全体の持続時間は5〜60分程度とされています。
そしてギザギザした光の波は徐々に消失していきます。

頭痛の発生は多くの場合、閃輝暗点の症状が治まった後に片頭痛として起こります。
頭痛の程度は、軽い頭重感から吐き気・嘔吐を伴う強い痛みまでさまざまです。その持続時間は、通常1日程度で治まる傾向です。

頻度の変化があり、若い方の場合、年齢とともに発生頻度が減少することが多いようです。

注意点として、中年で閃輝暗点のみが現れ、片頭痛を伴わない場合は、稀に脳梗塞や一過性の脳血流障害、器質的病変が原因である可能性があります。
このような場合は、MRI検査や脳波検査を受けることが推奨されます。

閃輝暗点の症状は個人差が大きく、同じ人でも発作ごとに症状が異なる場合があります。
頻繁に発生する場合や、ほかの症状を伴う場合は、適切な医療機関での診察を受けることが重要です。

閃輝暗点の検査・診断

主に以下のような方法が用いられます。

1) 問診

患者さんの症状について詳細な描写を聞き取ります。閃輝暗点の特徴的な視覚症状(キラキラした光やギザギザの模様など)や、その持続時間、頭痛との関連性などを確認します。

2) 視野検査

閃輝暗点が起こっている際の視野の変化を評価するために行われることがあります。

3) MRI検査

特に中年以降で閃輝暗点のみが現れ、片頭痛を伴わない場合は、MRI検査が推奨されます。これは、稀に脳梗塞や一過性の脳血流障害、器質的病変が原因である可能性を排除するためです。

4) 脳波検査

てんかんの症状として閃輝暗点が起こることもあるため、脳波検査が行われることがあります。

5) 眼科検査

閃輝暗点の症状がほかの眼疾患によるものではないことを確認するために、眼科での検査が行われることもあります。

6) 神経学的検査

閃輝暗点がほかの神経学的症状と関連していないかを確認するために、基本的な神経学的検査を行うことがあります。

閃輝暗点の診断は主に症状の描写に基づいて行われますが、ほかの潜在的な原因を排除するために上記の検査が行われることがあります。特に、頻繁に症状が現れる場合や、ほかの症状を伴う場合は、適切な医療機関での詳細な診察と検査が重要です。

閃輝暗点の治療

1) 直接的な治療薬

閃輝暗点そのものを直接治療する特定の薬はありません。

2) 片頭痛の予防薬

閃輝暗点が片頭痛の前兆として現れる場合、片頭痛の予防薬が処方されることがあります。例えば塩酸ロメリジンなどです。

3) 片頭痛の頓服薬

閃輝暗点の後に起こる片頭痛に対して、頓服薬が処方されることがあります。例えばイミグラン(スマトリプタン)などです。

4) 原因の回避

閃輝暗点の引き金となる原因が特定できる場合は、それを避けることが推奨されます。一般的な引き金には、ストレスや睡眠不足、特定の食べ物(チョコレートなど)、アルコール(特にワイン)などがあります。

5) 早期対応

閃輝暗点の症状が現れたら早めに片頭痛を抑える薬を服用することが重要です。

6) 生活習慣の改善

ストレス管理、十分な睡眠、規則正しい生活などの生活習慣の改善が推奨されます。

7) 定期的な検査

特に中年以降で閃輝暗点のみが現れ、片頭痛を伴わない場合は、MRI検査や脳波検査を受けることが推奨されます。
これは、稀に脳梗塞や一過性の脳血流障害、器質的病変が原因である可能性があるためです。

閃輝暗点の治療は、主に症状の予防と管理、そして関連する片頭痛の治療に焦点を当てています。個々の症状や原因に応じて、適切な治療法が選択されます。

閃輝暗点になりやすい人・予防の方法

閃輝暗点は片頭痛の前兆として現れることが多いため、片頭痛持ちの人はなりやすい傾向があります。
ストレスは閃輝暗点の主な引き金の一つなので、ストレスを抱えている人も同様です。
睡眠不足も閃輝暗点を引き起こす要因となります。
特定の食べ物に敏感な人、例えば、チョコレートやアルコール(特にワイン)などが閃輝暗点の引き金になることがあります。

予防方法は、ストレス管理や十分な睡眠、 生活リズムの改善、頭痛体操(肩こりとストレスを解消するための頭痛体操を行うことで、閃輝暗点の予防に繋がる可能性があります。
例えば、「腕振り体操」など)、食生活の見直し(ビタミンB2やマグネシウムが豊富な食品を積極的に摂取することが推奨されます)、 トリガーとなる食品の回避、 適度な運動、早期対応(閃暗点の症状が現れたら、早めに休息を取るなど)などが挙げられます。

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