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更年期障害の始まる年齢はいくつくらい?症状や閉経の流れを解説

 公開日:2024/04/23

更年期障害の始まる年齢はいくつくらいなのか知っていますか?
本記事では、更年期障害の始まる年齢はいくつくらいなのかについて以下の点を中心にご紹介します!

・そもそも更年期障害とは
・更年期障害の年齢と閉経の関係
・更年期障害をうまく乗り切るために

更年期障害の始まる年齢はいくつくらいなのかについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。ぜひ最後までお読みください。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

更年期障害とは

更年期障害とは
「更年期」とは、女性が閉経を迎える前後の約10年間を指します。
この時期、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が大きく変動し、さまざまな症状が現れることがあります。
これらの症状の中で、特定の病気とは関連しないものを「更年期症状」と称し、これが日常生活に大きな影響を及ぼす場合、「更年期障害」と呼ばれます。
更年期障害の背後には、エストロゲンの変動だけでなく、加齢や心理的要因、さらには日常の人間関係など、多様な要因が複合的に関与しているとされています。
更年期は女性の人生の一つの大きな節目とも言える時期であり、その理解と適切なケアが求められます。

更年期障害の年齢と閉経の関係

更年期障害の年齢と閉経の関係更年期障害の年齢と閉経にはどのような関係があるのでしょうか?以下で解説していきます。

更年期障害が始まる年齢

「更年期」とは、女性が生涯の中で体や心に大きな変化を迎える時期を指します。
この期間は、一般的に閉経を中心として前後5年ずつ、合計約10年間とされています。
多くの女性が50歳前後で閉経を迎えるため、45歳から55歳頃が更年期と認識されています。
この更年期には、卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌が不安定になることから、さまざまな症状が現れることがあります。
特に40代後半から、月経の周期が不規則になるなどの初期症状が出始めることが多いとされています。
これは、卵巣の活動が減少し始めるため、ホルモンバランスの変動が起こることによるものです。
更年期の症状は、女性によって異なりますが、これらの症状が現れる時期や強さには個人差が大きいことも特徴的です。
しかし、一般的には、40代後半から50代前半にかけて、更年期特有の症状が現れやすくなるとされています。

閉経の流れ

「閉経」とは、女性の生涯における特定の時期を指し、卵巣の活動が終息し、月経が永久に停止する状態を示します。
この過程は、生理のパターンにおける変化を通じて進行します。
以下に、その典型的な変化を詳しく解説します。
1.正常な生理(月経)
正常な生理は自然に始まり、自然に終わります。
生理周期は25〜38日が正常とされます。最も長い周期と短い周期の差は6日以内です。
正常な生理の期間は3〜7日です。
2.生理周期が短くなる
更年期の初期段階では、生理の周期が短くなることが多いです
。例えば、28日周期が22〜23日に短縮されることがあります。
卵巣機能の低下やホルモンの変動が主な原因です。
3.生理期間が長く続く
生理の期間が8日以上続く「過長月経」が現れます。
ホルモンバランスの乱れにより、子宮内膜が早く剥がれることが原因であることがほとんどです。
4.生理周期が長くなる
生理周期が39日以上に伸びる「稀発月経」となります。
卵巣機能の大幅な低下を示すことが多いです。
5.閉経
最後の生理から1年以上月経がない状態のことを指します。
これらの変化は一般的なものであり、すべての女性が同じ順序で経験するわけではありません。
また、更年期の症状や変化は、ストレスや生活習慣、遺伝的要因などによっても影響を受けることがあります。
更年期に入ったと感じたら、定期的な婦人科検診を受けることが大切です。

更年期障害の期間

「更年期」という言葉を聞くと、多くの人が女性の中年期を指すものと捉えるかもしれません。
しかし、更年期は男性にも存在します。
女性と男性の更年期の期間とその特徴について詳しく解説します。
女性の更年期
女性の更年期は、閉経を中心とした前後約10年間を指します。
具体的には、閉経前の約5年と閉経後の約5年の期間です。日本の女性の平均的な閉経年齢は50.5歳とされており、そのため、44歳から55歳くらいの間が更年期とされることが多いとされています。
しかし、個人差は大きく、30代で閉経を迎える方もいます。
更年期障害の症状が最も強く現れるのは、50歳前半であることが一般的です。
男性の更年期
男性の場合、更年期は50〜60歳頃とされます。
この期間は、男性ホルモンの減少に伴い、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)という症状が現れることが一因とされています。
この症状は、50代後半にピークを迎えることが多いとされています。
しかし、男性のホルモンの減少は女性よりも緩やかであるため、更年期障害の症状を自覚せずに過ごす男性も少なくありません。

更年期障害の年齢の若年化

更年期障害の年齢の若年化
更年期障害の年齢は若年化しているのでしょうか?以下で解説していきます。

若年性更年期障害とは

「若年性更年期障害」という言葉を聞いて、多くの人が驚くかもしれません。
更年期障害とは、一般的に50歳前後の女性が経験する、閉経を境に卵巣の働きが鈍くなり、エストロゲンという女性ホルモンの減少によって引き起こされる症状を指します。
しかし、近年の医学的な調査により、20〜30代の若い女性にも同様の症状が現れることが明らかになってきました。これを「若年性更年期障害」と称しています。
若年性更年期障害の症状は、40歳を過ぎてからの更年期障害と似ていますが、その発症年齢の早さが特徴です。
具体的な症状としては、のぼせや火照り、動悸、息切れ、異常な発汗、血圧の変動、頭痛、めまい、そして全身のけん怠感などが挙げられます。
さらに、これらの身体的な症状とともに、情緒不安定や抑うつ感、イライラといった精神的な症状も現れることがあります。
なぜ若い年齢で更年期障害のような症状が現れるのか、その原因はまだ明確には解明されていません。
しかし、現代社会のストレスや生活習慣の変化、ホルモンバランスの乱れが影響していると考えられています。
若年性更年期障害に悩む女性は、自分だけの問題ではないと理解し、適切な医療機関での相談や治療を受けることが大切です。

若年性更年期障害の原因

若年性更年期障害は30代の女性にも見られる現象です。
主な原因として、ストレスが大きく関与しているとされています。
現代社会は多忙であり、家事、育児、介護などの負担や、仕事との両立によるプレッシャーが女性に大きなストレスとなっています。
このようなストレスは、女性ホルモンのバランスを乱すことが知られており、その結果、顔のほてりやのぼせ、骨量の減少、脱毛などの身体的な症状や、うつや不安といった精神的な症状を引き起こすことがあります。
また、食生活の乱れや無理なダイエットも、女性ホルモンのバランスを崩す要因となります。
特に無理なダイエットは、栄養不足を引き起こし、それが女性ホルモンの分泌を低下させる可能性があります。
重要なのは、若年性更年期障害は閉経とは直接関係がないということです。
これは、女性ホルモンのバランスや自律神経の乱れが主な原因となっているためです。
このような状態を放置すると、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があるため、早期の対応が求められます。

若年性更年期障害の症状

若年性更年期障害は、一般的に30代の女性に見られる症状で、その名の通り、更年期障害と似た症状を持っています。
しかし、年齢層が異なるため、その背景や症状の現れ方には特徴があります。
代表的な症状としては、顔や体のほてり、手足の冷え、めまい、頭痛などが挙げられます。
これらの症状は、女性ホルモンのバランスの乱れによって引き起こされるものです。
さらに、このバランスの乱れが進行すると、骨量の減少や膣の乾燥・萎縮、脱毛、そしてうつ症状など、より深刻な症状が現れることもあります。
特に、生理の周期に関連する症状も見られます。
生理不順や無月経といった症状が現れることがあり、これは女性ホルモンの大きな乱れを示しています。
また、極端なダイエットやストレスによる短期間の体重の激減は、体を飢餓状態に導くことがあります。
このような状態では、体は生命維持を最優先とし、妊娠のリスクを避けるために生理を停止させることがあります。
若年性更年期障害の症状は、生活習慣やストレス、体の健康状態などによっても変わるため、自分の体調や変化をしっかりと観察し、必要に応じて医療機関での相談や治療を受けることが大切です。

若年性更年期障害に似た別の病気

若年性更年期障害に似た別の病気若年性更年期障害に似た別の病気の可能性があります。
以下で解説していきます。

月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS)は、多くの女性が経験する、月経の前に現れる一連の不快な症状を指します。
これらの症状は、イライラ、眠気、憂うつ、集中力の低下、食欲の変動、めまい、腹痛、下痢、便秘、頭痛、むくみなど、非常に多岐にわたります。
これらの症状は、女性ホルモンの変動によって引き起こされると考えられています。
PMSの特徴的な点は、これらの症状は月経が始まるとともに軽減され、完全に解消されることです。
この周期的な症状の変動が、PMSを他の疾患や症状、例えば若年性更年期障害と区別する大きな要因となります。
若年性更年期障害は、女性ホルモンのバランスの乱れによる症状が中心であり、その症状は月経の周期とは関係なく持続的に現れることが多いとされています。
一方、PMSは、月経の周期に密接に関連して症状が現れるため、そのタイミングや症状の変動が特徴的です。
PMSに悩む女性は多く、その症状は軽度から重度までさまざまです。
日常生活に影響を及ぼすほどの重度の症状を持つ女性もいます。
そのため、自分の体の変化や症状をしっかりと観察し、必要に応じて医療機関での相談や治療を受けることが大切です。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺が過剰に活動し、甲状腺ホルモンを過多に分泌する状態を指す「甲状腺機能亢進症」の一種であり、体内のさまざまな機能が高まることで多岐にわたる症状を引き起こします。
具体的には、顔のほてりやのぼせ、頻脈、過度な発汗、急激な体重減少、イライラや不安感、下痢などの消化器系の症状が挙げられます。
これらの症状は、若年性更年期障害と非常に似ているため、自分で判断するのは難しいとされています。
特に、イライラや不安感、体のほてりなどの症状は、更年期障害と混同されやすいため、注意が必要です。
バセドウ病の原因は、免疫系の異常により、甲状腺を刺激する抗体が過剰に産生されることで、甲状腺が過剰活動となることが知られています。
この病気は、特に若い女性に多く見られることが特徴的です。
正確な診断のためには、医師の診察や血液検査、甲状腺のエコー検査などが行われます。
症状が確認された場合、適切な治療が必要となります。
治療方法は、薬物療法や放射線治療、手術など、症状や患者の状態に応じて選択されます。
もし、バセドウ病や更年期障害の症状に悩んでいる場合は、医師に相談することを強く推奨します。

橋本病

橋本病は、甲状腺の機能が低下する「甲状腺機能低下症」の中でも特に知られる疾患です。
この病気は、甲状腺ホルモンの分泌が不足することで、身体の新陳代謝が鈍くなります
その結果、無気力、肌の乾燥、徐脈、体重増加などのさまざまな症状が現れることが特徴です。
一方、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、身体の新陳代謝が過度に活発化します。
これは「寝ているのに、ジョギングしているかのような」状態とも形容され、脈が速くなる、動悸を感じる、疲れやすくなる、イライラしやすくなる、落ち着きを失う、汗をかきやすくなる、体重が減少するなどの症状が出現します。
橋本病と更年期障害の症状は、一部重複するため、自分で判断するのが難しいことがあります。
特に、無気力や体重の変動、肌の乾燥などは、更年期障害の症状としても知られています。
しかし、これらの症状が橋本病に起因している場合、適切な治療が必要となります。

更年期障害をうまく乗り切るために

更年期障害をうまく乗り切るために更年期障害をうまく乗り切るためにはどうすればいいのでしょうか?以下で解説していきます。

ストレスを解消

更年期障害は、多くの女性が経験する生理的・心理的な変化の時期です。
この時期、体や心が敏感になり、日常のストレスが大きく影響することがあります。
そのため、ストレスを適切にコントロールし、心地よく日常を過ごす工夫が求められます。
まず、心の問題や日常の悩みを抱え込まないことが大切です。
孤独感や不安を感じたとき、信頼できる友人や家族、専門家に相談することで、気持ちの整理や新しい視点を得られます。
また、家に閉じこもりがちになると、孤独感が増大し、さらにストレスが高まる可能性があります。
友人との会話や外出は、気分のリフレッシュが期待できます。
余暇を活用することも大切です。
趣味やグループ活動、ボランティア活動など、自分の興味や関心を追求することで、生き甲斐や新しい発見を得られます。
また、外に出ることで、自分を磨く機会が増え、前向きな気持ちや自信を持てます。
最近では、更年期の悩みや経験を共有し、サポートし合うセルフヘルプグループも増えてきました。
同じ経験を持つ仲間との交流は、自分だけでなく、他者にも役立つ情報やアドバイスを得られます。
更年期障害を乗り越えるためには、自分を大切にし、日常のストレスを適切にコントロールすることが鍵となります。

生活の改善

更年期障害は、多くの女性が経験する生理的・心理的な変化の時期です。
この変化を乗り越えるためには、日常の生活習慣の見直しや改善が不可欠です。
まず、生活習慣の乱れは、更年期障害の症状を悪化させる大きな要因となります。
特に、睡眠の質や運動習慣は、体調や気分に直接的な影響を及ぼします。
不眠や睡眠障害は、更年期障害の典型的な症状の一つですが、これが継続すると体の疲労や精神的なストレスが蓄積し、症状がさらに悪化する可能性があります。
夜更かしの習慣を持つ方は、早寝早起きを心がけることで、体のリズムを整えられます。
また、寝つきが悪い場合や中途覚醒が多い場合は、医師のアドバイスを受け、必要に応じて誘眠剤を使用することも考慮すべきです。
適度な運動も、更年期障害の症状を軽減するための鍵となります。
特に、ストレスが溜まっていると、呼吸が浅くなり、血液の循環も悪化します。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、呼吸を深くし、血液の循環を促進します。
これにより、体内の酸素供給が向上し、心身のリフレッシュにつながります。

食事の改善

更年期障害は、多くの人が経験する生理的・心理的な変化の時期です。この変化を乗り越えるためには、食事の改善が非常に重要です。
更年期に入ると、食の好みが固定化しやすく、新しい食材や料理を試すことが減少する傾向があります。
この結果、必要な栄養素が不足し、更年期の症状が悪化することが考えられます。
また、この時期は生活習慣病のリスクも高まるため、食生活の見直しは必須です。
女性の場合、大豆製品は特におすすめです。大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンと似た働きを持ち、更年期の症状緩和が期待されます。
また、骨密度の低下を防ぐためには、カルシウムやビタミンD、Kの摂取も重要です。
具体的には、牛乳、乳製品、小魚、モロヘイヤ、干ししいたけ、紅鮭、きくらげなどがおすすめです。
男性にとっては、亜鉛の摂取がキーとなります。亜鉛は、テストステロンの生成をサポートし、疲労感の軽減にも役立ちます。亜鉛を多く含む食品として、カキ、魚介類、海藻類、ナッツ、レバーなどが挙げられます。
さらに、亜鉛の吸収を助けるビタミンCや、免疫力を維持するためのビタミンB群、C、Eも意識して摂取しましょう。
食事のバランスを整えることは、更年期の症状を和らげるだけでなく、全体的な健康維持にも寄与します。
低エネルギーで脂肪分の少ない食事を、規則正しく摂ることを心がけることが大切です。
毎日の食事を通じて、必要な栄養素をしっかりと摂取し、更年期を健やかに過ごしましょう。

漢方薬

更年期障害は、多くの人が経験する生理的・心理的な変化の時期です。
この変化を乗り越えるためには、漢方薬の力を借りることが一つの方法として考えられます。
近年、漢方薬は多くの薬局やドラッグストアで手軽に購入できます
しかし、どの漢方薬を選べば良いのか、副作用はないのかといった疑問や不安を持つ方も少なくありません。
そこで、専門の漢方薬剤師に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
更年期障害の症状は、気・血・水の3つの柱が不均衡になることで引き起こされています。
そのため、これらのバランスを整えることが症状の改善に繋がります。
例えば、「加味逍遙散」は、のぼせやイライラ、ホットフラッシュなどの症状におすすめです。
この漢方薬は、気・血・水の3つの柱を整える可能性があり、更年期障害だけでなく、月経不順やPMS症状にも対応します。
「柴胡加竜骨牡蛎湯」は、不安感や動悸、不眠などの神経症状におすすめです。
特に、不安や恐怖感が強い方や、体格がしっかりしている方におすすめです。
「加味帰脾湯」は、心身の疲れや胃腸の弱さを感じる方に適しています。
気と血を補い、体のバランスを整えます。
漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。

まとめ

まとめここまで更年期障害の始まる年齢はいくつくらいなのかについてお伝えしてきました。更年期障害の始まる年齢はいくつくらいなのかの要点をまとめると以下の通りです。
・更年期障害には、エストロゲンの変動だけでなく、加齢や心理的要因、さらには日常の人間関係など、多様な要因が複合的に関与している
・40代後半から50代前半にかけて、更年期特有の症状が現れやすくなる
・更年期障害をうまく乗り切るためには、ストレス発散や生活や食事を改善するのがおすすめ。また、漢方薬の力を借りることも一つの方法
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

この記事の監修医師