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慢性膵炎の症状・原因とは?

慢性膵炎(読み方:まんせいすいえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
河島 祥彦 医師(医療法人河島医院 理事長)

慢性膵炎とは

慢性膵炎は膵臓の細胞が少しずつ破壊され、非可逆的に線維化して膵臓が固くなり、膵臓の形が変形したり、膵液の通る主膵管が狭くなったり、閉塞(へいそく)したりする病気です。慢性的な痛みがあり、膵酵素の内分泌、外分泌に障害がおこります。たび重なる急性的な増悪や、軽度の腹痛症状に終始するものまで症状は様々です。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/pancreas/pancreas_03.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
急性膵炎の原因はアルコールの場合が多いですが、慢性膵炎は原因不明の場合も多く、アルコールが原因と断定できるケースばかりではありません。ごくまれに、ストレスが原因で自律神経のバランスを崩して慢性膵炎を発症する場合もあります。また、発症する年代は50代や60代のみに集中しているわけではなく、どの年代の方でも慢性膵炎になる可能性はあります。

慢性膵炎の症状

慢性膵炎の早い時期では腹痛や背部痛が主な症状です。その他、吐き気や嘔吐、腹部膨満感、腹部重圧感などがあります。破壊が繰り返されて萎縮が高度になると腹痛は軽減することが多いようです。その分、膵臓本来の働きが弱くなるので、消化酵素の分泌が低下して体重減少、脂肪便、下痢などの症状が、インスリンの分泌が低下して糖尿病の症状が起こることがあります。
強い腹痛とともに急性膵炎と同様の状態になることがあり急性増悪と言います。わずかなアルコールの摂取でも急性増悪の契機になります。暴飲暴食、またテンプラやカツなどの揚げ物、クリームやチョコレートなどの脂肪食も引き金になりやすいことが知られています。

引用:寿製薬
https://ssl.kotobuki-pharm.co.jp/guide/guide03-33

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
慢性膵炎の症状は患者さんによって個人差が大きいことが特徴で、なかには自覚症状がまったくない方もいらっしゃいます。医療機関を受診される方は上腹部痛や背部痛を訴えることが多くなっています。少なくとも上腹部や背部に慢性的な痛みか、食事に伴う痛みを感じているケース、また脂肪性の下痢が続いているケースなどは、慢性膵炎を疑ってみる必要があるでしょう。消化器疾患の専門機関を受診して、慢性膵炎になっていないかチェックしてみることをおすすめします。糖尿病の方は合併症の予防が最も重要ですが、代表的な合併症の神経障害、網膜症、腎症だけでなく、慢性膵炎を合併するケースもありますので、予防や早期発見を心がけましょう。

慢性膵炎の原因

慢性膵炎の原因は、男性では飲酒が最も多く、女性では原因不明の特発性が多くみられます。

日本肝胆膵外科学会
http://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=17

慢性膵炎の検査法

主な検査は、腹部超音波検査、CT検査、内視鏡的逆行性胆膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatograpy:ERCP)、膵臓の消化酵素であるキモトリプシン活性の測定です。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/pancreas/pancreas_03.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
慢性膵炎の診断は日本消化器病学会が定めた診断基準に沿って行われます。慢性膵炎は人間ドックで発見される場合もあり、特に膵臓に石ができているケースでは、無症状の方でもCT検査や腹部超音波検査で病気が明らかになることがあります。慢性膵炎の検査は外来で日帰りで実施できますので、医師の診察で慢性膵炎の可能性を指摘された場合は、病気が悪化して膵臓の機能が低下する前にチェックしておくことをおすすめいたします。

慢性膵炎の治療方法

慢性膵炎の治療は、禁酒、禁煙を行い、腹痛に対しては鎮痛剤や蛋白分解酵素阻害薬を使用します。膵管が細くなっている場合は、内視鏡を用いて膵管を広げたり、膵石がある場合は、内視鏡による除去や体外衝撃波結石破砕術を併用することもあります。これらの治療を行っても、痛みが治まらない場合は、手術を行います。慢性膵炎に対する手術は、膵管ドレナージ手術と膵切除術に分けられます。膵管ドレナージ手術は、拡張した膵管を切開して腸管とつなぎ、膵液を腸管に流して膵管内の圧を下げる手術です(下図)。また、膵管の拡張がない場合は、膵管の狭窄が最も強い部位の膵切除術を行うこともあります。

日本肝胆膵外科学会
http://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=17

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
治療中は体調管理のために食生活にも気をつけましょう。油っこいもの、辛いもの、甘いもの、カフェインなどを日常的に多く摂取している方は、この機会に食生活を改めてみてください。軽度の慢性膵炎で、膵臓の機能がある程度維持されている方であれば、内服薬による治療が可能です。その他の治療法としては内視鏡を使う方法もあり、狭くなった膵管の拡大や膵管内の石の除去などが可能です。しかし、内視鏡治療は高度な技術を要するため、実施している医療機関は限られています。


この記事の監修ドクター

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長河島 祥彦 医師 医療法人河島医院 理事長

PROFILE

昭和58年3月 関西医科大学医学部医学科卒
昭和58年5月 医師免許証取得
昭和58年5月 関西医科大学附属病院 内科ローテーション(研究医員)
昭和59年5月 関西医科大学附属病院 第3内科研究医員
昭和60年1月 済生会兵庫県病院 内科(出向)
昭和61年2月 関西医科大学第3内科 研究医員(帰向)
平成2年2月 医学博士号取得
平成2年7月 関西医科大学附属病院 第3内科助手
平成6年9月 医療法人河島医院 副院長
平成15年7月 関西医科大学附属病院 消化器肝臓内科非常勤講師
平成17年10月 医療法人 河島医院 院長
平成18年3月 医療法人 河島医院 理事長