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機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)の原因・症状・治療方法 2018.04.16

機能性胃腸症(読み方:きのうせいいちょうしょう/機能性ディスペプシア)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
河島祥彦先生 (医療法人河島医院 理事長)

機能性胃腸症とは

機能性胃腸症(non-ulcer dyspepsia:NUD)とは、一般的検査では胃の粘膜にただれなどの器質的(組織)的変化が認められないのに、胃の痛みをはじめとした症状(腹部膨満感、吐き気・おう吐、食欲不振、胃のもたれ、胸やけなど)を示す症候群で、最近の一年間で合計12週以上続くものをいいます。
引用:みやけ内科、循環器科
http://www.miyake-naika.or.jp/03_katei/otona_kinouseiichouen.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
機能性胃腸症は機能性ディスペプシアとも呼ばれ、逆流性食道炎や胃潰瘍など他の消化器疾患の可能性を排除して初めてたどり着く診断です。機能性胃腸症を発症しやすいタイプは、ストレスに弱い方、神経質な方、うつ傾向の方などです。特に珍しい病気ではなく、発症しやすい年代にも偏りがないため、若い方から高齢者までどの年代でも発症する可能性があります。

機能性胃腸症の症状

主な症状は「食後のもたれ感」「少し食べるだけでお腹一杯になる」「みぞおちのあたりの痛み」「胸焼け」や「吐き気、げっぷ」など非常に多彩です。ご本人にとって多くの症状はとてもつらく、生活の質を大きく低下させてしまいます。
引用:厚木胃腸科医院
http://www.atsugi-ichouka-dc.com/dyspepsia/

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長ドクターの解説
胃の痛みとは、食後に胃のもたれが辛いと感じたり、少し食べただけですぐに胃がいっぱいになるような感覚があったり、みぞおちの痛みや焼けるような感覚のことを指します。また、機能性胃腸症は胃の痛みだけでなく腸の症状を呈する場合もあります。具体的は、下痢をしやすくなる、すぐに便秘になるといった便通異常です。主な症状が腸に出ている場合は「過敏性腸症候群」と診断されますが、実際には機能性胃腸症と過敏性腸症候群を併せ持ったような症状の患者さんもいらっしゃいます。

機能性胃腸症の原因

胃の運動機能障害、知覚過敏や心理的・社会的要因などが原因で症状が起こると考えられています。
引用:アステラス製薬 なるほど病気ガイド
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/fd/basicinformation00.html

機能性胃腸症の検査法

FDは「腹部症状が慢性的に続いているにもかかわらず、症状の原因となる異常が見つからない病気」です。
すなわち、胃の痛みや胃もたれなどの自覚症状があることと、胃がんや胃潰瘍などの病気が内視鏡検査などで見つからない場合に診断されます。「腹部症状」とは、胃の痛みや胃もたれに代表される症状で、患者さんによってさまざまな言葉で表現されます。専門的には食後のもたれ感、早期飽満感(食事開始後すぐにお腹がいっぱいに感じられ、それ以上は食べられなくなること)、心窩部痛、心窩部灼熱感(みぞおちの焼けるような感じ)などに分類されます。このような症状が慢性的に生じている場合にFDと診断します。
引用:日本消化器学会
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/fd_2.html#q4

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
上記の原因のほか、まだはっきりとは解明されていませんが、胃の粘膜に生息して炎症を起こすピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染したことが原因で機能性胃腸症になる場合もあります。内視鏡検査を実施して感染を疑うような所見があれば、ピロリ菌検査を行います。ピロリ菌検査は、内視鏡で胃の粘膜を採取して培養したり、便からピロリ菌抗原を測ったりといくつかの方法があります。ピロリ菌検査の結果が陽性の場合、まずは除菌を行って機能性胃腸症の症状が改善するかどうかを見ることになります。

機能性胃腸症の治療方法

機能性ディスペプシアが考えられる場合、治療の第1歩となるのが、自分でできる対策です。
特に重要なのは、胃に負担をかけない食べ方。食事はゆっくりよくかむように心がけ、お腹いっぱい食べずに腹八分目にします。食べてからすぐ活発に動くのは消化に悪いので、休憩を30分間とるなどしてすぐ動き回らないようにします。食事の内容を気にしすぎるとかえってストレスになるため、常識的な内容であれば、あまり気にしないほうがよいでしょう。
また、自律神経の働きを高めて、自律神経を元に戻すことも大切です。そのためには、十分な睡眠をとり、ウォーキングなど適度な運動を行い、禁煙することが大事です。こうした対策を1週間続けても改善がみられなければ、消化器内科など、早めに医療機関を受診してください。
引用:NHK健康チャンネル
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_287.html

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長監修ドクターのコメント
機能性胃腸症の治療は、入院や手術の必要がありません。検査も外来で日帰りで実施できますので、思い当たる症状があれば悩まずに消化器疾患を扱う医療機関を受診していただくといいでしょう。機能性胃腸症が治癒するまでにかかる期間は、患者さんによってまちまちです。胃酸を抑える薬を服用してもなかなか改善しない方が、抗うつ剤を服用するとすぐに症状が改善したという例もあるので、原因に対応する薬を試しながら効果を検証していくことになります。ピロリ菌の除菌も薬の服用となります。また、治療と並行して基本的な生活習慣を改善することも重要です。規則正しい生活を心がけていただき、特に食生活では過食や早食い、深夜に食事をとるといった習慣を見直してみてください。


この記事の監修ドクター

河島祥彦先生 医療法人河島医院 理事長河島祥彦 医師
医療法人河島医院 理事長

PROFILE

昭和58年3月 関西医科大学医学部医学科卒
昭和58年5月 医師免許証取得
昭和58年5月 関西医科大学附属病院 内科ローテーション(研究医員)
昭和59年5月 関西医科大学附属病院 第3内科研究医員
昭和60年1月 済生会兵庫県病院 内科(出向)
昭和61年2月 関西医科大学第3内科 研究医員(帰向)
平成2年2月 医学博士号取得
平成2年7月 関西医科大学附属病院 第3内科助手
平成6年9月 医療法人河島医院 副院長
平成15年7月 関西医科大学附属病院 消化器肝臓内科非常勤講師
平成17年10月 医療法人 河島医院 院長
平成18年3月 医療法人 河島医院 理事長