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アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の症状・原因・治療方法 2018.06.29

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
木村 隆 医師(きむら眼科 院長)

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)とは

アトピー性皮膚炎の眼合併症としては、網膜剥離と白内障が有名です。 併発するアレルギー性結膜炎のためいつもかゆみがあり眼をこするので、繰り返し目に衝撃を与えることによって白内障が発生するともいわれています。 また、アトピーの人は、網膜剥離になる可能性もあります。

引用:本橋眼科クリニック
http://moto-eye-cat.com/cataract.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
目の仕組みは、よくカメラに例えられますが、白内障は目の中でレンズのような役割をしている水晶体が白濁して視力に異常をきたす病気です。また網膜剥離とは、目の中でフィルムのような役割をしている網膜が剥がれて視力を低下させてしまう病気です。アトピー白内障やアトピー網膜剥離を予防するためには、眼科で定期的に検査を受けることが一番ですが、現状ではこれらの病気を未然に防ぐための皮膚科と眼科の連携は十分とは言えないでしょう。アトピー網膜剥離は、かゆみから目の周りの皮膚を叩くように激しくかいてしまい強い衝撃を与える場合もありますので、お気をつけください。

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の症状

アトピー性白内障の場合は、一般の加齢性によるものとは違い、若年層で発症することが多く、比較的早い段階から見えづらさや霞んだ症状が出ることがあります。

引用:宮原眼科医院
https://www.eyedoctors.jp/ecpmb/operation/opecat.html

アトピー網膜剥離は周辺網膜だけが剥離してゆっくり進行するタイプが多く、初期には自覚症状がほとんどないことがあります。アトピー網膜剥離の患者さんの多くは白内障を合併していて、まぶしい見え方や軽い見にくさが白内障だけによるものと患者自身も眼科医も判断して診断が遅れることがあります。

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/29/10.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長ドクターの解説
アトピー白内障もアトピー網膜剥離も、適切な時期に手術を受ければ、直ちに失明するような病気ではありません。また、アトピー白内障とアトピー網膜剥離は併発しているケースもあります。アトピー白内障があると、網膜剥離の兆候の一つである飛蚊症(視界に虫のようなものが動いているように見える症状)を感じにくくなるため、白内障の手術を受けた際に初めて網膜剥離が見つかるケースも少なくないのです。

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の原因

どうしてアトピー性皮膚炎に合併するのかはわかりませんが、皮膚炎にかかっている時期が長いほど、また顔の皮膚症状が重いほど白内障を合併する率が高いといわれます。

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/29/06.html

アトピー性皮膚炎の発症にアトピー素因があるように、網膜が生まれつきもろかったり、慢性の炎症があったりするなどの、遺伝的あるいは内的な要因がかかわっているともいわれていますが、明らかではありません。むしろ網膜剥離の患者さんには、顔、特に目のまわりの皮膚炎が重症な人が多く、かゆいあまり何度もくり返してまぶたをこすったり叩いたりすることが原因か、あるいは最も大きな誘因であろうと考えられています。

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/29/09.html

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の検査法

視力検査、眼圧検査、眼底検査、全身検査(採血、胸部レントゲン、心電図)などの一般的な検査を行います。また手術前には、角膜(角膜内皮細胞)の検査、眼に合う眼内レンズを選ぶために眼軸長の測定が必要になります。また眼内レンズは一か所にピントが固定されているので、手術前に医師と相談してライフスタイルに合った度数を選んでいただきます。

引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-031.html

網膜剥離の原因を調べるためには、眼底検査が必須となります。原因疾患によっては蛍光眼底造影検査などの他の特殊検査が必要になることがあります。

引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-037.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
いずれの病気も眼底検査を実施します。眼底検査は目の奥(眼底)や水晶体の状態を詳しく確認するために、散瞳薬を点眼して散瞳(瞳孔開いた状態にすること)しますが、散瞳するとピントの調節が効かなくなります。このため、眼底検査を受けたあとは車やバイクなどの運転は厳禁となりますので、注意が必要です。また、白内障の程度が強く眼底検査が不十分な場合には超音波検査なども行います。眼底検査をはじめ、ここに挙げられた検査は全て日帰りで実施できるものです。

アトピー性皮膚炎による眼の病気(白内障と網膜剥離)の治療方法

日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせますが、症状を改善したり、視力を回復させたりするためには手術が必要になります。手術方法は主に濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工レンズ(眼内レンズ)を挿入する方法で行われています。白内障が進行している場合は、水晶体核を丸ごと取り出すこともあります(水晶体嚢外摘出術)。

引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-031.html

裂孔原性網膜剥離の場合は早期の手術治療が必要となります。手術方法としては、強膜内陥術と硝子体手術がありますが、年齢、裂孔の位置や大きさ、網膜剥離の程度や範囲により適切な方法を選択します。 非裂孔原性網膜剥離の場合は、原疾患に対する治療を行います。

引用:関西医科大学総合医療センター
http://www.kmu.ac.jp/takii/visit/search/sikkansyousai/d22-037.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
アトピー白内障の手術で、水晶体の一部を取り除いたあと目の中に人工レンズ(眼内レンズ)を挿入すると、光が通るようになって視界がぼやけるような症状は解消されますが、ピントの調節が効かなくなります。本来の水晶体は毛様体筋という筋肉によって厚みが調整されてピントを調節していますが、人工レンズではそれができなくなるのです。このため手術後はめがねをかける必要があります。また、手術後1週間程度は感染症に細心の注意を払ってください。目を手で触らないことは当然ですが、手術後1週間程度はシャンプーが目に入るのを防ぐために自分で髪を洗わないよう指導されるケースが一般的です。白内障の手術を受ける方の中には、シャンプーできないことを踏まえて、夏場の手術は避ける方もいらっしゃいます。


この記事の監修ドクター

木村隆 医師 きむら眼科 院長木村 隆 医師
きむら眼科 院長

PROFILE

杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院入局。今泉眼科病院、馬詰眼科(福生市)勤務を経て、平成21年4月にきむら眼科開業。平成26年12月、現在の場所(八王子市)に移転。