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ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の症状や原因、治療方法をご紹介

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)(読みかた:どらいあい(かんせいかくけつまくえん、るいえきげんしょうしょう))とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
小島 孚允医師 小島眼科医院 院長


 

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)とは

涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。現在、日本では約800~2,200万人ものドライアイの患者さんがいるといわれ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり年々増加傾向にあります。

引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_dryeye.jsp

小島 孚允医師 小島眼科医院 院長監修ドクターのコメント
目には一定量の涙がいつも分泌されていて、瞬きにより目の表面を均等に潤しています。涙は表面側から、油層、水層、ムチン層という3層の成分で成り立っていてこれらがバランスよく分布していることにより、水分の蒸発を防ぎ潤いを保っています。「ドライアイ」は、この涙の量が不足したり、成分のバランスが崩れたりすることで目が乾燥するために生じる疾患です。



 

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の症状

目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じます。目を使い続けることによる視力の低下も起こります。

引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_dryeye.jsp

小島 孚允医師 小島眼科医院 院長監修ドクターのコメント
初期には目が疲れやすい、目に乾燥感があるなどの症状があります。目に異物が入った覚えがないのにゴロゴロ異物感を感じたらドライアイかもしれません。病状が進行するとともに目に不快感や違和感が強くなります。角膜の上皮が障害されて「点状表層角膜症」となり、ものがかすんで見えて、日の光をいつも以上にまぶしく感じることもあります。程度の差はあっても通常両眼に発症します。



 

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の原因

ドライアイの原因は涙の異常です。ただし、その背景は複雑です。内科的疾患から起きるものや、角膜移植などの目の手術に伴うもの、服用している薬の副作用でも起きます。

一般的なドライアイは、環境要因が大きいと考えられています。現代人は涙が減少傾向にある、という報告もありますが、この原因は不明です。加えて、現代社会は涙を乾かす要因に満ちていることがあげられます。 パソコンやテレビ、ケータイ画面などのモニターを見続ける生活により、まばたきが減少して涙が乾きやすくなります。室内の 冷暖房などの空調により室内が乾燥しがちです。 また、涙の分泌は副交感神経(リラックスしたとき)に支配されており、交感神経優位(緊張時)には減少するメカニズムがあります。現代人はさまざまなストレスにより涙の分泌が抑制されているのではないかという考えもあります。
さらにコンタクトレンズの長期・長時間装用や、夜型の生活、食生活の変化、運動不足など、ライフスタイルの関与も指摘されています。
加齢にともなう涙量の減少や安定性の低下なども指摘されています。
シェーグレン症候群などの自己免疫疾患や、スティーブンスジョンソン症候群などの病気により涙腺が破壊されて、涙がほとんど出なくなり引き起こされる重篤なドライアイもあります。
引用:ドライアイ研究会
http://www.dryeye.ne.jp/dryeye/etiology.html

小島 孚允医師 小島眼科医院 院長監修ドクターのコメント
ドライアイの発症には環境的要因が大きく関与します。パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間凝視する作業を続けると、瞬きの回数が少なくなるために目が乾燥してドライアイが生じます。目の乾燥感以外に目の疲れや痛み、視力低下、頭痛、肩こり、食欲不振などさまざまな症状の原因となります。これはいわゆる「テクノストレス眼症」または「VDT(パソコンなどの端末画面)症候群」といわれる現代特有の疾患です。その他エアコンの使用による空気の乾燥、コンタクトレンズの長期装用、屈折矯正手術(レーシック)もドライアイの要因となります。
一方、年齢を重ねるとともに涙液の分泌が減少するので、加齢もドライアイの要因となります。性別では女性に多い傾向があります。
「シェーグレン症候群」といわれる病気では、涙液と唾液の分泌が低下して目と同時に口内も乾燥します。シェーグレン症候群は自己免疫疾患の一つで、重症なドライアイとなることがあります。



 

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の検査法

シルマー試験
涙の量を調べる検査で、専門のろ紙を瞼の縁にはさんで、5分間でどのくらいの長さが濡れるかを調べる検査です。

顕微鏡検査
スリットランプと呼ばれる顕微鏡を使って、フルオレセインという染色液を少量点眼することがよく行われます。
傷があるとその部分が染まって見えます。また、同じ染色液で涙の安定性を調べる検査(涙液層破壊時間:BUT検査)同時に行われます。瞬きをしないで目を開けたままにして、涙の層がどのくらいの時間で乱れるかを調べる検査です。

いずれの検査も外来で行われ比較的短時間で終わり、強い痛みなどは感じません。
引用:ドライアイ研究会
http://www.dryeye.ne.jp/dryeye/inspection.html

小島 孚允医師 小島眼科医院 院長監修ドクターのコメント
細隙灯顕微鏡で角膜上皮障害の有無や涙が角膜表面に保持されているかどうかを判定します。フルオレスセインという色素で角膜を染めるとこれらの状態を的確に検知することができます。涙の分泌量は「シルマー試験」という方法で測定されます。細長い濾紙を5分間にまぶたに挟んで測定する方法です。涙の量が基準を下回っている場合は、ドライアイの診断になります。



 

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の治療方法

保湿のための点眼(ヒアルロン酸入りの点眼など)のほか、近年では「涙点プラグ」 いう治療が保険適応となり、一般的になりつつあります。これは、涙の排出口となる目頭の涙点を小さなシリコーン製の栓でふさぐことで、涙を貯める治療で す。目薬には涙と同様の成分は含まれませんので、自分の涙を貯めることは涙が減少しているタイプのドライアイには有効です。涙の安定性がわるい例でも、涙点プラグで一時的に涙を貯めることで安定性が改善されることもあります。

引用:ドライアイ研究会
http://www.dryeye.ne.jp/dryeye/therapy.html

小島 孚允医師 小島眼科医院 院長監修ドクターのコメント
減少した涙そのものを増やすことはできないので、点眼薬で涙を補完する治療を行います。点眼薬には、人工涙液、ヒアルロン酸製剤、涙液内層にあるムチンの産生を増やす点眼薬などがあり、症状に応じて使い分けます。点眼薬で効果がない場合は涙点プラグという材料を用いて目元にある涙点(涙の排泄口)を塞いで、少しでも分泌されている涙を目に貯める治療を行います。重症なドライアイには有効な方法です。ドライアイには大なり小なり上述のような環境要因が発症、進行に関与しているので、いずれにしろ環境の改善を図ることが重要です。VDT作業を長時間連続して行うことは避ける必要があります。空気が乾燥する季節は加湿器を使用し、湿度を十分保つことも大切です。コンタクトレンズは医師と相談して最小限の使用にします。目を酷使せずできるだけ休ませることを心がけます。



 

この記事の監修ドクター

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