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リウマチの治療ってどんなことをするの?

一般には治らないとされているリウマチ。だとすれば、治療の目的はどこにあるのだろう。この点について、昭島リウマチ膠原病内科の吉岡先生は、「寛解(かんかい)を目指すことだ」と話す。寛解とは何か、治った状態とは何が違うのか。リウマチの専門医師に、詳しく解説していただいた。

監修医師
吉岡 拓也(昭島リウマチ膠原病内科 院長)

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聖マリアンナ医科大学 医学部医学科卒業、聖マリアンナ医科大学大学院 医学研究科修了。聖マリアンナ医科大学病院、同横浜市西部病院、町田市民病院勤務を経た2017年、東京都昭島市に「昭島リウマチ膠原病内科」開院。患者へ寄り添い、人生を楽しく前向きに送れるよう努めている。医学博士、聖マリアンナ医科大学リウマチ膠原病アレルギー内科非常勤講師。日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。

 

リウマチは全身の疾患である

編集部編集部

まず、リウマチという病気について教えてください

吉岡先生

一般には、関節の炎症とともに軟骨や骨が破壊され、関節の変形を起こしてしまう病気のことです。しかし、肺のような全身の臓器にも影響を及ぼすことがあります。

編集部編集部

リウマチの原因は何なのでしょう?

吉岡先生

免疫システムの異常により、自分の体を破壊してしまうことが原因です。免疫が関係してきますから、基本的には全身疾患です。ただ、関節の部分に、その影響が現れやすいということです。

編集部編集部

一般的な関節炎とは違うのですか?

吉岡先生

違います。変形性関節症や加齢による関節炎は、関節へ負荷がかかりすぎて、すり減ることによって発症します。対する関節リウマチは、負荷がかかっていなかったとしても、自分で自分を壊してしまうのです。重篤な症例では、関節が「虫食い状態」のように破壊されていることもあります。

編集部編集部

リウマチで、指が曲げられない人を見かけますが?

吉岡先生

破壊が軟骨まで進み、隣り合った骨を癒着させてしまったのでしょう。1つの骨のような状態になりますから、なかなか曲げられません。

編集部編集部

リウマチは、どのような人に多いのですか?

吉岡先生

30代から50代の女性に顕著です。男女比にすると、女性4人に対し、男性1人といったところでしょうか。60歳を過ぎると、男女比がほぼ等しくなってきます。


 

リウマチ治療の主流は投薬療法

編集部編集部

検査では、関節炎とリウマチをどう見わけているのですか?

吉岡先生

最も重要なのは問診です。リウマチの初期症状として、「指の動かしづらさ」「だるさ」「微熱」などが現れるからです。さらに採血検査やX線検査などの結果を加味し、総合的に診断していきます。

編集部編集部

「だるさ」や「微熱」が生じるのですね?

吉岡先生

体重が減る方もいらっしゃいます。先ほど言ったとおり、リウマチは全身疾患ですから、全身に症状が現れます。その点が関節炎と異なるポイントですね。

編集部編集部

どのような治療をするのでしょう?

吉岡先生

薬物療法運動療法が有効です。薬物療法では、免疫抑制作用のある「メトトレキサート」というお薬がファーストチョイスになります。しばらく投与してみて、副作用がなく、うまく炎症や痛みを押さえられていれば、そのまま続けて処方します。

編集部編集部

続けて、運動療法についてもお願いします

吉岡先生

運動療法の目的は、「関節を動かすこと」にあります。違和感があるからといって動かさないでいると、関節のこわばりや筋力低下を招いてしまうからです。痛くなる寸前でリハビリを繰り返していれば、そのうち可動域が広がってきます。

編集部編集部

薬が適応できないケースはありますか?

吉岡先生

「メトトレキサート」に関して言うと、肺や腎臓に不全が見られる方ですね。喫煙をしている方にもお勧めできません。ちなみに、リウマチと喫煙の間には、強い関連性があるとされています。免疫の異常を、より起こしやすいんですね。そのような場合は、ほかのお薬を検討します。

編集部編集部

治療の費用体系について教えてください

吉岡先生

「メトトレキサート」は保険の適用が可能で、1回の処方につき、3割負担を前提として、1万円に届かないくらいです。「メトトレキサート」ではうまくいかず、別の生物学的製剤を使う場合、3割負担でも1回5万円前後します。


 

リウマチ治療のゴールである「寛解」とは

編集部編集部

治らない場合もあるのでしょうか?

吉岡先生

基本的には治りません。治療の目的は、日常生活に折り合いをつけられる「寛解」へ至ることです。「治る」とは、お薬などを服用しなくても症状が出ないこと。「寛解」とは、お薬をのみ続けることで、生活機能を維持することです。実際に治療を始めて、症状がほとんど出なくなった方も少なくありません。

編集部編集部

手術はどうなのでしょう?

吉岡先生

昨今のリウマチ治療は、「手術へ至る前に、投薬で進行を止める」のが主流です。早期であればあるほど、痛みや違和感のない均衡状態がつくりだせます。

編集部編集部

受診の目安となる自覚症状は?

吉岡先生

関節のこわばりや動かしづらさのほか、発熱などです。朝起きた時がもっとも症状の出やすいタイミングなので、心当たりのある方は、意識してみてください。発熱の場合、カゼや更年期障害と勘違いされてしまうのですが、関節に違和感などを覚えたら、リウマチかもしれません。

編集部編集部

見逃してしまいそうです、コツはありますか?

吉岡先生

痛みや腫れなどは、指の第2関節によく出ます。腰や膝といった「大きな関節」よりも、指や手首といった「小さな関節」に顕著です。また、リウマチの諸症状は午後になると引いてくる事が多いので、その点も目安になります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば

吉岡先生

リウマチに有効とされるお薬「メトトレキサート」が日本国内で使えるようになったのは、1999年になってからです。それ以前に受診し、治療をあきらめていた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、再受診を検討してみてはいかがでしょうか。


 

編集部まとめ

吉岡先生は、「寛解により、日常生活の不便を全く感じなくなった方も少なくない」と話されていました。その境目は、どうやら、早期治療開始にあるようです。抗リウマチ薬は劇的な進歩を遂げているそうなので、あきらめずに、受診してみてはいかがでしょうか。


 

医院情報

昭島リウマチ膠原病内科

昭島リウマチ膠原病内科
所在地 〒196-0024 東京都昭島市宮沢町495-30
アクセス JR「昭島駅」より徒歩10分
JR「中神駅」より徒歩7分
診療科目 リウマチ科・膠原病内科・アレルギー科

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