お菓子をたくさん食べるとニキビができやすくなるのってなんで?

公開日:2021/06/15  更新日:2021/06/25

スナック菓子を食べた数日後、吹き出物がガッツリできている……。そんな印象を受ける食べ物と肌荒れの関係ですが、ひょっとしたらなにか別の問題ではないでしょうか。お菓子とニキビの間には明確な因果関係があるのか。この謎を、「松井クリニック」の松井先生が紐解きます。
松井 潔

監修医師
松井 潔(松井クリニック 院長)

プロフィールをもっと見る

北里大学医学部卒業。横浜市立市民病院、北里大学病院救命救急・災害医療センター、湘南鎌倉総合病院などへの勤務を経た2000年、横浜市都筑区に「松井クリニック」を開院。同時に医療法人松井会松井クリニックの理事長へ就任。現在、プライマリ・ケアから高度難治医療まで幅広い地域医療に努めている。日本形成外科学会専門医。その他、各種関連医学会の会員。

医学界でも結論が出ていない“おかし”な話題

医学界でも結論が出ていない“おかし”な話題

編集部編集部

お菓子とニキビの関係って、わかっていそうで謎に包まれています。

松井先生松井潔先生

お菓子とニキビの因果関係は、普通に考えたらありそうな話です。お菓子は脂肪分や糖分を多く含むので、皮脂の分泌が促されるようなイメージですね。しかし、医学的に結論づけられてはいません。むしろ、チョコレートに含まれるポリフェノールの抗酸化作用などが着目されています。

編集部編集部

たしかに、チョコレートを食べると、ニキビに直結するようなイメージがあります。

松井先生松井潔先生

そのためか、ニキビとチョコレートに関する研究は、現在に至るまで盛んになされているようです。しかし、「関連性があった」という報告と「関係性がみられなかった」という報告がともにあって、結論は出ていません。

編集部編集部

つまり、ほかの要因のほうが大きいということですか?

松井先生松井潔先生

そう思います。肌ケアの仕方、ストレス、睡眠不足、落としきれなかったメイクの詰まりなども挙げられますね。ほかにも、マスクをしていると肌が蒸れますし、摩擦による刺激も受けやすいですよね。加えて、口腔(こうくう)内の雑菌がマスク内に滞留します。また、ストレスとの関係でいえば、好きなお菓子を我慢してイライラするより、適量の摂取によって気分発散したほうがよっぽど健康的でしょう。

お菓子の前に、食事内容を問う

お菓子の前に、食事内容を問う

編集部編集部

さすがに、お菓子ばかりの偏食はよくないですよね?

松井先生松井潔先生

それはニキビに限らず、体がおかしくなっちゃいますよ。そうした極論ではなく、栄養バランスのとれた食事が前提としてあって、そのうえでのお菓子を論じるなら、問題ないと考えていいでしょう。それに、三度の食事の中にも脂肪分や糖分は含まれますから、お菓子だけを標的にする理由がありません。

編集部編集部

食事の栄養バランスも大切ですよね?

松井先生松井潔先生

もちろんです。例えば油分は、肌バリアに欠かせない成分の一つです。「脂っこいものを一切食べるな」と言うつもりはなく、逆に、食事でしっかりとってください。エネルギーの素となる糖分も同様です。

編集部編集部

ただ、栄養バランスのよい食事と言われても、素人には難しすぎます。

松井先生松井潔先生

参考までに、厚生労働省が「毎日の食生活チェックブック」を公表しています。かなり細かなところまで作りこまれたチェックシートなので、活用してみてはいかがでしょうか。加えて言うなら、食事の「量」もバランスをとってください。食べすぎでも減らしすぎでもよくなく、体調不良などを起こしたら本末転倒です。
参考:厚生労働省「毎日の食生活チェックブック」

編集部編集部

スナック類とは別に、機能性表示食品のお菓子なども市販されていますが?

松井先生松井潔先生

さすがに、一口、二口の摂取量は、気にしなくてもいいのではないでしょうか。要は、「体にも心にも負担をかけない、楽な食生活」を送りましょう。ただし、喫煙だけは例外で、間違いなく体にも肌にも毒です。お酒に関しては、たしなむ程度なら構いません。

勝手な思い込みは避け、皮膚科で正しい情報を

勝手な思い込みは避け、皮膚科で正しい情報を

編集部編集部

もし、ニキビができてしまったら、保険での治療はできるのでしょうか?

松井先生松井潔先生

保険の適用が認められている治療方法もあります。
イオウ・カンフルローション」というローション状の塗り薬が代表格でしょうか。ほか、抗生剤、ビタミン剤、漢方薬の処方にも保険が認められています。

編集部編集部

ピーリングや特殊な治療になってくると自費ですよね?

松井先生松井潔先生

審美目的のクリニックの場合、自費診療しか扱っていないこともあります。まずは、保険診療を扱っている皮膚科にご相談いただきたいですね。個人的には、保険診療と自費診療の別というより、生活環境の見直しが“基本”だと考えています。

編集部編集部

市販薬に頼る方法はどうでしょう?

松井先生松井潔先生

香料や保存料などに含まれている成分によっては、肌への刺激が懸念されますね。否定はしないものの、個人の症状に合わせて判断している処方薬のほうがベターでしょう。皮膚へのトラブルも少ないと思われます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

松井先生松井潔先生

皮膚科の医師なら、正しい洗顔方法やスキンケア方法のご相談に乗ることができます。例えば「摩擦を避ける」という正しい知識があるだけで、市販品の見極めが自ら可能になるのではないでしょうか。みなさまの肌質に合わせて、アドバイスいたします。

編集部まとめ

お菓子とニキビの関係は、現在においても解明中とのことでした。長らく研究が進められている間に、ポリフェノールのような「プラス効果」も発見されてきたようです。しかし、これらの事実を、「お菓子をたくさん食べてもいい理由」にはしないでください。まずは食事で栄養バランスを満たし、そのうえで脂質や糖分が「多少、前後するくらい」なら許容範囲ということです。

 

おでこのブツブツの症状についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

 

医院情報

松井クリニック

松井クリニック
所在地 〒224-0034 神奈川県横浜市都筑区勝田町324-3
アクセス 横浜市営地下鉄「仲町台駅」 徒歩10分
診療科目 内科、小児科、皮膚科、形成外科、整形外科、美容外科