「ストレス痩せの特徴的な症状」は何かご存知ですか?医師が対処法も解説!

ストレスで痩せる人の特徴とは?メディカルドック監修医が主な特徴や症状、考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
ストレスとは?過度なストレスで起こる体調不良の例
明確な定義はありませんが、外部からのさまざまな刺激により心身が緊張状態となっている反応が「ストレス」です。このストレス状態が過度に持続すると、自律神経やホルモンなどのバランスが崩れてしまい、身体にさまざまな不調が出現することがあります。
例えば、ストレスが続くことで自律神経のバランスを崩し交感神経が優位な状態が続くことで心拍数や血圧の上昇、消化管機能の低下、筋緊張状態がみられます。このため、症状として動悸や頭痛、嘔気、胃痛、食欲不振、肩こり、不眠などさまざまな状態がみられることが多いです。また、消化器症状が強くなると、食欲が低下し、痩せてしまう方もいます。
ストレス痩せとは?
ストレス痩せのはっきりとした定義はありません。しかし、体重減少の基準として、「6~12か月の間に体重の5%以上の体重減少があった場合」と定義されることが多いです。意図しない(食事制限をしたわけではない)5%以上の体重減少があり、ストレスがかかっていると自覚があった場合には、ストレス痩せが疑われます。しかし、意図しない体重減少の中には、甲状腺機能亢進症やがんなどの悪性疾患の可能性もあるため注意をしなければなりません。ここでは、ストレス痩せの特徴、症状を説明いたします。
体重減少
意図しない体重減少が急に起こった場合、特に体重の5%以上減少した場合には、注意が必要です。特に1~3か月程度で体重の5%以上の体重があった場合には何か原因がある可能性があります。ストレス痩せ以外の病気の可能性もあるため、まず内科を受診して相談をしてみることが勧められます。
食欲が低下する
ストレスに伴い、急に食欲が落ちる、食事量が減っている場合には注意が必要です。ダイエット目的ではなく、食べたいという気持ちがなくなり、食欲が減ったり、食事を食べても気持ちが悪くなったり少ししか食べられなかったり、胃が痛くなり食べられなくなる場合もあります。
見た目の変化
食欲低下とともに、気力がなくなったり睡眠不足にも陥りやすくなります。健康的ではなくなり、見た目でも顔色が悪く見えたり、やつれて見えたり、肌がかさついたりすることもあります。栄養不足や睡眠不足などに伴うことが多いです。また、筋肉量が減り全体的にげっそりした印象になりやすいと言えます。
精神的な症状
見た目や体力的な面だけではなく、精神面でも変化することが多いです。ストレスにより不眠となる事もあり、また気分の落ち込みや、不安、いらつき、意欲の低下を合併することもあります。ストレスによりうつ病などの精神疾患を合併することも多いため、落ち込みが強かったり、何をしても楽しめない、仕事などに集中できないなどの症状もある場合には、うつ病の合併かもしれません。早めに精神科、心療内科を受診しましょう。
ストレスで痩せる人の特徴は?
ストレスで痩せやすい人はいくつか特徴があります。ここでは、ストレスで痩せやすい人の特徴についていくつかご紹介いたします。
ストレスを感じやすい気質
まず、ストレスを感じやすい性格がストレス痩せをしやすい特徴として挙げられます。真面目で完璧主義であったり、妥協することが苦手な場合や他人の言動を気にしやすく対人ストレスと抱えやすい人、責任感が強すぎて抱え込みやすい性格の方ではストレスを感じやすく、ストレスを受けたときに何かしら身体に反応が出やすいと言えます。
元々胃腸の調子が悪くなりやすい
ストレスを感じたときに、食べてストレスを発散する人もいますが、反対にストレスで食べられなくなる人もいます。ストレスで食欲がなくなりやすくなる人、ストレスで胃の痛みや吐き気などの胃腸症状が出やすい人はストレス痩せを起こしやすいです。
ストレスを抱え込みやすい傾向の人
ストレスがあった時に、我慢強く周囲に相談できずに自分で抱え込みやすい人、休んだり手を抜くことができない人、仕事や勉強などを優先して食事や睡眠を後回しにしやすい人ではストレスを抱え込みやすいです。そのため、ストレスを受けたときに、ストレスを抱え込みやすくストレスの影響を受けやすいと言えます。
ダイエットするつもりがないのに何キロ痩せたら注意すべき?
ダイエットをするつもりがなく、急に体重が減った場合、一般的に体重の5%以上痩せたら注意が必要です。例えば、50kgの人が2.5kg以上減った場合には注意をしなければなりません。
すぐに病院へ行くべき「ストレスで痩せる」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
ストレスで痩せて気分の落ち込みが強い場合は、精神科へ
ストレスで痩せてしまい、気分の落ち込みも強く、集中力もなくなっているような場合にはうつ病を合併している可能性があります。このような状態が続いている場合には、精神科や心療内科などの専門の診療科を受診して相談、治療を行うことが勧められます。
病院受診・予防の目安となる「ストレスで痩せる」ときのセルフチェック法
以下の症状がある場合は、病院受診や予防を検討しましょう。
- 体重の5%以上の減少が急激に起こる
- 不眠や、不安感が強い
- 動悸や血圧上昇などを伴う
- 食事がとれない
「ストレスで痩せる」症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「ストレスで痩せる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
慢性胃炎
慢性胃炎とは、胃の粘膜が慢性的に炎症を起こした状態です。慢性胃炎の大半はピロリ菌の感染により起こると考えられています。このピロリ菌の感染による胃炎は胃の出口付近(前庭部)から胃体部に広がる萎縮性胃炎が特徴です。このほかにも、自己免疫性胃炎や薬剤性の胃炎などもみられることがあります。
慢性胃炎の症状は、胃もたれや吐き気、食欲不振、胃痛などです。暴飲暴食や、カフェインやアルコールの過剰摂取、強いストレスが引き金になる事もあります。原因に心当たりがある場合には、食生活の見直しを行うことも大切です。また、慢性胃炎の原因がピロリ菌感染である場合、除菌を行います。ピロリ菌の除菌は胃がんの予防のためにも非常に大切です。
胃もたれや胃痛などの症状が持続する場合には、消化器内科で相談をしましょう。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、胃もたれやみぞおちの痛みが持続するにも関わらず、症状の原因となる胃がんや胃潰瘍などのはっきりとした病気が無い状態です。機能性ディスペプシアの患者さんは比較的多く、病院を受診したうちの約半数程度であると言われています。機能性ディスペプシアの患者さんでは、睡眠不足や運動不足、不規則な食事時間や高カロリー脂肪食などの偏った食事などの生活習慣の乱れが原因で症状がおこっている方もいます。まず生活習慣を改善するようにしましょう。それでも改善しない場合には、胃酸を抑える薬や胃の動きを改善する薬などを用いて治療をすることもあります。
症状が持続する場合には、消化器内科で相談をしてみましょう。
摂食障害
摂食障害とは、食事量や食べ方に関連した極端な行動による体の症状だけではなく、不安感などの精神的な症状がみられます。このため、心と体の両方に対する治療や支援が必要となる病気です。必要な量の食事が食べられない、食べ過ぎる、一旦食べた後に意図的に吐いてしまうなど患者さんにより症状が異なります。
摂食障害は10代~20代の若い方で多く、女性の割合が多いと言われていますが、誰でもかかりうる病気です。摂食障害となると、心身の成長や発達、健康面とともに人間関係や社会活動へも深刻な影響を与えることも多いです。摂食障害の症状に気がついたら、できるだけ早めに心療内科や精神科で相談しましょう。
適応障害
適応障害とは、外部のストレスにより引き起こされる心身の不調を言います。人間関係や仕事、学業の環境の変化などに上手く適応できず、うつ症状や不安、体の不調がみられ日常生活に支障が出ることも少なくありません。このために、学校や仕事に行けなくなったり、うつ症状が出たりと、社会生活に影響が出てきます。
適応障害に対しては認知行動療法や問題解決療法といったカウンセリングを行うことで症状が改善することも多いです。また、補助的に薬物治療を行うこともあります。
まず、このようにストレスから不安感や動悸、緊張、めまいなどさまざまな症状がおこり、社会生活に対しての困難さが起こっている場合には心療内科や精神科で相談をしてみましょう。
うつ病
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないと言った状態が続く場合、うつ病かもしれません。うつ病は、精神的なストレスや肉体的なストレスが重なる事などが原因となり、脳の機能障害が起きている状態です。精神症状とともに、不眠や食欲不振、疲れやすいなどの身体症状を伴い日常生活にも支障が生じやすいです。脳が上手く働かないために、物の見方が否定的となり、自分がダメな人間であると感じる様になってしまいます。
このような状態となった場合、悩みを自分で抱え込まず精神科や心療内科を受診して相談しましょう。早めに薬による治療や認知行動療法を行うことがうつ病の改善に効果があるとわかっています。早めに専門科で相談をしましょう。
「ストレスで痩せる」ときの正しい対処法は?
どうすればストレスで勝手に痩せるのを止められる?
元の原因がストレスからくるものであれば、まずストレスの軽減を図る必要があります。一人で抱え込まず、仕事の負担が多かったり、職場環境の問題がある場合には、周囲へ相談し、仕事や職場環境の負担を軽減させることも大切です。個人的な問題でのストレスの場合でも相談をしたり、リラックスできる環境となるように調整することも大切です。それでもストレスを感じ、調子を崩す場合には精神科や心療内科を受診して相談しましょう。
ストレスの健康的な解消・発散方法とは?
ストレスの軽減と発散をして、趣味や散歩、運動などで気分転換を図ったり、アロマや音楽鑑賞、ゆっくり入浴をしてリラックスできる様に環境を整えましょう。まず、深呼吸をすることもストレス解消の一つです。深呼吸をして、リラックスし、周囲に相談をして悩みを抱え込まないことが大切です。
ストレスで意図せず痩せてしまった体におすすめの食事は?
ストレスで痩せてしまった場合には、食事が十分に食べれていなかったリ、胃腸の調子を崩していることが多いです。そのため、まず消化の良いものから食べ始めるようにしましょう。お粥や煮込んで柔らかくしたうどん、良く煮込んだ野菜スープなどから食べ始めると良いでしょう。
「ストレス痩せの特徴」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレス痩せの特徴」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ストレスやせとは体重が何kg落ちた状態を指すのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
何kg以上体重が落ちたらストレス痩せというかという定義はありません。
しかし、一般的に痩せは体重の5%以上の体重減少がある時に問題となる事が多いです。ストレスで体重が5%以上減少した状態を一般的にストレス痩せと言ってよいでしょう。
ストレスで痩せる原因はなんでしょうか
伊藤 陽子(医師)
ストレスで食欲がなくなったり、ストレスにより胃腸の調子を崩して食事を摂ると嘔気や胃痛が出て食事が摂れなくなることが痩せる原因として考えられます。
ストレスで痩せる人の特徴を教えて下さい
伊藤 陽子(医師)
ストレスを感じやすい人、またストレスを受けたときに食欲が落ちやすい人、また胃腸の調子を崩しやすい人、ストレスを抱え込みやすい人はストレスで痩せやすいと言えます。
忙しくて心労・疲労が溜まり食が細くなっています。何科の病院で治療できるでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
忙しさで心労が溜まり食事が摂れない場合、まずそのストレスの軽減を図る必要があります。
そのため精神科や心療内科で相談するのが良いでしょう。しかし、胃痛があったり吐き気などが強い時、胃潰瘍や胃炎など胃腸の病気を併発している可能性もあります。胃腸の症状が強い場合には、消化器内科にも相談してみましょう。
仕事のストレスが強く体重が落ちてしまいました。意図的にハイカロリーな食事を摂るべきでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
ストレスで体重が落ちているときには、胃腸の調子も崩している可能性が高いです。
無理にハイカロリーな食事を摂るよりも、まず消化の良い食事から始めましょう。
まとめ ストレスで痩せたらまずストレスの軽減から
ストレスを感じやすく、抱え込みやすい人で胃腸の症状が出やすい人はストレス痩せをしやすいです。ストレスで痩せてしまう場合には、まずストレスの軽減、解消を図る必要があります。リラックスできる環境を整えるようにしましょう。自分だけでは難しい場合には、周囲に相談をしたり、精神科、心療内科を受診して相談することも大切です。その上で消化の良いものを摂取し、体調も整えましょう。
「ストレスと体重減少」の症状で考えられる病気
「ストレスと体重減少」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系
- 慢性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 機能性ディスペプシア
ストレスから胃腸の病気となる事もあれば、ストレスにより精神的疾患が起こり食事が摂りづらくなることもあります。いずれにしても、ストレスに対しての対策と胃腸の調子を整える治療の両面からの対応が必要となります。症状が続く場合には、精神科、心療内科、消化器内科を受診して相談をしましょう。
「ストレスと体重減少」に似ている症状・関連する症状
「ストレスと体重減少」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 食欲低下
- みぞおちの痛み
- 嘔気・嘔吐
- 下痢
- 不眠
ストレスによる体重減少がみられ、上記の様な症状がみられるときには胃腸の病気やうつ病などの精神的な病気がある可能性があります。症状が続く時には、消化器内科もしくは精神科、心療内科を受診して相談をしてみましょう。

