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「外に出ると体調が悪くなる」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が解説!

「外に出ると体調が悪くなる」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が解説!

外に出ると体調が悪くなるとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「外に出ると体調が悪くなる」症状で考えられる病気と対処法

外に出ると体調がすぐれないという経験はありませんか。症状の程度は様々ですが、中には日常生活に影響を及ぼすものも存在します。以下で解説いたします。

外に出ると体調が悪くなる症状で考えられる原因と対処法

外に出ると体調が悪くなる症状の場合、広場恐怖症の可能性が考えられます。これは強い不安に襲われた時に広い場所にいると、簡単に逃げられず助けを求めることもできないと考えてしまい、その状況自体に恐怖心を抱く状態です。場所の例としては、銀行やスーパーの行列に並ぶこと、公共交通機関を利用すること、映画館や教室など長い並びの中央にいること、というものがあります。
広場恐怖症を引き起こす典型的な状況でパニック発作を起こした後に、広場恐怖を発症するケースや、後になって初めてパニック発作を起こすなどパニック障害を合併することが多いです。
広場恐怖症はしばしば社会参加(通学や通勤)の妨げになり、重症例では家から出られなくなることもあるため、適切な治療が必要です。専門科は精神科です。緊急性はありませんが、一度でもパニック障害を経験した場合は、受診しておくことを勧めます。

夏に外に出ると体調が悪くなる症状で考えられる原因と対処法

夏の暑い時期に外に出ると体調が悪くなる症状のことを指します。この場合、熱中症の可能性が考えられます。熱中症とは、体温を正常に保つために汗をかくことで、体内の水分・塩分(ナトリウムなど)の減少し血流が滞るなどして、体温が上昇し重要な臓器が高温にさらされることで発症する障害と定義されています。
特徴的な症状として、立ちくらみ、こむら返り、脱力感、倦怠感、意識レベルの低下、けいれん、歩行障害などがあります。対策や予防としては、こまめな水分摂取とクーリングがあります。また、熱中症が疑われる状況になった場合は涼しい場所へ速やかに移動し、首や脇、鼠径部といった太い血管が体表近くを通る部位を冷やすことで、体温を低下させてください。
症状が改善しない場合は速やかに医療機関を受診しましょう。熱中症は命に関わる緊急疾患ですので、早急に受診するか救急要請も検討に入れてください。

すぐに病院へ行くべき「外に出ると体調が悪くなる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

意識障害を伴う場合は、救急科へ

外に出ると体調が悪くなり、意識障害を伴う場合は重症熱中症である可能性があります。意識障害とは、質問への返答がはっきりしない、日付を答えられない、大きく声をかけて呼びかけないと目を開けない、などといった症状のことです。前述の熱中症の項で、症状が改善しない場合は、と述べましたが、意識障害のある場合は緊急性が非常に高いです。この場合はすぐに救急要請を行なって、すぐに救命救急センターで治療を開始する必要があります。救急隊が到着するまでは前述の対応を行いましょう。

受診・予防の目安となる「外に出ると体調が悪くなる」ときのセルフチェック法

  • 外に出ると体調が悪くなる以外に息苦しい症状がある場合
  • 外に出ると体調が悪くなる以外に不安症状がある場合
  • 外に出ると体調が悪くなる以外に胸痛症状がある場合

「外に出ると体調が悪くなる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「外に出ると体調が悪くなる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

自律神経失調症

自律神経失調症とはその名の通り、自律神経の働きがうまくいかない状態です。そもそも自律神経とは交感神経と副交感神経の2種類に分かれます。私たちの体は、この2つの神経のバランスによって、運動時に心臓の鼓動を早くして筋肉に大量の血液を送る、食後に胃腸の働きを活発にする、ホルモンの分泌をコントロールするなど、さまざまな役割を無意識に行なっています。これがうまくいかないために、朝起きられない症状や、めまい、動悸、息切れ、倦怠感や食欲不振などの症状が出現します。 すぐにできる対応は、いったんしっかりと休息をとり、その上で規則正しい生活を心がけること、ストレスを除去することです。 それでも症状が改善しない場合は、一度医療機関の受診を勧めます。受診すべき診療科は一般内科や精神科・心療内科です。

パニック障害

パニック障害とは、突然恐怖や不安が強くなり、パニック発作と呼ばれる症状が出る病気です。この発作は呼吸が苦しくなる、胸が痛む、震えが止まらない、死ぬのではないかという強い恐怖を感じる、といった症状があります。発作は数分で頂点に達し、その後は次第に落ち着きます。
多くの場合、ストレスや過度の疲労、遺伝的要素などが発症の引き金となります。また、特定の場所や状況で発作が起こると、次に同じ場所や状況に遭遇するときに恐怖を感じることもあります。
パニック障害の治療は、通常、精神科・心療内科で行われます。治療法としては、薬物療法と心理療法があります。薬物療法では、抗不安薬や抗うつ薬などが使われます。心理療法では、認知行動療法が効果的で、発作を予防するためのスキルを学ぶことができます。
発作が頻繁に起こる、日常生活に影響が出る、自分で対処できない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

「外に出ると体調が悪くなる」ときの正しい対処法は?

症状の落ち着かせ方、予防としては、まずパニック発作や広場恐怖が起こるきっかけになる状況を避けることです。また普段から十分な睡眠とストレスを緩和してリラックスできるように努めることも効果的です。
ただ、最も有効なのは精神科・心療内科を受診した上で認知行動療法を行なうことや、内服薬で対応することです。特に抗不安薬をしっかり内服することで、一定の速やかな効果が望めます。ご自身の対応だけで粘らずに、早めに医療機関を受診することが症状緩和への近道です。

「外に出ると体調が悪くなる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「外に出ると体調が悪くなる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

外に出ると体調が悪くなるときは無理に外に出ないほうがいいですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

無理に外に出る必要はありませんが、何日も続いたり社会参加が制限される場合は、医療機関への受診を行いましょう。

外に出ると体調が悪くなるのは何科に行けばいいですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

心療内科、精神科が専門になります。

外に出て体調が悪くなったときの対処法を教えてください。

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

暑い日に体調不良になった場合は熱中症が疑われるため、涼しいところへ移動して体温を下げるよう努めましょう。またそれ以外では、少しでも落ち着ける場所へ移動しましょう。

まとめ 外に出ると体調が悪くなるときは精神科・心療内科で相談

外出先の特定の状況で体調が悪くなる場合は、精神科・心療内科の疾患である可能性が高いです。適切なアプローチが治療の鍵ですので、自己判断したり症状を我慢したりせずに、医療機関で相談してみてくださいね。

「外に出ると体調が悪くなる」症状で考えられる病気

「外に出ると体調が悪くなる」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

  • 熱中症

外に出ると体調が悪くなる、と言う特定の状況に依存した症状は、精神科・心療内科の疾患である可能性が高いです。症状が繰り返す場合、改善しない場合は、医療機関を受診してください。

「外に出ると体調が悪くなる」に似ている症状・関連する症状

「外に出ると体調が悪くなる」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 広い場所で強い不安がある
  • 公共交通機関で外出できない

「外に出ると体調が悪くなる」以外にこれらの症状がある場合も、広場恐怖症やパニック障害の可能性があります。複数該当する場合は早めに受診しましょう。

この記事の監修医師