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「顔のむくみ」を解消する「ツボ」「食品」はご存知ですか?医師が解説!

朝起きた際など顔のむくみを感じたことがある方は多いのではないでしょうか。顔がむくんでいると、周囲からも見られてしまうため困ってしまいます。

なぜ、このようなむくみが起きるのか疑問に思っている方も多いでしょう。実は、むくみは体の不調や生活習慣の乱れに大きく関係します。

そこで本記事では、顔のむくみが起こる原因について解説します。対処法や日常生活で気を付けるべきこともご紹介するので参考にしてみてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

顔のむくみが起こる原因は?

ドクターと虫メガネ
顔のむくみが起きることは珍しいことではありません。原因にはさまざまなものがあります。しかし、原因を知らないまま放置していると、さらなる体の不調を招く可能性もあるでしょう。
ここでは、顔のむくみが起こる原因についてご紹介します。

塩分の摂りすぎ

顔のむくみが起こる原因としては、塩分の摂りすぎが代表的です。そもそも顔のむくみが発生するメカニズムは、余分な水分が顔に蓄積するためです。人間の体には、全身にリンパ管血管が張り巡らされています。末端には毛細血管が広がり、体の隅々まで血液が流れ、血液が毛細血管までたどり着くと隙間から水分が染み出ます。
そして、余った水分は二酸化炭素や老廃物を受け取って、リンパ管や血管に吸収される仕組みです。そのため、通常は血管から染み出る水分と血管に吸収される水分は同じ量となります。
しかし、何らかの理由により、余分な水分が皮膚の下に溜まってしまうことがあります。これがむくみの正体です。中でも原因として上げられる塩分の摂りすぎは、水分の過剰摂取を引き起こしてしまうために、むくみを発生させます。
塩分を摂りすぎると喉が渇きやすくなります。すると、水を飲みすぎて体の中の水分が増えてしまい、体の中に余分な水分が溜まりやすくなってしまうのです。
また、塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を一定に保つために、体内に水分を溜め込もうとする機能が働きます。この機能によりむくみが起きやすくなるのです。

冷え

冷えによっても顔のむくみが起こりやすくなります。体が冷えると、血流が滞りやすくなります。すると、血管から染み出る水分は多くなる一方で、二酸化炭素や老廃物の排出は少なくなってしまうのです。
その結果、皮膚の下に余分な水分が溜まってしまい、顔がむくんでしまうのです。さらに、溜まった余分な水分は、体を冷やす原因にもなってしまいます。そのため、冷えと顔のむくみが悪循環を引き起こすことも少なくありません。

アルコールの摂りすぎ

顔のむくみはアルコールの摂りすぎによっても起こります。アルコールを摂取すると血中アルコール濃度が上昇します。すると、血管の拡張が起こるのです。血管が拡張すると、染み出る水分が増えます。その結果、顔のむくみが起こりやすくなってしまうのです。
また、アルコールは体内の水分不足を引き起こす原因にもなります。水分不足を引き起こすことでも、顔のむくみにつながるのです。アルコールは利尿作用を高めてしまうため、摂りすぎると排尿の量が増えてしまい水分不足を引き起こします。
水分不足になると血流が滞ってしまい、皮膚の下に余分な水分が溜まりやすくなることでむくみを起こすのです。適度な量のアルコール摂取であれば、体内の老廃物を尿として排出してくれます。しかし、摂りすぎると水分不足を引き起こすため注意が必要です。

月経前

女性特有の原因として、月経前も大きく関係しています。月経前になると、女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌が徐々に増えます。
プロゲステロンには、水分を溜め込みやすくする性質があるため、むくみを引き起こしやすいのです。

顔のむくみの対処法は?

鏡を見る女性
顔のむくみはさまざまな原因によって起こることをご紹介しました。むくんでしまうと違和感があるだけでなく、周りからの視線も気になってしまいます。そのため、早く改善させたいと思う方は多いでしょう。
そこで、ここでは顔のむくみの対処法をご紹介します。

マッサージをする

顔のむくみを感じた際の対処法としては、マッサージが有効です。比較的簡単にできる方法で、すぐに改善したい場合におすすめです。マッサージの方法としては、まぶたの周りを10回程度円を描くようにやさしく撫でるように行います。
すると、目の周りの血流が改善するため、むくみを和らげる効果に期待できます。また、頭皮マッサージもむくみ改善が見込める対処法です。頭皮を指圧することで血行促進を図れ、むくみを和らげることができるでしょう。

温冷療法

温冷療法も顔のむくみの対処法のひとつです。例えば、冷たい水と暖かいお湯で交互に洗顔する方法があります。交互に洗うことで、血行が良くなるためむくみが改善されるのです。また、ホットタオルを使用して顔を温める方法も効果に期待できます。
40度程度に温めたホットタオルで顔を温めましょう。すると、血行促進につながり、むくみの改善につながります。

ツボ押し

四白

ツボを押すことも、顔のむくみ改善に効果的な対処法です。効果に期待できるツボとしては、四白と呼ばれるツボがあります。目の下の骨の端から、指1本分程度下がったところにあるツボです。
ツボを押す際には、人さし指の腹部分で5ミリ程度の円を描くようにして押します。5秒程度押した後は、上に押し上げるようにして、左右同時に押したり離したりを数回繰り返します。すると、頬の血行を促進させることができ、むくみを和らげられるのです。

予防のために日常生活で気を付けるべきこと

警告
顔のむくみの対処法をご紹介しましたが、むくみを引き起こさないようにすることも大切です。予防法は決して難しいものではなく、簡単にできるものもあります。
ここでは、予防のために日常生活で気を付けるべきことをご紹介します。

カリウムの多い食品を摂る

日常生活で気を付けるべきこととして、カリウムの多い食品を摂ることを押さえておきましょう。先述したように、顔のむくみの原因には塩分の摂りすぎが挙げられますが、カリウムには塩分を排出する役割があるのです。
体内のミネラルのバランスを保ってくれるため、積極的に摂取するようにしましょう。カリウムを多く含む食材としては、バナナ・メロン・アボカド・のり・わかめ・アーモンド・きゅうり・豆・魚などが挙げられます。

体を冷やさない

先述したように、冷えも顔のむくみを引き起こす原因のひとつです。そのため、普段から体を冷やさないようにしましょう。具体的な方法としては、ゆっくりと入浴することです。シャワーではなく、お風呂につかることが大切です。
シャワーでは、一時的に熱くはなりますが、根本的に体を温めることにはなりません。ゆっくりとお風呂につかることで、血行が促され、新陳代謝が上がることで老廃物を含む余分な水分が排出されやすくなります。むくみの予防につながるため、体が冷えやすい方は特に気を付けておきましょう。

適度な運動をする

日常生活で気を付けるべきこととしては、適度な運動も挙げられます。軽く汗ばむ程度の運動は、新陳代謝アップ・血行促進・冷え症の改善などにも効果が期待できます。
そのため、顔のむくみ予防につながるのです。20分程度のウォーキングやジョギングなどを目安として、運動するようにしましょう。

顔のむくみで考えられる病気は?

説明をするドクター
顔のむくみはおおよそ半日程度で治ることがほとんどです。しかし、稀に何日もむくみが続くことがあります。その場合には病気の可能性があるため注意が必要です。
顔のむくみで考えられる病気としては、次のようなものが挙げられます。

  • 腎機能障害
  • 肝硬変
  • 心不全
  • リンパ浮腫
  • 上大静脈症候群

腎機能障害は、腎臓病・腎不全・ネフローゼ症候群などが代表的です。これらの病気を引き起こすと、体内の水分を排出する機能に異常をきたします。体のろ過機能が正常に作用せず、老廃物を上手く排出できないため顔のむくみを起こすのです。また、肝硬変によっても顔のむくみを起こすことがあります。
肝硬変を発症すると、水分を血管内に保持する働きがあるアルブミンと呼ばれるたんぱく質が合成されなくなります。その結果、水分が染み出てしまうため、むくみを引き起こすのです。心不全を発症すると、心臓のポンプのような機能が正常に作用しないため、血液が滞りやすくなります。
そのため、むくみを起こす大きな原因となるのです。また、リンパ浮腫は皮膚の下にリンパ液が溜まってしまう病気です。リンパの流れが悪くなると、水分や老廃物を回収する働きが低下して水分が溜まりやすくなります。そのため、顔のくむみを起こすことがあるのです。特に、怪我や手術の後にリンパの流れが悪くなることがあるため注意しましょう。
さらに、顔のむくみで危険な病気として、上大静脈症候群があります。この病気は、主に肺の腫瘍によって起こり、放置すると癌が成長し取り返しがつかなくなる可能性があります。むくみだから大丈夫だと思い込まず、高齢で急にむくんでくるような場合は受診した方が良いでしょう。

まとめ

鏡を持つ女性
顔のむくみは、普段の食習慣などに密接に関係しています。塩分やアルコールの摂りすぎは、むくみを引き起こす大きな原因であるため、摂取しすぎに注意しましょう。

また、普段からの予防も大切です。食事や運動を意識して行い、顔のむくみを起こさないように体を整えましょう。

稀に、顔のむくみは病気によって引き起こされている可能性もあります。ただのむくみだと甘く考えず、半日以上続くなどの違和感を覚えた場合にはすぐに受診しましょう。

この記事の監修医師