へそが臭い
おへそからジュクジュクした汁が出てきて臭い、黄色・白色のカスがたまり臭い、発赤して触ると痛くてにおいをかぐと臭い、などの状態のことを指します。
へそ(臍)が臭くなる原因としては、何らかのきっかけによってへそが感染して炎症を起こすような病態などが考えられます。代表的な病気としては、細菌性臍炎、尿膜管遺残による嚢胞感染や尿膜管癌などの可能性があります。
細菌性臍炎は、へそ周囲の皮膚が何かしらの原因で傷つき、細菌に感染することで発症します。へそのゴマを無理に取ろうとしたりして爪でひっかくことなどがきっかけになります。炎症を起こし赤くなったり腫れてしまったりして、さらには膿が出てくると悪臭がします。
尿膜管とは、胎生期の構造物の遺残(本来は退化して無くなっているべきもの)です。赤ちゃんは母親の胎内にいるときにへその緒を通じて栄養や酸素など必要な物質をやりとりしますが、膀胱からへその緒につながる管を尿膜管といいます。通常は出生後閉鎖しますが、成人の約2%で残存しているといわれています。
この尿膜管遺残が原因で嚢胞(液体が貯まった袋)ができてしまうことがあります。通常は症状がありませんが、感染を引き起こしてしまうと尿膜管嚢胞感染や臍炎となります。すると、へそからジュクジュクした汁が出て臭いにおいがします。また、尿膜管遺残ががん化したものを尿膜管がんといいます。この癌が原因で臍炎を引き起こすこともあります。
すぐに病院に行ったほうが良い「へそが臭い」症状は?
緊急性を要する場合は多くありませんが、尿膜管遺残が原因である場合には症状が長引くことが考えられるため、よくならない場合には早めに病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、皮膚科、泌尿器科です。
問診、診察、画像検査(CTなど)、血液検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、きっかけになる思い当たるエピソードはあるか、他にも気になる症状があるのかなどを医師に伝えましょう。
治療する場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。