「風邪」の主な症状・早く治す方法はご存知ですか?医師が監修!
誰でも一度はかかったことがあるといっても過言ではない風邪は、かぜ症候群・急性上気道炎などとも呼ばれます。
軽い症状で済むことも多いですが、重くなると辛いものですよね。
風邪の症状はどのような仕組みで出るのか、どんな菌やウイルスが原因で風邪にかかるのか意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
こちらで、風邪の症状が出る仕組み・主な症状・風邪の原因菌等についてご紹介していきます。
風邪を早く治す方法についてもお話していくので、ぜひ参考にしてみてください。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
風邪の症状が出る仕組みとは
風邪をひくと、気道に炎症が起こり鼻水・咳・発熱などといった症状があらわれます。これらの症状は、風邪のウイルスから身体を守るための防御反応によって起こっています。
風邪で熱が出るのは身体がウイルスと戦っている証拠でもあるため、むやみに解熱剤を使いすぎるのはよくありません。ただし、熱で身体が辛い時や著しく体力を消耗してしまう時には解熱剤を使用する必要があるでしょう。
風邪の主な症状
風邪の症状といえば鼻水・くしゃみ・のどの痛み・咳・発熱などのほか、倦怠感・頭痛・胃腸症状などがみられることがあります。代表的な症状にはそれぞれどのような特徴があるかみていきましょう。
鼻水・くしゃみ
鼻水もくしゃみも、風邪の代表的な症状です。鼻水・くしゃみ・鼻づまりが主な症状の風邪は比較的軽いことが多く、鼻かぜと呼ばれることもあります。
風邪のひき始めの鼻水は透明感がありさらっとしてることが多く、徐々に少し粘り気のある鼻水に変わることが多いです。風邪が治ってくるとまた水っぽい鼻水に戻り、治まってきます。
喉の痛み・咳
のどの痛みや咳は、風邪ではよくみられる症状です。のどの痛みが強い風邪は咽頭炎やのどかぜなどとも呼ばれます。一般的には、1週間程度で症状が軽快していくケースが多いでしょう。
ただし、咳が出るだけではなく息苦しさがあったり、黄色や緑色など色の付いた痰が出たりする場合には気管支炎や肺炎を起こしている可能性もあります。全身の状態もよく観察しましょう。
発熱
風邪をひくと発熱がみられることがあります。一般的な風邪ならそこまで高い熱は出ないことが多く、37度程度の微熱や、高くても38度程度までのケースが多いでしょう。
熱は一般的には2~3日程度で下がることが多いため、あまり長く続くときには合併症が起こっていないか疑う必要もあります。また、小さい子供などの場合は高熱によって熱性けいれんを起こす可能性もあるため、しっかり様子を見る必要があるでしょう。
風邪の主な原因菌
風邪は人から人へ感染するものですが、病原体についてはあまり詳しく知らないという方も意外と多いのではないでしょうか。風邪は、ほとんどがウイルスの感染によって症状が発症します。
原因となるウイルスはじつに200種類以上もあるといわれているのです。そのなかでも、とくにポピュラーな3つのウイルスを詳しくご紹介します。
ライノウイルス
大人の風邪の原因の多くを占めるウイルスです。春や秋によくみられますが、1年を通していつでも感染する可能性があります。上気道に炎症を起こし、鼻水・くしゃみ・鼻づまり・のどの痛みなどの症状が出ます。
コロナウイルス
コロナウイルスは風邪の病原体のひとつです。同じコロナウイルスには新型コロナウイルスなどの重症肺炎を引き起こすタイプもあります。
一般的な風邪の原因となるコロナウイルスはHCoV-229E・HCoV-OC43・HCoV-NL63・HCoV-HKU1の4種類です。冬に流行のピークを迎え、全体の10%~15%程度を占めるとされています。
RSウイルス
乳幼児が感染すると気管支炎や肺炎などを引き起こすことがあるウイルスです。年長児以上の子供や高齢者以外の大人がかかった場合には、軽い風邪症状が数日続く程度で軽快することが多いでしょう。乳幼児の場合は細気管支炎を起こし呼吸困難になることもあるため注意が必要です。
風邪を早く治す方法
大事な予定や重要な仕事がある時に風邪をひいてしまうと辛いものです。できれば、早く治したいという方が多いのではないでしょうか。
風邪をできるだけ早く治す方法をご紹介していきます。
基本は対症療法
風邪は基本的にはウイルスによる感染症なので、風邪を治療できる特効薬はありません。抗生物質を使っても、通常は効果がないとされています。
そのため、辛い咳・熱・鼻づまりなどの症状を楽にする対症療法が基本になります。咳がひどい時には咳止めを、鼻水がひどい時には鼻水を抑える薬を使用するのが一般的です。
ゆっくり休養する
風邪を早く治すためには、安静にするのが基本です。無理をせずにしっかりと睡眠をとり、適度な水分補給を心掛けましょう。食事は消化のよいものを選び、栄養バランスにも気を配ってください。部屋の湿度や温度も適度に保つようにしましょう。
すぐに病院に行った方が良い「風邪」症状は?
- 40度以上の発熱が続いている場合
- 激しい痛みや息苦しさ、けいれんなどを伴っている場合
これらの場合には、すぐに病院受診しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科耳鼻咽喉科です。
問診、診察、画像検査(レントゲンなど)、血液検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、他にある症状は何か、病気に罹っている人と接触があったか、既往歴などを医師へ伝えましょう。
治療する場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。
まとめ
風邪は誰でもかかることがある身近な病気です。
高熱が出ることが少なく症状も重くならないことが多いため軽く見てしまいがちですが、合併症が起こると重症化するケースもあるためこじらせないように注意が必要です。
通常、熱は2~3日で下がることが多く、咳や鼻水などの症状も1週間程度で治るケースが多いでしょう。
発熱や咳が長引く場合には、肺炎などの合併症を起こしている可能性もあるため医師の診察を受けるようにしましょう。
加瀬には特効薬はありません。早く治すためには症状を楽にする薬を服用し、しっかりと睡眠をとることが大事です。
消化が良く栄養バランスのとれた食事をしっかり摂り、ゆっくりと休養することを心掛けてください。