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「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」ときの対処法は?日焼け止めについても解説!

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」ときの対処法は?日焼け止めについても解説!

日焼けしてぶつぶつが出てかゆいときの対処法は?メディカルドック監修医が考えられる病気などを解説します。

池澤 優子

監修医師
池澤 優子(あい皮ふ科・アレルギー科クリニック)

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順天堂大学医学部卒業。横浜市立大学皮膚科助教、茅ヶ崎市立病院皮膚科部長を歴任後、神奈川県横浜市、あい皮ふ科・アレルギー科副院長として地域の皮膚科、アレルギー疾患の診療に努めている。医学博士。皮膚科学会専門医、アレルギー学会認定医の資格を有する。

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日焼けによる肌ダメージ・炎症の種類

日焼けとは、紫外線によって肌にダメージが加わった結果起こる反応です。一度に大量の紫外線を浴びることで、日焼けが起こります。肌が赤くなるサンバーン(sunburn)、数日後に肌が黒っぽくなり、数週間、長ければ数ヶ月続く、サンタン(suntan)があります。サンバーンは、主にUVBという波長が短い紫外線によって引き起こされ、皮膚の赤みやヒリヒリ感が生じます。火傷のように水膨れにまで至るケースもあります。

日焼けによる紫外線ダメージは、皮膚のバリア機能を低下させ、炎症反応や免疫異常を惹起します。この結果、ぶつぶつ(丘疹や蕁麻疹)やかゆみなどが現れます。

日焼けしてぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる病気と対処法

日光または紫外線に晒されることがきっかけとなり、皮膚に赤みやぶつぶつが現れ、かゆみを伴う場合、その発症時期や、アレルギーの関与があるかどうかで様々な病態があります。今回はそれらを詳しくみていきましょう。

日焼けした直後、ぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる原因と対処法

日光を浴びてすぐにぶつぶつが現れ、かゆいときには、日光蕁麻疹など即時型アレルギー反応の可能性があります。日光に晒された数分後、その場所に強いかゆみを伴う赤みや膨隆疹が現れるものです。数時間で自然に改善がみられるケースも多いですが、アナフェラキシーショックという重篤な反応もまれにみられます。

日焼けした後、しばらくして赤みとぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる原因と対処法

日焼けと赤み、ぶつぶつが揃っている際には、光線過敏症 の可能性も考えられます。若い女性にみられることが多い、多形日光疹も鑑別にあげられます。光線過敏症は、薬物などの何らかの物質(ハプテン)が光線との間で化学的に反応して、皮膚に炎症が起こるものです。原因物質の特定をして薬を変更したり、日光を浴びないようにしたりするなどの対処法があります。

全身を日焼けしてぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる原因と対処法

全身という広い範囲の日焼けをした後にぶつぶつやかゆみ、赤みが出る場合、ひどい日焼けが生じていることに加え、日光アレルギーや日光蕁麻疹が出ている可能性もあります。まずは、かゆみを伴う部分を冷やしましょう。水膨れができているなど症状が重い場合には、やけどの時のような脱水症状がおこることもあるため、早めに皮膚科を受診しましょう。

腕を日焼けしてぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる原因と対処法

腕を日焼けした際に、赤いぶつぶつやかゆみが現れる場合、多形日光疹や日光蕁麻疹の可能性があります。まずは、患部を冷やします。症状をやわらげるため、市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用が効果的なケースもあります。

顔を日焼けしてぶつぶつが出てかゆい症状で考えられる原因と対処法

顔が日焼けし、ぶつぶつが出てかゆい場合、光線過敏症や多形日光疹などが考えられます。また、ライムやレモンなどの果物の汁などが口のまわりについているとき、その場所に日差しを受けると、光接触皮膚炎を生じることがあります。女性では化粧品やエステなどの際に使用した美容剤などが原因となる場合もあります。
日焼けした部分は優しく洗浄し、刺激を避けるようにしましょう。

すぐに病院へ行くべき「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」関連症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

日焼けしてぶつぶつが出てかゆい症状が悪化する場合は、皮膚科へ

日焼けによるぶつぶつやかゆみは、軽度であれば自然に治まるかもしれません。しかし、症状が次第に悪化している場合は、早めに皮膚科を受診することが重要です。

病院受診・予防の目安となる「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」ときのセルフチェック法

・日焼けしてぶつぶつが出てかゆい以外にぶつぶつの数が急速に増えている場合
・かきむしりにより出血している場合
・発熱や関節痛、吐き気などを伴う場合
・顔が腫れる、目のまわりにも症状がある場合
これらの症状がある場合、光線過敏症や薬剤性の光線反応では放置すると悪化するケースもあります。

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

日光過敏症(光線過敏症・日光アレルギー)

光線過敏症は、日光もしくは紫外線に晒されることで発生したり悪化したりする皮膚疾患の総称です。薬剤など、外から加わった理由による外因性のものと、遺伝疾患(色素性乾皮症)や代謝疾患(ポルフィリン症)などの内因性の要因があります。一方、外因性の場合、アレルギーが関与するか否かによって 、光アレルギー性皮膚炎と光毒性皮膚炎に分類されています。
光アレルギー性皮膚炎では、皮膚に取り込まれた成分(クロモフォア)が、紫外線(特にUVA)に当たると体にとっての「異物」に変わり、アレルギーの原因になります。この反応は、体がその成分を一度「覚える(感作)」ことで起こります。いわゆる遅延型アレルギーであり、最初は症状が出なくても、次に同じ成分が皮膚に入り、さらに日光を浴びると、赤みやかゆみといったアレルギー反応が現れるようになります。
ひどい場合には、浮腫やみずぶくれ、びらんなどもできてしまいます。特定の薬剤などで、この症状が現れることがあります。
一方、光毒性皮膚炎は、一定量の薬剤(光を吸収する化合物)と日光が揃った場合、すぐに日焼けのような症状が現れるものです。アレルギーとは異なり、誰にでも生じうる反応ですが、重症度には個人差があります。有名なものに香水中のベルガモット油に含まれるベルガプテンによる症状があり、特にベルロック皮膚炎と呼びます。
いずれのケースでも、原因物質の摂取を控え、紫外線曝露を避けることが大切です。日焼け後に、ぶつぶつや赤みがひどく現れる場合、皮膚科を受診しましょう。

日光蕁麻疹

日光蕁麻疹は、何らかのクロモフォア(光線が当たることによって惹起される化学物質)が血液中にある状態で、日光にさらされることで、皮膚に即時型のアレルギー反応が生じた状態です。日光に当たった数分後から1時間以内に、その部分に一致した蕁麻疹が出現します。数時間で消えることが多いものの、ごくまれに重度のアレルギー反応であるアナフェラキシーショックが起こります。
抗ヒスタミン薬の使用が症状を和らげるという報告があります。また、アレルギー反応を起こす可能性がある程度の日光に少しずつあたるいわゆる光減感作療法をおこなうことで、皮膚の反応の低下が期待できるとされています。主に可視光線が原因とされていますが、紫外線が原因のこともあります。UVカットのみでは防ぎきれないこともあるため、注意が必要です。

多形日光疹

多形日光疹は、特に10〜30歳代の女性に多くみられるものです。夏に日差しを受けた部分に、かゆみを伴った赤みや小さなブツブツが出ることがあります。小さな水膨れができることもあります。原因ははっきりとはしていませんが、徐々に改善していく傾向がみられます。紫外線のなかでもUVAが主な原因と考えられています。
皮膚の赤みやぶつぶつが治らない、悪化しているといった症状がみられる場合は、皮膚科を受診しましょう。

日焼けによる炎症

日焼けは、特に日光の中のUVBが主な原因となります。UVBは細胞のDNAを傷つけます。その傷を修復する際の反応が契機となり、細胞から炎症を引き起こす成分などが放出されます。すると、翌日には皮膚の赤みや腫れが現れ、1週間ほどたつと、死んだ皮膚が剥がれ落ちます。これがサンバーンです。
一方、皮膚の色が黒くなるサンタンも炎症反応によって起こるものです。メラニン色素を作るメラノサイトという細胞が刺激され、メラニンをたくさん作る結果、皮膚が黒くなります。
サンタンもサンバーンも、皮膚を傷つけていることになります。過度な日焼けは避ける方がよいでしょう。

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」ときの正しい対処法は?

日焼け後、皮膚に異変が出た場合は、以下の方法を試してみてください。

日焼けによる湿疹・ぶつぶつの症状を早く治したいときの対処法は?

日焼けによる炎症が起こった際には、冷水タオルなどでその部位を冷やしたり、ワセリンなどで保護したりすることで、症状がいくらか改善されるでしょう。ただし、水ぶくれができる、かゆみや痛みが強い、どんどんとぶつぶつがひどくなっていくときには、早めに皮膚科を受診してください。

日焼けによる湿疹・ぶつぶつに市販の塗り薬を使用して問題ないか

光アレルギー性接触皮膚炎や、光毒性皮膚炎の場合、原因を取り除くことが第一となります。症状をやわらげるため、抗ヒスタミン薬・ステロイドの塗り薬が有効です。
市販薬でも、レスタミン軟膏やリンデロンV軟膏等があります。しかし、市販薬は治療に不必要な成分も含まれていたり、ステロイドの強さが患部の治療に適切でなかったりする場合もあります。そのため悪化する前に、専門の医師に診てもらうと安心です。

「日焼けによるぶつぶつ・かゆみ」を予防するには?

日焼けによる肌トラブル予防のためには、紫外線から皮膚を守ることが大切です。

日焼けや日光アレルギーを予防するには?

日常生活においては、正午前後などの紫外線が強い時間帯の外出をなるべく避けます。また、日傘や帽子を使用するのも効果的です。肌の露出をなるべく小さくするような衣服を選ぶことも大切です。袖が長い襟付きのシャツなど、身体を覆う部分が多い衣服を選ぶのがよいでしょう。しかし、熱中症のリスクを高める可能性もあるため、無理のない範囲で着用しましょう。
日焼け後には、保湿剤やワセリン等で肌の手入れをすることによって、日焼けによるヒリヒリとした痛みを抑える効果があります。しかし、紫外線を浴びすぎないことが何よりも大切です。

日焼け止めは何を使用すれば良いか

日焼け止めを上手に使うと、服で覆うことができない部分も日光から守ることが可能となります。
日焼け止めには、リキッド(液状)、乳液、クリーム、ジェル、スティック、スプレー、シートなどのタイプがあります。使いやすいものを選んでいただくことも大切ですが、乳液やクリームタイプが一般的です。
日焼け止めの中には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が配合されています。紫外線吸収剤は肌に塗った際に白くならないメリットがありますが、まれにアレルギー反応を起こす方がいます。紫外線散乱剤は、多少白く見えるもののアレルギーの頻度が低いことが特徴です。子どもや肌の敏感な方は、紫外線吸収剤無配合(ノンケミカルタイプ)あるいは紫外線吸収剤が直接肌につかないような仕様(カプセル化されているなど)のものを選ぶとよいでしょう。
日焼け止めの効果はSPFやPAといった数値で表されています。
室内が大半で、外出は買い物や散歩程度の日常生活においては、それほどSPF・PAの数値が高いものでなくてもよいでしょう。しかし、紫外線が強い時期に炎天下でのスポーツをする、ハイキングや海水浴に出かける際には、高い効果を有するものを使いましょう。また、海やプールで遊ぶときは、耐水性に優れているものを選びましょう。
日焼け止めは、顔に塗るときは1円玉サイズの量を顔全体に塗り、もう一度それを繰り返しましょう。腕や足は、それぞれの表裏に1本ずつ直線状に日焼け止めを出し、らせんを描くように伸ばしていくとよいでしょう。
2〜3時間ごとに塗りなおすのがおすすめです。

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

屋外で過ごした後に日焼けはしていないのに湿疹が出るのは日光アレルギーなのでしょうか?

池澤優子医師池澤優子(医師)

はい、日光によるアレルギーである可能性はあります。数時間、屋外で過ごした後に湿疹が出る場合は光線過敏症が考えられます。これは、太陽光が引き金となり、皮膚に痒みを伴う発疹や赤みなどが現れる皮膚疾患の総称です。特に「多形日光疹」や「日光蕁麻疹」は、日光に当たった部位に湿疹やブツブツ、水ぶくれなどが現れます。日光アレルギーといってもそれぞれ特徴が異なり、対処法も異なる場合があるため、正確な原因を特定し、適切な治療を受けるために、皮膚科を受診することが大切です。

日焼けした後ぶつぶつが出てかゆいのは日光湿疹の症状でしょうか?

池澤優子医師池澤優子(医師)

太陽に当たった直後に、皮膚にかゆみや湿疹が現れる場合、アレルギー(日光蕁麻疹)だけでなく光毒性皮膚炎などの可能性もあります。

日焼けした肌にブツブツができてかゆいときの対処法はありますか?

池澤優子医師池澤優子(医師)

患部の冷却、市販の抗ヒスタミン薬内服や保湿剤、ステロイド外用剤などの塗布によって、かゆみがおさまる場合もあります。しかし、症状がひどくなるような場合には、皮膚科を受診しましょう。

日焼けした後ぶつぶつが出てかゆいのはしばらくしたら治りますか?

池澤優子医師池澤優子(医師)

自然に治っていく場合もありますが、原因によってその経過はさまざまです。日焼け止めが合わなかったり、市販の外用剤や化粧水などの刺激やかぶれが原因となっている場合、症状が悪化したり繰り返されることもあります。たびたび日光に当たってからぶつぶつが現れるような場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。

まとめ 日焼けしてぶつぶつが出てかゆいときは放置せず早めに対処しよう

皮膚にかゆみや盛り上がったできものが出てきたときは、軽度の皮膚の炎症から光線過敏症までいろいろな原因があります。まずは冷やして保湿し、かゆみや炎症が強い場合は市販薬も検討しましょう。症状が数日続く、広がる、痛みや発熱を伴う場合はすぐ皮膚科を受診しましょう。日焼け止めの活用や日光の回避により、症状の予防も可能となるでしょう。

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」症状で考えられる病気

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

皮膚科系の病気

  • 光アレルギー性皮膚炎
  • 光毒性皮膚炎
  • 日光蕁麻疹
  • 多形日光疹

日焼けに伴いぶつぶつが現れる病気は、原因もさまざまです。症状がなかなかよくならない場合は、皮膚科を受診しましょう。

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」に似ている症状・関連する症状

「日焼けしてぶつぶつが出てかゆい」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 皮膚の赤み
  • 皮膚のヒリヒリ感
  • 水膨れ

この記事の監修医師

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