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「爪に白い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「爪に白い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

爪に白い斑点ができた時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が原因・考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「爪に白い斑点」ができる原因と対処法

指先は自分でも気が付きやすく、人からの視線も気になる部位です。自分の爪に白い斑点ができていることに気が付くと、何か異常があるのではないかと気になる方も多いのではないでしょうか。多くの場合、深刻な健康問題ではありませんが、場合によっては、特定の病気や健康状態の不良を表すサインとなる場合もあります。

この記事では、爪に白い斑点ができる原因とその対処法について詳しく解説します。また、症状が続く場合に受診すべき病院や科についてもご紹介します。自分自身や家族などに当てはまる症状がある場合は、ぜひ参考にしてください。

爪に白い斑点ができる原因と対処法

爪甲の本来はピンク色である部分の色が、白色に変化している状態を爪甲白斑(そうこうはくはん)といいます。

この爪甲白斑は、下記のようなタイプにわかれます。

・点状爪甲白斑:爪に白い点が出現していることが特徴です。最も多い症状です。
・線状爪甲白斑:白い線のような模様が出現します。
・汎発型爪甲白斑:爪全体が白っぽくなります。

このように、爪の表面である爪甲(そうこう)に白い斑点や線、帯状の変化などにみられる症状によってどのタイプに当てはまるか異なります。

爪甲白斑が発症する原因は、良く分かっていないものや先天性のものもありますが、原因がわかるものとして、代表的な例は爪に対しての外傷があります。これらは、ドアに指を挟むなどした結果、細胞が傷付いて、爪が規律正しく伸びなくなったり、爪がはがれてしまったりすることで発症します。

爪甲白斑の予防は、特に確立した方法は認められていませんが、バランスの取れた食事や質の良い睡眠をとること、適度な運動で血行を良くすることなどで、ある程度爪を丈夫にできると考えられています。また、クリームを使用して指先にマッサージをほどこすなど、爪や爪の周りのケアをおこなうことも重要です。

基本的に、爪甲白斑で大きな問題になる場合は少ないですが、場合によっては、肝硬変、慢性腎臓病、心不全、糖尿病、鉄欠乏性貧血、栄養失調、甲状腺機能亢進症などといった病気や、乾癬や真菌(カビ)感染症などに関連して爪甲白斑が見られる場合もあるため、症状が改善しない場合や、他の症状が併発する場合は早めに皮膚科を受診しましょう。

そして、受診時に、爪が白くなり始めた時期、きっかけ、同じ症状をもつ人が周りにいるか、普段は仕事などでよく指先を使っているかなどを詳しく伝えるようにしましょう。

足の爪に白い斑点ができる原因と対処法

足の爪に白い斑点ができる症状は、手の爪と同様に爪甲白斑が考えられます。ただ、足の爪は靴などを履いているため、手と比べると清潔に保てていない場合もよく見られます。

そのため、足の爪を定期的に洗うなどして、常に清潔に保ち、乾燥を防ぐために、足専用の保湿クリームを使用して爪と周囲の皮膚を保湿しましょう。また合わせて、締め付けが強すぎる靴や、通気性の悪い靴を避けて、爪に負担をかけない靴を選ぶことで症状を予防できるはずです。

このように、足の爪も手と同じように日常生活で爪をぶつけるなどの物理的なダメージが一般的ですが、爪水虫(爪白癬)の場合もあります。

爪水虫は、水虫菌である白癬菌(はくせんきん)というカビの仲間が爪に感染することでおこる病気ですが、水虫とは治療法が異なります。

爪水虫は、爪の色が白く濁ったり、爪の厚みが増して変形したり、爪がもろく崩れやすくなりますが、痛みやかゆみを伴わないために放置されやすいのが現状です。ただ、症状が進行すると爪の変形による痛みから歩きにくくなったりします。

もし、足の爪に白い斑点ができ、症状が改善しない場合や悪化する場合は、皮膚科を受診しましょう。特に爪水虫が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。

「爪に白い斑点」の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「爪に白い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

点状爪甲白斑(てんじょうそうこうはくはん)

点状爪甲白斑は、爪に小さな白い斑点が現れる状態で、爪の基部である爪母(そうぼ)に外的な力や傷が加わることで発症します。またそれ以外でも、栄養不足やストレスも原因の1つとされています。これらの原因により爪の成長不全が起こり発症します。
点状爪甲白斑を発症しても、軽度の場合であれば特別な治療は必要なく、時間がたてば基本的に自然と治り、爪が新しく生え変わることで白い斑点も消えます。
しかし、斑点が多数ある、症状が改善しない、痛みや変色など他の症状が気になる場合は他の原因の可能性もあるため、皮膚科を受診してください。

爪水虫

爪水虫(爪白癬)は、爪に真菌(カビ)が感染することによって発症し、爪が白く濁ったり、変形したりします。この爪水虫は足の爪に多く見られ、湿気や温度が高い環境で感染が拡大しやすいのが特徴です。
爪水虫の治療法は、抗真菌薬の使用が一般的で、イトラコナゾール、テルビナフィンなどの内服薬や、エフィナコナゾール、ルリコナゾールなどの外用薬があり、症状や感染の程度によって適切な治療が選ばれますが。治療には6ヶ月~1年以上かかる場合もあります。
爪の変色、変形が進行する場合や、他の家族に同じような症状がみられる場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。

「爪に白い斑点」ができた時の正しい対処法は?

爪に白い斑点ができた時、どのように対処すべきかなど正しい対処法に迷うことがあるはずです。ここでは、よく聞かれる対処法の疑問についてお答えします。

爪に白い斑点ができた場合、市販薬を使用する前に、まずは症状の原因を特定する必要があります。物理的なダメージや軽度の栄養不足が原因の場合であれば、市販薬を使用する必要はありません。バランスの良い食事を摂取しましょう。しかし、真菌などの感染症が原因の場合は市販薬ではなく、医療機関で処方される薬を正しく使用しなければ、効能・効果が認められていないため、市販薬ではなく医療機関を受診しましょう。

すぐに受診できないために市販薬を使用する場合は、外用薬を使用します。薬剤師に相談し、水虫の可能性が高いようであれば抗真菌薬の外用剤を塗布しましょう。しかし、見た目で水虫と思っていても、違う病気のためかえって悪化する場合もあります。改善しないようであれば、皮膚科を受診することをお勧めします。

軽度の栄養不足やストレスによる一時的な白い斑点であれば、ビタミンサプリメントやリラックス効果のある漢方薬を試してみても問題ありませんが、爪水虫などが疑われる場合は、市販薬での自己治療は避けて、医師の診断と治療を受けましょう。

・生活習慣、喫煙、ストレスなど日常生活の注意点
日常生活においておこなえる注意点は下記などがあります。

バランスの良い食事: 亜鉛や鉄分、カルシウム、ビタミンなどを含む食品を積極的に摂取しましょう。
ストレス管理:適度な運動やストレッチなどを取り入れて、ストレスを軽減しましょう。
禁煙:喫煙は血行を悪化させ、爪の健康にも悪影響を与えるため、禁煙を心がけましょう。

・早く治したい時はどうしたら良いのか
症状が気になり、早く治したい場合は、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが最も効果的です。また、それとともに、常に爪を清潔に保ち、保湿を心がける事も大切です。

「爪に白い斑点」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「爪に白い斑点」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

爪に白い斑点ができるのはストレスが原因でしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

ストレスが原因でも爪に白い斑点ができる場合があります。ストレスがかかると、自律神経の乱れや血流の低下から爪の根元にある新しい爪を生み出す場所である爪母(そうぼ)の働きが弱くなる結果、白い斑点が現れることがあります。
そのため、ストレス管理を心がけ、ストレッチなどのリラクゼーションや十分な休息を取り入れることが予防につながります。

栄養バランスが崩れると爪に白い斑点ができることはありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

栄養バランスの崩れは爪に白い斑点ができる原因の1つです。特に亜鉛やカルシウム、ビタミンB群などの栄養素が不足すると、爪の健康に影響を与え、白い斑点が現れることがあります。
そのため、バランスの取れた食事を心がけるとともに、必要に応じてサプリメントを摂取することで予防できます。

まとめ

今回は、爪に白い斑点ができる原因と対処法について詳しく解説しました。爪の白い斑点は、一般的には深刻な問題ではないことが多いですが、物理的なダメージや栄養不足、ストレス、真菌感染症など、さまざまな原因があります。
爪に白い斑点ができた場合、まずは爪の清潔を保つとともに、保湿を心がけましょう。また、日常生活においても、生活習慣を見直し、バランスの良い食事やストレス管理を徹底することも予防につながります。
しかし、症状が改善しない場合などは爪水虫の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診することで、健康な爪を保つことができます。

「爪に白い斑点」で考えられる病気

「爪に白い斑点」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • 爪水虫
  • 白斑症

これらの疾患は爪が白いと必ず生じるものではありません。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

「爪に白い斑点」に似ている症状・関連する症状

「爪に白い斑点」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 爪の変色
  • 爪の形状変化
  • 手足の皮膚異常

皮膚の症状は、原因を特定して、それに対して治療をおこなわないと効果がないため、医療機関を受診し、専門医の診断を受けましょう。

【参考文献】
白癬(日本皮膚科学会)