「円形脱毛症」の具体的な症状はご存知ですか?医師が徹底解説!
円形脱毛症とは、円形状や楕円状に毛髪が抜けてしまう疾患です。十円ハゲという言葉があるように、十円玉サイズの頭髪が突然抜けてしまうのが主な症状です。
また、円形脱毛症の症状は十円サイズに留まらず、頭部全体の毛髪が脱毛してしまうケースもあり、更に症状が悪化した場合には、体毛、眉毛、まつ毛など、高範囲にわたり脱毛してしまう恐れもあります。
円形脱毛症の症状は、進行度合いによって以下のように異なります。
▼初期
- 前触れもなく髪の毛が束で抜けた
- 頭部の地肌が見える
- 十円ハゲのように抜けた部分との境界がはっきりしている
- アトピー性皮膚炎である
- 爪に小さな凹みがある
▼進行中
- 起床時、枕元に毛髪が抜けている
- 脱毛斑周囲の毛髪を故意に抜いても痛みがない
- 脱毛斑が徐々に大きくなっていく
- 毛髪の根っこ部分(髪根)がやせ細っている
▼回復
- 脱毛斑に毛穴が黒く点々としている
- 脱毛斑に毛が生えてきた
- 脱毛斑周囲の毛髪を故意に抜こうとしても簡単に抜けない
疑われる原因は、精神的ストレス、自己免疫疾患、内分泌異常などが考えられますが、明確に言われているものはありません。円形脱毛症に合併する病気として橋本病などの甲状腺疾患や、尋常性白斑や全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症など自己免疫性疾患、アトピー性皮膚炎などアトピー性皮膚疾患が知られています。
円形脱毛症が繰り返し起こる場合は、甲状腺機能、膠原病などが合併している影響も考えられます。
円形脱毛症の好発年齢は15歳以下、全体のうちの1/4の割合であり、円形脱毛症の症状が認められ、性別の発症率に差はありません。
すぐ病院に行った方が良い「円形脱毛症」症状は?
症状が長引いていたり、何度も繰り返したりする場合には、病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な診療科目は、皮膚科です。
問診、診察、抜毛テスト、血液検査、ダーモスコピー検査、組織検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
いつから症状があるのか、症状の要因となる思い当たるきっかけはあるのか、他に症状はあるのか、などを医師へ伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。
突然毛髪が束になって抜け落ちてしまったら、ショックを受ける人が大半でしょう。しかし、適切な治療をおこなえば改善できる可能性はあるため、皮膚科などの医療機関の受診を検討しましょう。