睡眠時無呼吸症候群で考えられる病気・原因は?医師が徹底解説!
こんな症状はありませんか?
- 夜寝ている時に「いびき」や「呼吸が止まっている」と言われる
- 日中の眠気がひどい
- 夜中に息苦しくて目が覚める
- 朝起きたときに頭痛がする
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に呼吸が止まり日常生活に様々な障害を引き起こす病気です。 脳神経や心臓が原因で起きる「中枢型」と気道が閉塞することで起きる「閉塞型」および「混合型」に分類されます。
このうち最も多いと言われているのが「閉塞型」で「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」といいます。OSAは小児でもみられますが、中年以降の肥満体型の男性に多く、女性では閉経後に増える傾向にあります。治療が必要なOSAは日本では潜在的に700万人程度いると言われており、決して珍しい病気ではありません。
OSAの方によくみられるのは「日中の眠気」「肥満」「いびき」です。また 「起床時の頭痛」や「夜間の窒息感」を認める場合は診断精度が高いとされています。このような症状がある方は、ぜひ一度医師へ相談してみましょう。
医療機関に受診後、まず行うべき検査は「簡易検査」となります。簡易検査はご自宅で行うことが出来るもので、①鼻センサー、②指センサー、③動作センサーの3つから構成されます。この検査により、睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数である無呼吸低呼吸指数(AHI:Apnea Hypopnea Index)を調べることが出来ます。
簡易検査の結果、AHIが20~39である方は、脳波検査を含む精密検査(PSG:ポリソムノグラフィー)を行い、AHIが40以上の方はCPAPマスクによる治療を行います。特にAHIが30を超えている方は過去の研究により心血管疾患のリスクが高いため重症とされ注意が必要です。1日4時間以上のCPAP治療によりリスクを減らすことが出来ますので診断後はCPAPによる治療をしっかり行いましょう。
すぐ病院に行ったほうが良い「いびき」症状は?
日中の眠気や夜間のいびき・無呼吸、高度の肥満(BMI(体重÷身長÷身長)30以上)の方は睡眠時無呼吸の可能性がありますので、まずは簡易検査が可能な医療機関に受診しましょう。
行くならどの診療科が良い?
睡眠時無呼吸に対する簡易検査が可能な医療機関に受診しましょう(呼吸器内科、循環器内科、耳鼻科など)。
<簡易検査>
- 3,000円程度(3割負担)
<精密検査>
- 入院で行う場合:30,000円~50,000円程度(3割負担)
- 自宅で行う場合:10,000円程度(3割負担)
病院を受診する際の注意点は?
事前に簡易検査を行っているか問い合わせましょう。精密検査(PSG)は一般的には入院で行われます。簡易検査の結果、PSGが必要と判断された場合は、施行可能な病院へ紹介してもらいましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
CPAPは医療機器会社よりレンタルして行います。1月に1回は医療機関に受診する必要があります。費用は月額5,000円程度(3割負担)です。