「便色カラーシート」は「大人」でも役に立つ?便色から分かる体調も医師が解説!

排便時に便の色がいつもと違うと「悪い病気かもしれない」と不安に感じる方は少なくないでしょう。
便は体調のバロメーターです。便の回数・量・硬さ・色を観察することで体調の変化や疾患がわかります。
特に便の色が通常と違うと、病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
本記事では便色カラーシートについて、便の観察方法・便の色による体調・疾患と併せて詳しく解説します。
便を観察して、便の色が変わる原因を知ることで体調の変化や受診の目安を知ることができるようになるでしょう。
便の色が気になる方の参考になれば幸いです。

監修医師:
吉川 博昭(医師)
目次 -INDEX-
便色カラーシートとは

便色カラーシートは、赤ちゃんの胆道閉鎖症の早期発見を目的に作られました。胆道閉鎖症とは、赤ちゃんの命に関わる病気です。
肝臓で作られる胆汁が胆道を通って十二指腸に排出されて便の色になります。便の色が薄くなっていると胆道閉鎖症の可能性があり、早期に治療をしないと肝硬変や肝不全になってしまいます。
赤ちゃんの便の変化を見逃さないように便色カラーシートが作られました。赤ちゃんの便の色を定期的に確認できるようになり、便の色の変化にいち早く気付くことができます。
便色カラーシートの概要
便色カラーシートは、赤ちゃんの便を定期的に観察して記録することで、胆道閉鎖症の早期発見のために使用されています。
便の色が7段階になっており、1〜3の色の場合は胆道閉鎖症の可能性があるので小児科に受診をしましょう。医師に便の色を伝えるときは、便色カラーシートの番号を伝えましょう。
便色カラーシートは母子健康手帳に掲載されており、生後4ヶ月頃までは定期的に便の色を観察することが大切です。
入手できる場所
便色カラーシートは母子健康手帳に掲載されているので、母子健康手帳を交付してもらう必要があります。
妊娠が確定したら、必要な書類を住んでいる市区町区の役所または保健センターに提出して母子健康手帳を受け取りましょう。
発見できる疾患
便色カラーシートを使用すると、胆道閉鎖症の早期発見につながるでしょう。胆道閉鎖症とは、胆道がふさがってしまい十二指腸で胆汁が出せなくなる病気です。
生後2ヶ月頃に発見されることが多く、胆汁が出せないことで便が通常よりもクリーム色〜白色になります。胆道がふさがったままにしておくと、胆汁中のビリルビンが血液中に流れてしまい黄疸が出るでしょう。
また、行き場のない胆汁が肝臓に溜まると肝硬変や肝不全になり、命に関わる場合があるので、早期発見・早期治療が大切です。
使用方法
便の色を観察するときは明るい部屋で、赤ちゃんの便と便色カラーシートを近づけて見比べましょう。
便の色に近い便色カラーシートの番号を記録しておきましょう。便色カラーシートには記入する欄が3個(生後2週間・生後1ヶ月・生後1〜4ヶ月)ありますが、3回だけでなく生後5ヶ月までは定期的に便の色を見比べて記録と便の色の変化がわかりやすくなります。
便色カラーシートは大人でも役に立つ?

便色カラーシートは、赤ちゃんの胆道閉鎖症を早期発見する目的のために、生後5ヶ月頃まで使用するものです。大人の場合は黄色や灰白色以外にも赤色・黒色など注意が必要な便の色があります。便は食べ物や薬の服用、生活習慣でも影響を受けやすく、大人の便は赤ちゃんの便と比べるとさまざまな色に変化します。
色だけでなく、性状も変化する場合があるでしょう。便の性状を評価するブリストルスケールがあります。このスケールを使って便の硬さを観察するとよいです。
トイレで便をしたときはすぐ流さずに便を観察する習慣をつけましょう。便の状態から自分の身体の調子や疾患の可能性を知ることができます。便の色の変化を発見して早めに受診できると早期治療につながります。
便色からわかる体調・疾患

便は自分の体調や健康状態を知るためのバロメーターです。便の観察をするときは、便の回数・量・性状・混入物の有無・服用している薬・食事などの生活習慣を確認します。
一般的に健康な便とは黄褐色のバナナ状でするりと出るものです。便が硬すぎる・やわらかすぎる・色がいつもと違う状態が続いているときは、消化管のどこかに異常があるかもしれません。ここでは便の色と考えられる体調・疾患を解説します。
- 黄褐色
- 黄色
- 茶~茶褐色
- 濃褐色
- 黒色
- 緑色
- 赤色
- 灰白色
それぞれ詳しく見てみましょう。
黄褐色
黄褐色とは、黄土色〜薄い茶色を表しています。黄褐色の便はよい状態の便です。黄褐色の便の色は胆汁色素のビリルビンによる色なので心配はいりません。
黄色
下痢便のときに黄色の便が見られます。乳製品の摂りすぎや下剤の服用が原因になることがあり、原因を取り除けば改善することがほとんどです。
油脂や脂肪分が多い食事をした後に便が黄色くなることもあります。また、ビタミン剤や食品添加物の黄色の色素も便に影響が出る場合がありますが、便の色が変化するのは一時的です。
下痢便が続く場合は、胃腸の感染症や疾患の可能性があるので注意が必要です。
茶~茶褐色
茶〜茶褐色の便が見られるときは、食べ過ぎや飲み過ぎが原因です。
食事量を減らしたり、お酒を控えたりして食生活を見直すことが大切です。暴飲暴食をしないで何日か経つと正常な色の便に戻るので、しばらくは便の色に気をつけて過ごしましょう。
濃褐色
濃褐色の便の色は、便秘で大腸での滞留時間が長かった場合や肉類中心の食事をした後で見られるケースが珍しくありません。
もともと正常な便であっても、便秘で大腸で便の水分量が減ってしまうと色が濃くなって濃褐色になる場合があります。また、チョコレートやココアの摂りすぎでも濃褐色の便が出ることがあります。
濃褐色の便が出たときは、食生活を見直したり軽い運動をしたりして便秘にならないようにするとよいでしょう。便の水分量を保つために、水分摂取量にも気をつけましょう。
黒色
黒色の便は、コールタールに似ていることからタール便ともいわれています。黒色便が出たときは、食道・胃・十二指腸などの肛門から遠い上部消化管からの出血を疑いましょう。血液は出血したときは赤色ですが、腸内細菌によって分解されるので消化管を通って肛門から排出されるときには黒色に変色します。
鉄剤の服用やイカ墨を食べた後にも黒色の便が出ることがありますが、食べ物や薬が原因の場合は摂取しなければ数日で元の便の色に戻るでしょう。
食事や薬の内容に心当たりがないときは、何らかの疾患があるかもしれないので早めに受診して詳しく検査をすることをおすすめします。
緑色
緑色の便は、母乳を飲む赤ちゃんに見られる場合は問題ありませんが、成人の便の場合は注意しましょう。成人の便が緑色になる原因は主に暴飲暴食による消化不良や、細菌性かウイルス性の腸炎です。両方とも胃腸が弱っている状態です。
胃腸の働きが弱った状態のときは、ビリルビンが小腸で再吸収される量が減ります。通常よりも多くのビリルビンが腸内に停滞していて、空気に触れると酸化して緑色になるので便の色が緑色になるでしょう。
また、クロロフィルを多く含むほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜を多く摂取したときにも緑色の便が見られる場合があります。原因のものがあるときは摂取しなければ数日で元の便の色に戻るでしょう。
赤色
赤色の便の場合、真っ赤な便か赤色が混じった便かをみましょう。真っ赤な便が出たときは、肛門に近い大腸や肛門など下部消化管からの出血が考えられます。
上部消化管からの出血の場合でも出血量が多いと便が赤くなります。出血が続くと貧血になったり、疾患が進行して深刻な状態になってしまう可能性があるので注意が必要です。早めに受診して原因を突き止めましょう。
赤色が混じった便の場合も出血の可能性が考えられますが、トマトの皮やにんじんなどの赤い食べ物が消化不良で残っている場合や、服用している薬が影響している場合もあります。
赤い便の原因が食べ物や薬の場合があるので、医療機関を受診する前に食事や薬の内容を確認しましょう。
灰白色
便が白っぽくなる原因は、ロタウイルス感染症や肝臓・胆道の疾患が考えられるでしょう。
便の色は胆汁のビリルビンによって黄褐色になります。肝臓や胆道に異常があると十二指腸に十分な量の胆汁が流れないので、便の色が白くなってしまいます。
便にビリルビンが流れず、血液中にビリルビンが流れ込んでしまうと、黄疸になる可能性があるでしょう。早めに受診して原因を突き止めましょう。
また、胃透視検査のために造影剤を飲んだ後の便も灰白色になります。腹痛や下痢の症状があるときは、ロタウイルス感染症を疑いましょう。
まとめ

今回は、便色カラーシート・便の色の観察方法・注意したい便の色について詳しく解説しました。
便の色がいつもと違うと感じたときは、胃腸が弱っていたり消化器官に何か疾患が隠れていたりする可能性があります。
便の色は食べ物や飲み薬によって変化することもありますが、何回も同じ色の便が続いているときは放置せずに早めに医療機関を受診しましょう。医師に便の状態を伝えるときは、色のほかに硬さ・におい・混入物の有無・排便回数などを伝えるとよいでしょう。
疾患の早期発見のためには、日頃から便を観察することが大切です。排便の後はすぐに流さずに便を見る習慣をつけましょう。


