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「胃がキリキリする」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

「胃がキリキリする」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

胃がキリキリするとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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「胃がキリキリする」症状で考えられる病気と対処法

胃のあたりに痛みを感じる際に、「胃がキリキリする」という表現を使うことがあります。今回の記事では、なぜ胃がキリキリするのか、その症状が現れる原因と対処法について説明していきます。

胃がキリキリする症状で考えられる原因と対処法

胃液の分泌量が過剰になって胃炎が生じたり、食道へ逆流したりして逆流性食道炎になってしまうと、胃の痛みや不快感、胸焼け、消化不良、食欲不振などの症状が現れることがあります。また、過剰なストレスによって自律神経の乱れが生じ、胃酸が過剰に分泌されて胃の粘膜を傷つけてしまうことで生じる胃炎や胃潰瘍も考えられます。ヘリコバクターピロリ菌への感染がある場合、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんが引き起こされ、胃に痛みを感じる原因となります。
胃がキリキリする症状に対して自分でできる対処法は、暴飲暴食を避ける、市販薬の胃薬を服用してみることなどです。しかし、立っていられないほどの痛みなどがあったり、吐血を伴ったりしている場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
痛みが長く続いたり、発熱や下痢、嘔吐などの症状を伴っていたりするといった際にも、早めに消化器内科や内科を受診すると良いでしょう。

胃がキリキリして下痢の症状で考えられる原因と対処法

胃がキリキリして、下痢もあるという症状が見られる場合には、感染性胃腸炎の可能性があります。
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などのいろいろな原因によって起こります。胃腸炎の原因となるウイルスの多くは、主に乳幼児から低学年の学童に胃腸炎を引き起こします。一方で、ノロウイルスは乳幼児からお年寄りまで全年齢層で感染、発症します。
症状としては、胃のムカムカや気持ち悪いといった症状がでた後、突然嘔吐したり、腹痛が強くなったり、下痢が起こったりします。健康な人であれば軽症ですみますが、お年寄りや小さな子供では脱水症状を起こしたり、吐いたものを喉に詰まらせてしまったりすることもありますので、注意が必要です。

胃がキリキリして吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

胃がキリキリして吐き気がある、あるいは気持ち悪いという場合には、先に述べた感染性胃腸炎の可能性があります。
その他にも食事を食べ過ぎた際などにも胃がキリキリする可能性があります。胃の働きには問題がなくても、胃の中の食べ物などを処理する働きが追いつかないために腹部に不調を感じ、吐き気を催したりすることもあります。
思い当たる原因がある際には、暴飲暴食をやめて、胃を休めるようにしましょう。

空腹時に胃がキリキリする症状で考えられる原因と対処法

空腹時に胃がキリキリする症状がでる原因には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった消化性潰瘍が挙げられます。十二指腸潰瘍では空腹時に痛みを感じ、胃潰瘍の場合には食後にみぞおちが痛いという症状が現れることが多いとされています。しかし、胃潰瘍で空腹時に痛みを感じることがあります。その他にも、胃・十二指腸潰瘍では、ゲップや胸焼けといった酸の分泌過剰によるような症状も現れます。

胃がキリキリして熱がある症状で考えられる原因と対処法

前述した感染性胃腸炎のような胃の感染症の中でも、特に細菌感染が原因の場合には高熱がでることが傾向として多いです。例えば、サルモネラ菌やカンピロバクターといった細菌感染による胃腸炎では、他の感染症と比べて発熱する頻度が高いという報告もあります。
胃痛に加えて発熱が続く場合には、抗生物質を内服するなどの治療が必要となることもあるので、医療機関を受診するようにしましょう。

妊娠初期に胃がキリキリする症状で考えられる原因と対処法

妊娠初期に胃がキリキリする症状が現れる原因の一つに、つわりが挙げられます。
つわりは、妊娠初期に起こる、食欲の低下や吐き気、嘔吐、胃の不快感、痛みなどの症状を指します。妊娠12週程度で自然に改善することが多いのですが、つわりが重い場合には、食事や水分が激しい嘔吐・吐き気のためにとることができず、体重減少や肝機能障害がみられる場合もあります。つわりの対処法としては、ゆっくりと休むことや、ニオイの強い場所から離れる、といったことなどがあります。

すぐに病院へ行くべき「胃がキリキリする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

激しい胃痛が続いたり、吐血があったりする症状の場合は、消化器内科へ

胃がキリキリする症状が激しく、立っていられないほどの痛みが突然に生じた場合や、吐血を伴う胃痛がある場合には、医療機関を受診するようにしましょう。
また、発熱や下痢を伴い食事が取れないことが続く場合は、感染性胃腸炎の可能性があります。特に小児や高齢者の場合には脱水症状に陥る可能性もあるので、早めに内科や消化器内科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「胃がキリキリする」ときのセルフチェック法

  • 胃がキリキリする以外に吐血がある場合
  • 胃がキリキリする以外に体重が減る場合
  • 胃がキリキリする以外に発熱がある場合

「胃がキリキリする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「胃がキリキリする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

急性胃炎

急性胃炎は、胃炎の中でも胃粘膜が急性、つまり突発的に炎症を起こす症状を指します。
食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎ、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やステロイドなどの薬剤、ピロリ菌の感染などによって胃に炎症が起こります。また、ストレスによって胃の粘膜が障害を受け、炎症が生じることも知られています。ストレスには、脳卒中などの中枢神経障害ややけど、敗血症、心筋梗塞などによる重度の体の障害となるものや、精神的なものがあります。
急性胃炎の症状は、食欲不振、胃のあたりの痛み、吐き気、嘔吐などがあります。内視鏡検査では、胃粘膜が赤くなり、時にはびらんや潰瘍があることもあります。
急性胃炎で原因がはっきりしている場合の治療はそれらの原因を取り除くことです。一方、急性胃粘膜病変という症状が強く現れるタイプのものについては、H2遮断薬などの胃酸分泌抑制薬を主として、防御因子薬を加えるという治療を行います。

胃潰瘍

胃潰瘍は、胃から分泌される胃酸と、胃酸から胃の粘膜を守るために分泌されている粘膜の分泌バランスが乱れたために、胃酸によって胃壁が傷つき、その部分が一部欠損つまり欠けてしまった状態のことです。
胃潰瘍の原因は、ピロリ菌感染やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの薬剤が多いとされています。また、ストレスや過剰な飲酒も胃潰瘍と関連があるといわれています。代表的な症状は、みぞおちの痛みです。また、胃潰瘍から出血している場合には、吐血や黒色便がみられることもあります。
胃潰瘍の治療としては、プロトンポンプ阻害薬とH2遮断薬などの内服で胃酸分泌を抑えます。また、ピロリ菌感染が原因である場合には、ピロリ菌除菌療法が行われます。胃の痛みが続くような場合には、一度消化器内科を受診するとよいでしょう。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃の内容物や胃酸が食道まで逆流することで、食道に炎症が起こってしまう病気のことです。胃と食道の間には、下部食道括約筋という筋肉があるのですが、この筋肉が加齢や食べ過ぎ、肥満などで緩んでしまうと、胃酸が逆流する原因になります。
逆流性食道炎の症状は、胸やけや酸っぱいものが上がってくる感じ、食後にみぞおちや胸が痛む、ということがあります。それ以外にも、喉の違和感や慢性的な咳などの、寝ている際に胃液が喉まで逆流してきてしまうことによる症状もあります。
逆流性食道炎が疑われる際には、内視鏡検査を行なって診断をします。治療は、プロトンポンプ阻害薬という薬などの内服や、生活習慣改善を行なっていきます。

機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、胃の辺りの痛みや胃もたれなどの腹部症状が見られるものの、血液検査や内視鏡検査、CTなどの画像検査で特に症状の原因となるような病気が見つからないというものです。食後の胃もたれ感、早期満腹感、心窩部痛、心窩部の灼熱感といった4項目のうち、1つ以上の症状があり、少なくとも6ヶ月前から症状がはじまり、最近3ヶ月間に症状が続いているものが診断基準として設けられています。
機能性ディスペプシアの要因にはストレスが大きいとされているので、ストレスを避けることや、ストレスをマネジメントする心療内科的な治療が効果的である可能性があります。また薬物療法では、酸分泌抑制薬と運動機能改善薬が用いられることが多いです。

「胃がキリキリする」ときの正しい対処法は?

内関(ないかん)

胃がキリキリするときに、暴飲暴食やストレスが続いているなどの自覚があるようであれば、まずは脂っこい食事や辛すぎる食事を避け、おかゆなどの消化しやすいものを食べるようにします。そして、リラックスするようにこころがけましょう。
感染性胃腸炎を疑うような症状があるもの、水分や補食などが取れている場合には、様子を見ながら整腸剤や解熱鎮痛剤での対応を行います。
また、胃のキリキリする痛みや吐き気などに対しては、内関(ないかん)と足三理(あしさんり)というツボ押しを併用することもあります。内関は手のひらを上に向けた際に手首にできるシワの真ん中から指3本分ほど離れた肘の方にあるツボで、足三理は膝の皿から指4本分下、すねのすぐ外側にあるツボです。こうしたセルフケアや市販薬でも症状が治らない場合には、消化器内科や内科を受診するようにしましょう。

「胃がキリキリする」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胃がキリキリする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃がキリキリするときの対処法を教えてください。

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

食べ過ぎや飲み過ぎが続いている中で胃がキリキリする症状がでている場合には、まずは暴飲暴食をやめましょう。

ストレスが原因で胃がキリキリすることはありますか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

ストレスが原因となり、胃がキリキリすることはあります。ストレスのために胃炎や胃潰瘍などになっている可能性もあります。

胃がキリキリするときに有効な市販薬はありますか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

空腹時の胃のキリキリする痛みに対しての効果が期待できる薬剤としては、H2遮断薬という胃酸分泌を抑える薬や、制酸薬という胃の粘膜保護の効果がある薬があります。一般に市販されているものもあります。こうした薬剤を内服しても、胃の痛みが改善しない場合には、医療機関を受診しましょう。

胃がキリキリするのですが症状が改善するツボはありますか?

木村 香菜医師木村 香菜(医師)

胃のキリキリする痛みや吐き気などに対しては、内関(ないかん)と足三理(あしさんり)というツボがよく知られています。

まとめ 胃がキリキリするときは消化器内科へ相談

今回の記事では、胃がキリキリするときの原因や対処法について解説しました。胃が痛い症状には、さまざまな消化器の病気が隠れていることもありますので、気になる症状がある場合には消化器内科をはじめとする医療機関を受診するようにしましょう。

「胃がキリキリする」症状で考えられる病気

「胃がキリキリする」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

一時的に胃がキリキリする分には様子を見ることができますが、症状が強く長引いている場合や嘔吐下痢を伴う場合は病気が隠れている可能性があります。

「胃がキリキリする」に似ている症状・関連する症状

「胃がキリキリする」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 胃がムカムカする
  • 吐き気がする
  • みぞおちが痛む
  • 背中が痛くなる
  • 胸が痛くなる

「胃がキリキリする」症状の他にこれらの症状がある場合でも「急性胃炎」「慢性胃炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「感染性胃腸炎」「胃食道逆流症」「機能性ディスペプシア」などの疾患の可能性が考えられます。食前や食後に症状が強くなる場合や、嘔吐下痢などを伴う場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。