「女性の手が震える」原因や考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!
女性の手が震えるで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
伊藤 陽子(医師)
「女性の手が震える」症状で考えられる病気と対処法
女性の手が震える症状がみられた場合には、さまざまな原因が考えられます。この原因について解説いたします。
女性の手が震える症状で考えられる原因と対処法
女性の手が震える症状がある場合には、さまざまな可能性が考えられます。代表的なものを紹介します。
- 生理的なもの(寒い時、ストレス、緊張などにより起こるもの)
- 本態性振戦
- パーキンソン病
- 甲状腺機能亢進症
- アルコール依存症
- 薬剤性(喘息の時に使用する気管支拡張剤での手の震え、また胃薬などによる薬剤性のパーキンソン症候群など)
これらの病気のどれなのか判断し、必要であれば治療を行います。
ストレスで女性の手が震える症状で考えられる原因と対処法
ストレスにより、過度の緊張状態が起こると手の震えが起こることがあります。どのような場面で手の震えが起こるかを考えてみましょう。人前での仕事、苦手な事、通勤中などで悪化する可能性があると心理的要素が関係している可能性があります。10代、20代など若い方に多く見られます。リラックスしている状態で症状が出ず、日常生活で支障がない場合には様子を見ても良いですが、不眠や動悸、集中力の低下など日常生活に支障が出る症状が起こる場合には、精神科や心療内科を受診することをお勧めします。
夕方になると女性の手が震える症状で考えられる原因と対処法
夕方の手の震えは低血糖の可能性があります。一般的に夜で血糖値は低下する傾向にあります。夕食前に手が震えたり、イライラしたりする場合には少し糖分を補給して症状が改善するか試してみましょう。糖尿病の治療中の方では、低血糖の症状がある事を主治医に相談しましょう。特に治療をしていないにも関わらず、糖分を補給すると改善する低血糖の症状が頻繁に起こる場合には一度内科を受診しましょう。
更年期の女性の手が震える症状で考えられる原因と対処法
閉経前後の約10年間は、女性ホルモンが大きく揺らぎ変化しながら低下していくことによりさまざまな症状が出ます。この時期を更年期といいます。更年期の症状は、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、頭痛、息苦しさなどが代表的です。更年期の症状は多様であり、手の震えが起こることもあります。手の震えが起こった時に、ほかの更年期の症状も伴う場合には、婦人科を受診して相談しましょう。
高齢の女性の手が震える症状で考えられる原因と対処法
年を取ってから、コップを持ったり、字を書いたりする時に手が震える症状が出た場合には、本態性振戦かもしれません。本態性振戦は、高齢者で起こりやすい動作に関係して起こる震えで、じっと安静にしているときには震えは起こりません。震え以外には症状がなく、検査をしてもはっきりとした原因がわからないことが多いです。この症状と似たパーキンソン病では、安静時にも振戦が起こります。いずれにしても、震えの症状が持続している場合や、日常生活にも支障が出る場合には脳神経内科を受診して相談しましょう。
すぐに病院へ行くべき「女性の手が震える」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
動悸の症状の場合は、内科へ
女性では、甲状腺疾患の頻度が高いです。手の震えに伴い動悸が出る場合には、甲状腺機能亢進症の可能性があります。甲状腺機能亢進症では頻脈が起こり、心不全となることもあります。動悸、手の震えが起こり、持続している場合には早めに内科(特に内分泌内科)を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「女性の手が震える」ときのセルフチェック法
- 女性の手が震える以外に動悸の症状がある場合
- 女性の手が震える以外にやせる場合
- 女性の手が震える以外に転びやすい症状がある場合
- 女性の手が震える以外に筋肉のこわばりの症状がある場合
- 女性の手が震える以外に動作がゆっくりになる場合
- 女性の手が震える以外に冷や汗の症状がある場合
「女性の手が震える」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「女性の手が震える」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
本態性振戦
本態性振戦は、40才以上では4%、65才以上では5~14%以上みられると言われており、高齢者で起こりやすい病気です。手や頭や声の震えが起こりやすく、動作をしているときや特定の姿勢をとった時に震えが出やすいです。文字をうまく書けない症状で気がつく方もいます。震えの症状はほとんど進行しないと言われ、震え以外の症状は出ません。また検査をしても、特定の原因がはっきりしないことが多いです。本態性振戦であれば、そのまま経過を見ることもありますが、パーキンソン病など他の病気の可能性もあり、震えに気がついたときには自己判断せず医療機関を受診しましょう。
パーキンソン病
パーキンソン病とは、震え、動作が緩慢になる、筋肉のこわばり、転びやすいなどを主な症状とする病気で、50歳以上で起こりやすいです。1,000人に1~1.8人程度の発症ですが、65才以上では100人に約1人の割合で、高齢者で多くみられます。この病気の治療は、主に薬物治療が基本になります。ドパミン神経細胞が減少するため、少なくなったドパミンを補います。日常生活では、散歩やストレッチなど、継続して体を動かすことで体力を高めることは、良いとされています。パーキンソン病が疑われる場合には、脳神経内科を受診しましょう。
甲状腺機能亢進症
首の‘のどぼとけ’の下にある甲状腺から、甲状腺ホルモンが過剰に分泌された状態を、甲状腺機能亢進症といいます。甲状腺ホルモンは代謝を活発化したり、成長を促進したりと大切な働きを担っています。この甲状腺ホルモンが過剰になると、代謝が活発になり、暑がり、汗が多くでる、動悸、疲れ、やせる、イライラするなどの症状とともに手の震えも出現します。甲状腺機能亢進症の代表が、バセドウ病です。バセドウ病は20代~30代の若い女性に多い病気です。動悸などに伴い、手の震えがある場合には、内分泌内科を受診しましょう。
「女性の手が震える」ときの正しい対処法は?
女性の手の震える症状は原因がさまざまです。緊張など生理的なもので起こる場合には、深呼吸をしたり、体をリラックスさせたりすることも対処方法の一つです。また、空腹に伴い手の震えが出る場合には、低血糖の可能性があります。この時には少し糖分を摂取しましょう。
手の震えの症状が持続する場合には、一度内科を受診し原因を調べてもらうことが大切です。
「女性の手が震える」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「女性の手が震える」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
手が震える女性は何科を受診すればよいですか?
伊藤 陽子(医師)
手の震えのみでは、何科を受診すればよいかの判断は難しいです。緊張などにともない手の震えや動悸が出る場合には心療内科、動悸、発汗、やせなどを伴う場合には甲状腺疾患を考え内分泌内科、動きづらさや安静時にも震えを伴う様であればパーキンソン病を考え神経内科が専門となります。なかなかご自身で判断がつきづらい場合には、内科を受診して相談してみましょう。
緊張すると手が震えるのはなぜですか?
伊藤 陽子(医師)
緊張やストレスでは交感神経が活性化され、これにより動悸や筋肉の緊張を来たし手の震えが起こることがあります。
貧血や低血糖が原因で女性の手が震えることはありますか?
伊藤 陽子(医師)
貧血でも手の震えを起こすこともあります。また、低血糖は、手の震えや冷や汗の症状が出やすいです。
まとめ 女性の手が震えるときは甲状腺疾患に注意
女性の手が震える原因はさまざまです。生理的なものもあれば、若い女性では甲状腺疾患、高齢の方では本態性振戦やパーキンソン病を合併することもあります。女性では甲状腺疾患が起こることが多く、特に動悸、やせ、手の震えが起こる甲状腺機能亢進症では、そのまま放置すると心不全を合併することもあり早めの受診が必要です。
手の震えが持続する場合には、原因を調べるために医療機関を受診しましょう。
「女性の手が震える」症状で考えられる病気
「女性の手が震える」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
代謝・内分泌系の病気
- 甲状腺機能亢進症
- 低血糖
神経系の病気
- パーキンソン病
- 本態性振戦
その他の病気
- アルコール依存症
- 薬剤性
もともと緊張すると震えやすい方もいますが、徐々に震えがひどくなっている場合やその他の症状がある場合は病気が隠れている可能性があります。
「女性の手が震える」に似ている症状・関連する症状
「女性の手が震える」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- ものが掴みにくい
- 脚が震える
- 歩きにくい
- 動悸がする
- めまいがする
手が震える他にこれらの症状がある場合は「甲状腺機能亢進症」「低血糖」「パーキンソン病」「本態性振戦」「アルコール依存症」などの病気の可能性があります。震えが徐々に悪化している場合や生活に支障をきたしている場合は早めに医療機関を受診しましょう。