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「目の下にぶつぶつ」ができる原因はご存じですか?考えられる病気も医師が徹底解説

「目の下にぶつぶつ」ができる原因はご存じですか?考えられる病気も医師が徹底解説
目の下にぶつぶつができる原因とは?Medical DOC監修医が原因や考えられる病気・市販薬・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
池澤 優子

監修医師
池澤 優子(あい皮ふ科・アレルギー科クリニック)

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順天堂大学医学部卒業。横浜市立大学皮膚科助教、茅ヶ崎市立病院皮膚科部長を歴任後、神奈川県横浜市、あい皮ふ科・アレルギー科副院長として地域の皮膚科、アレルギー疾患の診療に努めている。医学博士。皮膚科学会専門医、アレルギー学会認定医の資格を有する。

「目の下にぶつぶつ」ができる原因と対処法

目の下のぶつぶつには、いくつかの原因が考えられます。今回の記事では、目の下のぶつぶつの原因としてよくみられるものや、その治し方、市販薬で治るのか、などについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目の下にぶつぶつができる原因と対処法

目の下にできるぶつぶつには、汗や皮脂のつまり、アレルギー、ウイルス感染など、さまざまな原因が考えられます。見た目だけでは判断が難しいことも多く、放置すると悪化したり広がったりすることもあるため、症状に応じて適切に対処することが大切です。市販薬で対応できるケースもありますが、ぶつぶつが繰り返す、かゆみや痛みが強いなどの症状があれば、早めに皮膚科を受診しましょう。

目の下に白いぶつぶつができる原因と対処法

目の下に白いぶつぶつがある場合には、稗粒腫や汗管腫、尋常性ざ瘡(白ニキビ)などの可能性があります。壮年期以降であれば、脂漏性角化症などもあります。特にかゆみいたみなどの症状はないことが多く、白ニキビを除いては通常治療は不要です。しかし、見た目の問題から気になる場合には、皮膚科を受診し、治療について相談するようにしましょう。

目の下に赤いぶつぶつができる原因と対処法

目の下に赤いぶつぶつができる場合、アトピー性皮膚炎や、尋常性ざ瘡(赤ニキビ)などの可能性もあります。頻度は少ないですが、単純疱疹や三叉神経領域の帯状疱疹なども出ることがあります。アトピー性皮膚炎の場合、乳幼児では頭や顔から、幼児期や小児期では首や関節部分にできやすいとされています。思春期では頭や首、胸、背中などの上半身に皮疹が強く出る傾向があります。ニキビの場合は思春期から青年期に多く、かゆみはなく膿や赤い丘疹が散在してみられ、時には痛みを伴うこともあります。単純ヘルペスはチクッとした痛みを伴う単発性の丘疹、水疱として症状が現れます。帯状疱疹は壮年期から老年期に多く、強い痛みを伴い、水疱や丘疹が多発します。いずれの場合も、早い段階で治療を行うことが大切です。様子を見ても目の下の赤いぶつぶつが治らないような場合には、皮膚科を受診しましょう。

目の下にかゆいぶつぶつができる原因と対処法

目の下にかゆいぶつぶつができる原因としては、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などの可能性が考えられます。特に、マスカラやアイメイクなどの化粧品によって、アレルギー性接触皮膚炎が起こることがあります。近年は春など花粉や黄砂が原因で空気伝搬性の接触皮膚炎を起こすこともあります。この場合には、目の下を含む目の周りにかゆみやヒリヒリ感を伴う湿疹ができることがあります。

痛みやかゆみが強い場合は、皮膚科へ

目の下のぶつぶつとして、稗粒腫(はいりゅうしゅ)、汗管腫(かんかんしゅ)は放置しておいても問題がない場合が多いです。しかし、痛みやかゆみが強い場合には、治療が必要と考えられます。例えば、アトピー性皮膚炎でかゆみが強いために引っ掻き、かさぶたとなり、より病変が広い範囲に及んでしまうこともあります。

受診・予防の目安となる「目の下にぶつぶつ」のセルフチェック法

  • 腫れが長く続く場合
  • 痛みが強い場合
  • かゆみが強い場合
これらの症状がある場合には、皮膚科の受診をおすすめします。

「目の下にぶつぶつ」が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「目の下のぶつぶつ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

汗管腫

汗管腫は、エクリン汗腺という汗を分泌するための器官の一部が増殖した、良性のできものです。直径1〜3㎜大のつるりとした小さな盛り上がりや、ぶつぶつとした小さなできもの(小丘疹)が、特にまぶたや目の下などによくできます。女性に多く、汗の分泌量が増加する夏季に目立ちます。特に自覚症状はありませんが、自然に消えることもほとんどありません。見た目が気になる場合には、炭酸ガスレーザー療法や凍結療法、ケミカルピーリングなどが行われます。

稗粒腫(はいりゅうしゅ)

稗粒腫は、直径1〜2㎜の、白〜黄白色の硬いぶつぶつとしたできものです。肌の中に古い角質がたまって小さな袋のようになっています。稗粒腫は、生まれつきのもの(原発性)と生まれた後にできるもの(続発性)に分けられます。続発性のものは、火傷や湿疹、皮膚炎などに引き続いて生じることがあります。こちらも良性で、特に新生児にもしばしばみられ、小児期や成人でも生じることがあります。稗粒腫は無害であり、小児期は自然に消えることが多いため、治療の必要はありません。しかし、壮年期以降は自然消退しにくくなります。そこで、見た目などが気になる場合にはレーザーや注射針やメスで小さく切開し、中身を排出させるといった治療法が検討されます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみがある湿疹が現れる病気のことです。患者さんの多くはアトピー素因を持っています。これは、アトピー性皮膚炎を発症しやすい体質、またはアレルギーを起こしやすい体質のことです。顔や身体の左右対称性に湿疹が現れることが特徴で、年齢によってできやすい部位が異なります。乳児期は頭や顔に始まり、身体や手足にもしばしば広がります。顔面の重症例では、白内障や網膜剥離などの合併症が起こることもあります。そのため、アトピーかもと思われる際には、早めに皮膚科を受診することが大切です。治療としては、抗炎症外用薬であるステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏、ジファミラスト軟膏を用いて、寛解状態を目指します。また、保湿外用薬によるスキンケアも重要です。近年は重症のアトピー性皮膚炎では免疫抑制剤や生物学的製剤も保険適応となっています。

接触皮膚炎

接触皮膚炎は、なんらかの刺激物質や抗原(ハプテン)が皮膚に接触することによって起こる湿疹性の炎症を指します。原因やメカニズムなどから、刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎などに分けられます。目の下や目の周りに皮膚炎が起こる原因としては、化粧品や薬用化粧品などが考えられます。保湿クリームや乳液、ファンデーション、化粧水、パック剤、日焼け止め、アイシャドー、マスカラなど、さまざまなものが原因となりえます。稀ですが、ビューラーの金属やゴムなどによる接触皮膚炎もあります。また特定の時期に目の周りにかゆみを伴う皮疹が出る場合は、花粉やよる空気伝搬性の接触皮膚炎が考えられます。黄砂にはニッケルなどが含まれているため、金属アレルギーのある方は黄砂によって接触皮膚炎をおこすことがあります。花粉抗原は通常はかぶれを起こしにくいですが、アトピー性皮膚炎などバリアーの低下した皮膚につくと接触皮膚炎をおこします。 最近化粧品や化粧道具を変えたら目の周りなどにぶつぶつができたという場合には、接触皮膚炎の可能性もあります。一度使用をやめて、皮膚科を受診しましょう。

にきび(尋常性ざ瘡)

にきび(尋常性ざ瘡)は、毛穴に皮脂や角質が詰まり、そこにアクネ菌などの細菌が繁殖して炎症を起こすことで生じます。顔の中でも特に皮脂分泌が多い額や鼻周囲、あごにできやすいですが、目の下にも発症することがあります。 目の下にできる場合は、比較的軽度な白ニキビや赤ニキビであることが多いです。化粧品やスキンケアとの相性、ストレス、睡眠不足などが影響していることもあります。 自己処理をしてしまうと色素沈着やクレーター状の瘢痕が残ることもあるため、気になる場合は皮膚科を受診しましょう。治療としては、ディフェリンゲル(アダパレン)や過酸化ベンゾイルを含む外用薬、ビタミン剤などが用いられることが多いです。

単純疱疹(ヘルペス)

単純疱疹は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって起こるウイルス性の皮膚疾患です。通常口唇の皮膚と粘膜の境目に多くみられますが、時に目のまわりにでることもあります。目の周囲にできる場合は、赤みを伴った小さな水ぶくれや痛みを感じることが多く、ピリピリとした違和感が前兆として現れることもあります。免疫力が低下したときに再発しやすく、疲労やストレス、風邪などがきっかけになることがあります。早期に抗ウイルス薬を使用することで、症状の軽減や回復が早まります。自然に治る場合もありますが、繰り返す場合は医師の診察を受けましょう。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発症する皮膚疾患です。赤い丘疹や水ぶくれ、神経に沿った痛みが特徴です。子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏し、加齢やストレス、病気などによって免疫力が低下すると再活性化して発症します。目の周囲に出る場合は三叉神経第1枝領域にそってウイルスが感染した病態であり、皮膚だけでなく角膜にも炎症をおこします。皮膚科だけでなく、眼科を受診し、角膜の状態を診てもらう必要があります。 放置すると視力障害などの合併症を引き起こすことがあるため、皮膚科だけでなく、眼科も早めに受診し、適切な診断と抗ウイルス薬による治療が重要です。

「目の下のぶつぶつ」に効果的な市販薬は?

よくみられるような汗管腫や稗粒腫は、塗り薬での完治は難しいです。治療のためには、皮膚科での処置が必要となります。一方、接触皮膚炎などの場合には、ステロイド外用薬が有効な場合があります。市販されているステロイド薬は、作用がマイルドなものからウィーク、ミディアム、ストロングの3つに分類されています。中でも、ウィークに分類される、コートf ®️MD軟膏は、皮膚の薄い部分である目の下などにも使うことができます。ただし、1週間を超える使用は控え、治らない場合には皮膚科を受診することをお勧めします。また、痛みや熱感が強い場合には、感染を伴っている場合があります。特に、じくじくとただれているような場合には、市販薬に頼らず、皮膚科を受診するようにしましょう。

「目の下のぶつぶつ」の正しい対処法は?

目の下のぶつぶつにかゆみや痛みなどを伴っている場合には、治療のために皮膚科の受診が必要となるケースも多いと考えられます。一般的なスキンケアとして、皮脂を奪いすぎないように優しく顔を洗うことや、保湿、清潔を保つことが大切です。しかし、ぶつぶつができてしまった場合には、むやみに触らないようにし、清潔にしておきましょう。 一方で、他の皮膚と似た色、あるいは白色の場合には、稗粒腫や汗管腫など、特に治療を要しないものもあります。見た目が気になる、あるいはたくさんあるといった場合には、皮膚科で相談するようにしましょう。

「目の下にぶつぶつ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「目の下にぶつぶつ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

目の下にできるイボのようなぶつぶつについて教えてください。

池澤 優子医師池澤 優子(医師)

目の下にできるイボのようなぶつぶつは、稗粒腫や汗管腫、エクリン汗嚢腫、脂腺腫、脂漏性角化症などの可能性があります。

まとめ

今回の記事では、目の下のぶつぶつとしてよくみられるものについて解説しました。経過観察しておいても問題ないものもありますが、痛みやかゆみ、赤みが強い場合には早めに治療した方が良いでしょう。

「目の下にぶつぶつ」で考えられる病気

「目の下にぶつぶつ」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科系の病気

目の下のぶつぶつとして考えられる病気には、これらのようなものがあります。数が増えたり痛みやかゆみが強かったりする場合には、皮膚科受診をおすすめします。

「目の下にぶつぶつ」に似ている症状・関連する症状

「目の下にぶつぶつ」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • かゆみ
  • 赤み
  • 痛み
目の下のぶつぶつは、特に症状がないことも多いのですが、これらのような症状が現れる場合もあります。