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「勝手に涙がでてくる」原因はご存知ですか?医師が監修!

「勝手に涙がでてくる」原因はご存知ですか?医師が監修!

涙は感情を表すものだけではなく、目や心身の不調が原因で出ることもあります。しかし、具体的にどのような原因で涙が出てくるのか、詳しく理解しきれていない方も多いでしょう。
今回は、勝手に涙が出てくる理由を、感情・目・心身の視点から解説します。また、片目からだけ勝手に涙が出る理由や対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

佐藤 留美

監修佐藤 留美

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2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研究医として勤務。
現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務。
医学博士、日本内科学会認定総合内科専門医、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、
日本感染症学会感染症専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

勝手に涙が出る理由

勝手に涙が出るのは、ストレスやうつなどの病気が原因と考えられています。また、目の病気にかかっており、それが原因で涙が勝手に出てくることもあります。ここでは、勝手に涙が出る原因の詳細を解説しているので、自身の症状と照らし合わせながら参考にしてください。

ストレス

勝手に涙が出る原因に、ストレスが挙げられます。ストレスは、現代社会において多くの人が抱える問題の一つです。仕事・学業・人間関係・経済的な問題など、ストレスにつながる要因は人それぞれです。ストレスが原因で涙腺が刺激され、勝手に涙が出ることもあります。
また、ストレスによる涙は感情的な面だけでなく、生理的な反応であることも考えられます。自律神経のバランスが乱れ、勝手に涙の量が増えることも少なくありません。

うつなどの病気

うつ病や他の精神的な病気も、勝手に涙が出る原因となることがあります。うつ病は、悲しみや絶望感だけでなく、興味や無気力感を感じることがある疾患です。うつなど、精神的な病気を発症すると感情のコントロールが難しくなり、勝手に涙が出てくる原因になります。日常生活に支障をきたすこともあるため、うつの症状に近い自覚症状がある場合は、すぐに医師の診断を受けましょう。

目の病気にかかっている可能性もある

勝手に涙が出てくることは、目の健康状態になんらかの異常をきたしている状態ともいえます。目の病気や炎症がある場合、涙の流れがスムーズでなくなり、意思に反して勝手に涙が出ることがあります。ドライアイや結膜炎などが、勝手に涙が出てくることに関連する病気の代表例です。これらの病気によって目の表面が刺激されることで、涙の分泌量が増加します。

また、目の内部における病気や炎症も、涙が勝手に出てくる原因となります。眼圧が上昇する「グラウコーマ」などの疾患で、片目だけから勝手に涙が流れることもあるでしょう。

片目だけから勝手に涙が出ることも

両目からではなく、片目だけから勝手に涙が出ることもあります。ここでは、片目だけから勝手に涙が出る原因や対処法について解説します。両目から勝手に涙が出る場合の症状と比較し、自身の症状と照らし合わせましょう。

片目だけから涙が出る原因

片目だけから涙が出る原因は、以下のとおりです。

  • 目の感染症や炎症
  • シェーグレン症候群
  • 涙道閉塞
  • グラウコーマ

これらの原因のほかにも、外傷や目に優しく入ったことによる刺激、アレルギー反応によるもの、あるいは眼精疲労などが考えられます。片目だけから涙が出る場合には、原因によって適切な対処法が異なることも覚えておきましょう。

目の感染症や炎症

目の感染症や炎症が原因で、片目だけから涙が出ることがあります。結膜炎や角膜炎といった疾患を発症することで特定の部位が炎症し、その部位の涙が分泌されやすくなります。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群とは、免疫の誤作動によりさまざまな炎症が起こる病気の一つです。片目だけから涙が出てくるだけでなく、涙が出なくなる・ドライアイなどの症状を発症することもあります。またシェーグレン症候群は目だけでなく、唾液腺や臓器にも症状が表れることもある病気です。

涙道閉塞

涙道閉塞とは、涙道が狭くなり、涙の流れが悪くなる疾患のことです。涙道閉塞は主に、遺伝による先天性のものと、ある程度の年齢になってから発症する後天性の2種類に分類されます。涙の流れが悪くなると片方の目が過敏になるため、片目だけから涙が出てきます。

グラウコーマ

グラウコーマとは、眼圧の障害によって視神経が損傷を受ける病気です。「緑内障」と呼ばれることもあります。グラウコーマを発症すると、片目だけから涙が出るだけでなく、視力障害・視野欠損につながる危険性もあります。

片目だけから涙が出た際の対処法

片目だけから涙が出る場合は、原因によって正しい対処法が異なります。以下で紹介するのは、あくまで一般的な対処法の一部です。
原因が特定できない場合や症状が継続する場合は、必ず専門家に相談してください。

目を清潔にする

目の感染症や炎症を防ぐためには、目を清潔に保つことが重要です。正しい方法で目を洗浄したり、目薬を使用したりして症状を改善させましょう。

湿布を貼る

シャーレイ症候群など、自律神経の異常による原因で涙が出る場合は、患部に湿布を貼りましょう。湿布を貼ることで患部の緊張が和らぎ、涙の過剰分泌を抑えられます。

専門家の診断と治療を受ける

涙道閉塞やグラウコーマ(緑内障)といった重篤な症状が原因で涙が出てくる場合は、専門家による診断と適切な治療が必要です。専門家に症状を伝えて適切な治療を受けなければ、症状が緩和されないばかりか、悪化する可能性も考えられます。決して自己判断せず、専門家の指示を仰ぐようにしましょう。

勝手に涙が出る状態に有効な方法

勝手に涙が出る状態を改善するためには、以下の方法が有効です。それぞれの方法の詳細を解説するので、涙が出る状態を回避するうえでの参考にしてください。

  • 薬を使用する
  • 専門家に相談する
  • 薬を使用する

涙が勝手に出てくる症状を改善するには、医師によって処方される薬物療法が有効です。ストレスやうつ病などの精神疾患が原因の場合は、抗不安薬や抗うつ薬が処方されます。目の病気が原因の場合は、抗炎症薬や目薬が使用されます。
薬物療法は症状の緩和に効果があるものの、副作用や依存性があることも把握しておくべきです。医師の指示を受け、適切な薬物治療を行うことも重要です。
専門家に相談する
勝手に涙が出る状態が持続する場合は、眼科医や精神科医など、専門の医師に相談しましょう。専門家は症状の原因を正確に判断し、適切な治療法を提案してくれます。
眼科医は目の健康に精通しているため、目の病気や涙の問題に対する的確な診断・治療を受けることが可能です。また、精神科医は精神的な問題に対して専門的なアプローチを行ってくれるでしょう。ストレスやうつ病による涙の問題に関しては、専門家の知見をもとに心の健康をサポートすることが大切です。

まとめ

今回は、勝手に涙が出てくる主な原因や対処法について解説しました。
勝手に涙が出る理由にはストレスやうつ病、目の病気などが考えられます。涙は感情の表れだけでなく、目の健康を維持するための重要な役割を果たしているのも特徴です。片目だけから涙が出る場合は、それに伴って目の感染症や炎症、シャーレイ症候群、涙道閉塞などが起こっていることが考えられるでしょう。
勝手に涙が出る状態に対処するためには、薬物療法や専門家の診断と治療が有効です。自己判断せず、早めに専門家のアドバイスを仰ぐことが大切です。不安感による涙もある程度は自然現象として認識できるものの、継続的な症状や不快感がある場合には注意が必要です。
健康な目と心のバランスを整えるためには、正しい休息とストレスケアが必要です。規則正しい生活や適度な運動、心身のリラックスにつながる趣味を持つことも大切です。今回紹介した内容を参考に勝手に涙が出る理由と対策を把握し、専門家に相談しながら適切な治療を受けて健康な暮らしを実現しましょう。

「勝手に涙がでてくる」で考えられる病気と特徴

眼科の病気

  • グラウコーマ
  • 涙道閉塞

精神科の病気

その他の病気

「勝手に涙がでてくる」と関連のある症状

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