中川先生
幼少期に体力づくりを意識したのはいつ頃からですか?
遠藤選手
高校に入ってからです。ユースチームにはフィジカルコーチもいたので食事や筋トレなど、体力づくりを真剣に考えるようになりました。
中川先生
食事で気を付けていたことはありますか?
遠藤選手
とりあえず何でも食べて、牛乳も好きで1日1リットル飲んでいましたね。食べる量は昔よりも少し減りましたが、バランスと品数を増やすことは意識して、ストイックに管理せず食べたいものを食べています。好き嫌いもありますが、子どもにもいろいろ食べるように言っています。あとは最低限、水分量には気を付けるようにしていますね。
中川先生
子どもは水分が不足しやすいので、牛乳を飲むことは良いと思います。好みで食事が偏ってしまうことも多いので、バランスよく栄養を摂取することが大切です。幼少期の体力づくりが今のキャリアに役立っていると感じることはありますか?
遠藤選手
骨折をしたことがないので、牛乳は飲んでいてよかったと思います。
中川先生
そのほかはいかがですか?
遠藤選手
小学生や中学生時代に毎日のようにサッカーをやっていたことや、ユース時代の筋トレは体力づくりのベースになっていると思います。
中川先生
睡眠についても教えてください。
遠藤選手
中学生まで夜の9時くらいには寝ていました。練習や試合が続くシーズン中は、7〜8時間の睡眠が続くと疲れを感じるので、今でも9時間は寝るようにしています。
中川先生
幼少期の体力づくりには、睡眠時に分泌される成長ホルモンが重要だと言われています。現代の子どもたちはテレビやスマホなどの影響で睡眠時間が不足していると言われているので、注意していただきたいですね。
遠藤選手
上の子に就寝時間を合わせると下の子が寝る時間も遅くなるので、僕も長男を早く寝かせるように工夫しています。今では長男も夜9時に寝て朝7時半に起きる習慣ができました。
中川先生
良い習慣だと思います。朝食を食べないことや8時間未満の睡眠は、子どもの体力低下につながると考えられているため、生活習慣を見直すことも大切です。
遠藤選手
生活習慣として、まとまった休息も大事ですよね。
中川先生
そうですね。そう感じた理由はありますか?
遠藤選手
日本では夏休みにも合宿があると思いますが、ドイツではその期間に1〜2カ月のまとまった休みを取ることが多いようです。その期間に体が成長するという話を聞いたので、子どもにとって休息が大切だと感じました。
中川先生
その通りですね。日本ではチームに合わせて休みが取れないことも多いようです。指導者の中にも「練習は毎日やるもの」「休んだら弱くなる」という考え方が根強く残っており、休まずに疲労が蓄積してケガをするパターンが多いと感じます。
遠藤選手
ケガをしないようにしたいですよね。
中川先生
はい。チームとして動くのは週3日以内にして適度に休息するという意見も増えてきているので、そういう考え方は広まってほしいですね。スポーツに関してはどういった指導や環境づくりをしていますか?
遠藤選手
大切にしているのは、子どもにやりたいことをやらせてあげるということです。環境づくりとしても、運動をたくさんする学校に通っています。
中川先生
学校の授業や課外活動で運動するのですか?
遠藤選手
午後13:30には授業を終えてクリケットやラグビーの試合をしているようです。
中川先生
日本の学校にはない環境ですね。スポーツは勉強に向かう体力や集中力を養うことにもつながるので、良い環境だと思います。
遠藤選手
親としては、環境づくりも大切ですね。
中川先生
はい。親の役割は環境を用意したうえで、子どものやりたいことをサポートすることだと思います。最後に遠藤選手からスポーツの大切さについてメッセージをいただけますか?
遠藤選手
スポーツが健康に良いことは間違いありません。僕はサッカー選手なので、サッカー選手になりたい子どもが増えるとうれしいのですが、1番大切なのはスポーツを楽しむことだと思います。親としては子どもがいろいろなスポーツを経験できるようにサポートしていきたいと感じました。