

范姜先生
梅宮さんはどういった治療を受けましたか?
梅宮さん
最初に乳がんステージ3Aだと説明を受け、治療のフルコースである抗がん剤治療、手術、放射線治療を受けました。
范姜先生
最初に抗がん剤治療を受けたのですね。
梅宮さん
はい。最初に受けたAC療法という赤い抗がん剤は、動くと液漏れをして皮膚移植が必要な場合もあると聞き、とても怖かったことを覚えています。
范姜先生
赤い悪魔と言われていますね。
梅宮さん
アメリカだと「レッドデビル」と呼びますよね。
范姜先生
最初に抗がん剤治療をしたのは、検査でリンパ節転移が見つかっていたからだと思うのですが、どうでしょうか?
梅宮さん
はい。既に脇のリンパ節に転移がありました。胸の手術前にがんを小さくする目的で抗がん剤を使い、その後に手術と放射線治療を受けました。
范姜先生
がんはどのくらい広がっていましたか?
梅宮さん
がんは散らばっていて、手術でリンパ節を23個取り、そのうちの7個にがんが見つかりました。
范姜先生
実際に治療を経験されていかがでしたか?
梅宮さん
抗がん剤治療は精神的につらく、終わる日を毎日数えていました。
范姜先生
その中で治療とどのように向き合いましたか?
梅宮さん
治療前はダイエットもして痩せていましたが、がんに打ち勝つため、よく食べて結果的に15kg太りました。周囲から心配された食欲不振は幸いにも起こりませんでした。
范姜先生
抗がん剤治療の必要性を説明する際は、脱毛を気にされて抵抗される人が多いのですが、梅宮さんは抵抗がありましたか?
梅宮さん
髪の毛が抜けることはつらく、抗がん剤治療をやめたいと思うほど悩みました。人に見られる仕事柄なので、すぐには受け入れられませんでしたが、最終的には覚悟してウィッグを探しましたね。
范姜先生
そういった理由もあり、標準治療以外の治療を選ぶ人もいますが、その選択は考えませんでしたか?
梅宮さん
いろいろな治療方法も耳にしましたが、父をはじめ周囲の多くが標準治療で社会復帰していたため、私は標準治療を選びました。
范姜先生
胸の再建についてはどのように考えましたか?
梅宮さん
がんが胸の全体に広がっていたので、再建よりも早く手術で取り除きたい気持ちが強かったと思います。51歳という年齢や既に結婚、出産も経験していたので、胸の再建は望みませんでした。再建を希望する人は多いですか?
范姜先生
多いですね。胸は女性のシンボルであると考える人も多く、なくなることで喪失感に襲われる人もいらっしゃいます。
梅宮さん
胸を再建する場合の費用について教えてください。
范姜先生
基本的に乳がんという診断名がつけば再建に関しても全て保険適用となります。
梅宮さん
再建には腹部や背中から脂肪を持ってくると聞いた時は怖いなと感じました。自分の脂肪を使用することで何かメリットはあるのですか?
范姜先生
見た目が自然で体になじみやすいというメリットがあります。ただし、健康な部位に傷を作ることになるので、その点には注意が必要です。
梅宮さん
知っておくことが大切ですね。
范姜先生
マンモグラフィ検査は痛いというイメージが強く、検査をしたくない人も多いのですが、梅宮さんは実際に検査を経験していかがでしたか?
梅宮さん
マンモグラフィ検査はとても痛くて、できればもう受けたくありません。その痛みのイメージが検診率を下げる原因になりますよね。
范姜先生
そのとおりですね。ただし、乳がんは早期発見・早期治療が重要で、できる限りステージ0〜1期で見つけたい病気です。ステージ0では5年生存率が約95%以上、ステージ2でも約90%以上ですが、ステージ3になると徐々に5年生存率は低下するので早期発見・早期治療が大切ですね。
梅宮さん
早期発見ができれば治療が軽く済み、期間も短く、治療費も抑えられる可能性が高くなりますよね。推奨されている検査の頻度はありますか?
范姜先生
マンモグラフィ検査と超音波検査を併用することで診断精度は約92%に上がりますが、見つかりにくい小さながんもあります。そこで、年に1回のマンモグラフィ検査に加え、年に2回の超音波検査を受けることを推奨しています。
梅宮さん
早期発見・治療のためには怖がらずに検査を受けてほしいですね。ありがとうございました。