宮野先生
鼻茸が発覚してから、何か治療はされましたか?
長田さん
症状が悪化した時は、ステロイドの点鼻薬や抗生剤を使用していました。
宮野先生
症状は改善しましたか?
長田さん
部分的に良くなることもありましたが、完治はしませんでした。
宮野先生
手術を決意したきっかけを教えてください。
長田さん
テレビの番組で詳しく調べたことがきっかけです。MRI検査で鼻の穴が完全に詰まっていて、嗅覚の検査でも全くにおいがしなかったので「もうダメだ」と思い手術を決意しました。そのまま放置していたら嗅覚がなくなるかもしれないと言われて、さすがに怖かったですね。
宮野先生
実際に手術を受けていかがでしたか?
長田さん
鼻の穴の中に詰め物をするので術後1週間は辛かったですが、状態は安定していました。最近また鼻詰まりを感じて調べた時は再発していなかったのですが、再発する可能性もありますか?
宮野先生
あります。
長田さん
僕の場合、再発する好酸球性副鼻腔炎だと言われたのですが関係はあるのでしょうか?
宮野先生
そうですね。慢性副鼻腔炎は好酸球と好酸球以外のものに分けられ、それぞれ再発率が変わります。
長田さん
それぞれの再発率について教えてください。
宮野先生
好酸球性副鼻腔炎は再発率が最も高く、術後6年間の再発率は20〜50%です。
長田さん
かなり高いですね。
宮野先生
好酸球以外の再発率は約10%だと言われています。
長田さん
治療技術も進歩しているのでしょうか?
宮野先生
昔は手術以外に治療方法がなかったのですが、新しい薬も開発され好酸球性副鼻腔炎の場合でも劇的に良くなるケースも増えているようです。
長田さん
心強いですね。5年前は10日間の入院が必要だと言われましたが、実際に手術した時は1日の入院で済みました。
宮野先生
そうですね。ポリープは内視鏡で取ることが可能となったため、体への負担も減り、入院期間も短くなっています。
長田さん
治療の際に何か注意することはありますか?
宮野先生
鼻茸によって喘息の治療コントロールが悪化することもあるので注意してください。長田さんはいかがですか?
長田さん
子どもの頃はなかったのですが、上京してから喘息を発症しました。
宮野先生
大人になってから喘息を発症する方は特に鼻茸(慢性副鼻腔炎)が治りづらい印象です。
長田さん
なるほど。喘息を併発している方は特に注意が必要ですね。
宮野先生
そうですね。退院後の生活に変化はありましたか?
長田さん
手術後すぐに嗅覚が戻り、ずっと分からなかった便のにおいが臭くて感動しました!相方から声も少し変わったと言われました。
宮野先生
ものまねや歌う時に変化はありましたか?
長田さん
ものまねは変わりませんでしたが、声が出るようになって歌いやすくなりました。当時流行っていた瑛人さんの「香水」の歌のものまねは手術前に撮影しましたが、瑛人さんも鼻が詰まっているような声だったので歌いやすかったです。
宮野先生
嗅覚が戻ると食事の味も変化しますよね。
長田さん
そうですね。食事はおいしく感じるようになりました。睡眠も改善され頭の重さも減ったと思います。治療したことで生活のパフォーマンスが上がることを実感しました。
宮野先生
大切ですね。鼻茸は早期に治療することで生活の質(QOL)の改善がみられます。命の危機に直接関わる可能性は低いですが、生活のパフォーマンスが上がることは治療による大きなメリットだと思います。
長田さん
放置することに何のメリットもないと思います。早期に治療を開始するためにも早めの受診が大切ですね。ありがとうございました。