下方先生
尾形さんをテレビで拝見させていただいていると、いつもいい汗をかいていますね。
尾形さん
いい汗というか、すべり汗ですね。でも、汗をかくことは気持ちいいし、仕事では汗に助けられることも多いから、嫌ではないですね。汗をかき過ぎると、何か良くないことはありますか?
下方先生
汗をかき過ぎることで、日常生活に支障をきたす場合がありますね。尾形さんは、いつ頃から汗が気になるようになりましたか?
尾形さん
ムチャブリがあると汗が出るようになったので、30歳ぐらいですかね。
下方先生
ムチャブリされた時、どこから汗が出ますか?
尾形さん
顔からですね。
下方先生
おでことか頭はどうですか?
尾形さん
頭はかきますね。
下方先生
汗の出方に左右差はありますか?
尾形さん
ないですね。
下方先生
寝ている間は、汗が気になりますか?
尾形さん
追い込まれる夢を見た時は汗びっしょりですけど、普段は全然ですね。
下方先生
ご家族の汗については、どうでしょうか?
尾形さん
うちの娘も嫁も、汗かき体質だと思います。
下方先生
奥さんと尾形さんの汗かき体質が、娘さんにも遺伝しているかもしれないですね。
尾形さん
そうかもしれないですね。おれは、汗をかいている女性とか素敵だと思いますけどね。
下方先生
額に汗を流して一生懸命頑張っている姿って、素敵ですよね。
尾形さん
だから、仕事の日の朝はサウナに行きます。面白いことを言えなかった時も、汗で笑ってもらえるように、常に汗が出るように意識していますね。
下方先生
尾形さんは、汗をうまく利用しているのですね。汗かき体質を味方につけている、レアなケースだと思います。
尾形さん
おれは、芸人をやっているから嬉しいけど、芸人をやっていなかったら悩んでいたかもしれないですね。
下方先生
そうですね。営業マンの患者さんで、緊張していなくても、びっくりするくらい汗をかいてしまい、日常生活だけでなく、仕事に影響が出てしまっている方もいらっしゃいます。
尾形さん
俺は営業マンが汗をかいている姿って素敵だと思うけど、人によって捉え方も違うということですね。
下方先生
そうですね。真剣にやっていると感じる人もいるかもしれないですが、ご本人としては毎日そのことで悩む方も多いと思います。
尾形さん
なるほどね。汗ってなんで出るのですか?
下方先生
汗は、3つの刺激で出ると言われています。暑い刺激と緊張など精神的な刺激、もう1つは味覚への刺激ですね。
尾形さん
だから俺も辛いものが好きな訳でもないのに、汗が出るという理由で辛いものを食べる仕事が来るんですよ。
下方先生
尾形さんだからこそ得られた仕事なのかもしれませんね。尾形さんは、緊張して汗が出る頻度は週に1回以上ありますか?
尾形さん
週に6回はありますね。ダウンタウンさんと会う時は、とんでもない量の汗をかきます。おれって多汗症なのでしょうか?
下方先生
尾形さんの場合、日常生活で困ることよりもメリットのほうが多いようですが、汗の量も多く6カ月以上汗かき状態が続いているので、多汗症の診断基準に当てはまりますね。
尾形さん
多汗症なのですね、俺。でも全然いいですよ。汗をかくと、リフレッシュになるし、毒素を出してくれるいいイメージがありますしね。多汗症が引き起こすリスクや悪影響は何かありますか?
下方先生
多汗症自体が病気につながるということはないです。ただ、日常生活で困ってしまうこと事態が一番の問題になります。
尾形さん
例えば何がありますか?
下方先生
着たい服が着られないという訴えはありますね。
尾形さん
グレーの服とかね。俺は収録で目立つように、敢えてグレーの服を着ていきます。でも、普通に考えたら恥ずかしいですよね。
下方先生
あと、多汗症って脇だけの問題ではないのです。例えば手汗は、野球などのスポーツにおいては、汗で手が滑ってしまうといった支障にもつながったりしますね。尾形さんは、今まで、汗で恥ずかしい思いをしたことはありますか?
尾形さん
ありますね。初めてのことをする時とかあるじゃないですか。そういう時って、止めようと思うほど逆に、とんでもない量の汗をかいてしまったりするのですよね。そういう経験はあります。
下方先生
緊張すると、逆に汗が止まらなくなりますよね。
尾形さん
多汗症と精神的なストレスには、何か関係があるのでしょうか?
下方先生
ストレスが原因で多汗症になることはないですが、多汗症の方がストレスなどの精神的な刺激で汗が出てしまうことはあると思います。
尾形さん
満員電車の中とかもそうですよね。やばいやばいと思うと、どんどん汗が出てくるのですよね。そういった理由で困っている人は多いのですか?
下方先生
そうですね。多汗症の割合は、日本人の10人に1人だと言われています。決して稀な病気ではないですね。困っている方が多い反面、誰に相談したらいいか分からなかったり、相談しても軽く受け取られてしまったりして、悩んでいる方は多いと思います。
尾形さん
悩んでいる人は、まずどうすればいいですか?
下方先生
汗に関することで困っている人は、まず皮膚科を受診していただきたいですね。体の中にほかの病気が隠れている場合もありますので、そういったものが無いかを確認して、治療を進めていくことが重要だと思います。
尾形さん
1人で悩まず、まずはしっかりと調べることが重要なのですね。ありがとうございます。